『ブラックハット』感想とイラスト 器を問わないマイケル・マン

映画『ブラックハット』クリス・ヘムズワースのイラスト(似顔絵)

サイバー・サスペンス映画ってどんな映画なんでしょう?頭の悪いボクにはよくわかりませんが、きっとマイケル・マンも、クリス・ヘムズワースもよくわかってないと思いますよ。だって任侠映画だもの!

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目次

『ブラックハット』感想とイラスト 器を問わないマイケル・マン

  1. 作品データ
    1. 予告編動画
  2. 解説
    1. あらすじ
  3. 感想と評価/ネタバレ多少
    1. あれ?マイケル・マン?
    2. と思いきや…
    3. サイバー・サスペンス?
    4. やっぱり俺はマイケル・マン!
    5. 作品選びは慎重に

作品データ

『ブラックハット』
Blackhat

  • 2015年/アメリカ/133分
  • 監督:マイケル・マン
  • 脚本:モーガン・デイヴィス・フォール
  • 撮影:スチュアート・ドライバーグ
  • 音楽:ハリー=グレッグソン・ウィリアムズ/アッティカス・ロス
  • 出演:クリス・ヘムズワース/タン・ウェイ/ワン・リーホン/ヴィオラ・デイヴィス/ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン

予告編動画

解説

サイバー・サスペンスという殻を内側から任侠映画が喰い破ってもう何が何やらというサスペンス・アクションです。

監督は何を撮っても任侠映画になってしまう『刑事グラハム/凍りついた欲望』のマイケル・マン。主演は『白鯨との闘い』のクリス・ヘムズワース。共演は『ラスト、コーション』のタン・ウェイとワン・リーホンなど。

あらすじ

香港の原発、そしてアメリカの金融市場が何者かによるサイバー攻撃を受け、甚大な被害と損失を被った中国とアメリカ。

事態の解明と犯人逮捕のため、両国で合同捜査チームが結成されることとなり、中国情報部のダーワイ(ワン・リーホン)は信頼できる人間として自分の妹であるリエン(タン・ウェイ)と、天才プログラマーでありながら現在服役中の、大学時代の親友ハサウェイ(クリス・ヘムズワース)を招集する。

犯人逮捕と自身の釈放を引き換えにチームに合流したハサウェイは、仲間たちとともに姿の見えないブラックハット(悪質なハッカー)の行方を追うのだったが……。

感想と評価/ネタバレ多少

「マイケル・マンとサイバーテロ?」という一見すると腑に落ちないこの取り合わせ。いやいや、最近はインテリヤクザなどという職種も出現しているご時世ですから、マイケル・マンがこの手のネタに手を出してもなんら不自然ではないのかも。

「俺は銃と夜景と純愛と男気だけの映画監督ではない!」という彼の決意表明が垣間見えるような見えないような。というわけで、マイケル・マン6年ぶりの新作『ブラックハット』の感想であります。

あれ?マイケル・マン?

中国の原発、アメリカの金融市場。現在サイバー戦争ガチンコどつき合い中の両国が何者かによる攻撃を受け、しぶしぶ協力関係を結ぶという基本プロットは面白いと思います。

ブラックハットは何者で、最終的な目的とはいったいなんなのか?テロ?復讐?はたまた?というサイバー・サスペンスとしての引きも上々で、とっても親切に描写された懐かしのハッキング映像などもあわせ、これはマイケル・マンの映画ですよと教えてもらわなければ気がつかないぐらい。

本気だなマイケル・マン!本気でサイバー・サスペンスをやる気なんだなおぬし!

と思いきや…

しかし、主要キャラが出揃ったあたりで何やら雲行きが怪しくなってくるのです。重大事件の捜査に民間人である妹と、犯罪者である親友を加入させてしまうダーワイ大尉の思いきったチーム編成。

っていうかチームの人数少なすぎませんか?5人て!なんか頭より体と足を使って捜査してるし。仮釈放中の身で拳銃撃ってるし。予想どおり親友と妹デキちゃってるし。あれれ?なんかおかしいぞ?

だいたいこのチームは誰が何を担当しているのかいまいちよくわかりません。みんなで同じこと考えて、みんなで現場に出かける。お前ら仲良しグループか!分業しなさい分業!せめて頭脳担当と体力担当ぐらい分けましょうよ。

妹なんてなんの仕事してるのかさっぱりわからん。刑務所生活の長かったハサウェイへのご褒美かな?なんてゲスの勘繰りをしてしまうではないですか!

サイバー・サスペンス?

何をもってサイバー・サスペンスと呼ぶのか?その手の知識に乏しいボクには判断つきかねますが、実は監督のマイケル・マン、そして出演俳優たちにも実はよくわかってないのではないでしょうか?

書かれた脚本のとおりに撮影し、それっぽい映像を挿入し、意味のわからない専門用語を暗唱し、適当にキーボードを叩く。監督も出演者も仕方なくやっている感じとでも申しましょうか。そこに真実味はなく、あるのはそういう雰囲気のみ。

ですので、いわゆるサイバー・サスペンスとしての熱量は予想外に低く、あくまで作品を包む空気にとどまっておるのですが、それ以外の描写に関しては無駄に熱量がこもっております。

視線。動作。夜景。空撮。格闘。銃撃。音響。デジタルカメラで撮影されたこれらの映像群の熱量は、空気としてのサイバー映画とアナフィラキシーショックを起こし、映画としてのまとまりを大きく欠いているように思えます。これはサイバー映画なのか?それともマイケル・マン映画なのか?

やっぱり俺はマイケル・マン!

答えは中盤の「あっ!」と驚くあまりに残酷なサプライズによって提示されます。「サイバー?ネットワーク?ハッカー?んなもんは知らん!俺はマイケル・マンだ!」そう。これはサイバー・サスペンスという器を借りた、いつもどおりのマイケル・マン映画なのでした!

傷を負った男と女との出会い。掛け替えのない友情。リアルな銃撃戦と乾いた音響。空から見た夜景。海から見た夜景。喪失感。復讐。命をかけた決意。闘いへと臨む覚悟。そして男同士の雌雄が決する瞬間。言葉はいらない。言葉はない。

任侠映画ですよぉ、任侠映画なんですよこれ!だから主役はクリス・ヘムズワースなのですよ!だからサイバー・サスペンスは適当なのですよ!だから悪役も知能ではなく面構え重視なのですよ!単なる金目当てなのですよ!だって任侠映画だもの!

作品選びは慎重に

いつものマイケル・マン映画としては十分満足、心底堪能させてもらったものの、問題は器の選択にあったのだと思います。現代的なサイバー・サスペンスなどどいう流行に手を出したのがそもそもの失敗。

ハイテクに手を出すのは撮影だけにとどめて、映画の骨格はあくまでローテクで攻めるべきだったと思いますね。せっかくのマイケル・マン節がそれによって正当に評価されないのは残念でありますから。

彼ももう70歳を越えたおじいちゃんですので、この先どれだけの作品を世に残せるのか?時間は無限ではありません。どうぞ作品選びは慎重に、そして健康には細心の注意を払い、まだまだ我々の目を楽しませていただきたいものです。次の新作を心待ちにしておりますよ!

個人的評価:5/10点

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