『キングスマン』感想とイラスト 威風堂々たる打ち上げ花火

映画『キングスマン』コリン・ファースのイラスト(似顔絵)

威風堂々とディスコソングにノリノリで、高級スーツをビシッと決めた英国紳士がパブに教会秘密基地、打って殴って蹴散らして、おまけに花火がドッカン!ドッカン!おまえらこれが真のスパイ映画だ!

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目次

『キングスマン』感想とイラスト 威風堂々たる打ち上げ花火

  1. 作品データ
    1. 予告編動画
  2. 解説
    1. 主題歌/テイク・ザット『Get Ready For It』
    2. あらすじ
  3. 感想と評価/ネタバレ無
    1. 正しきスパイ映画とは?
    2. これが新世代スパイ映画だ!
    3. 悪趣味ポップセンスに完敗
    4. 多少の失点と継承のドラマ
    5. ヒット祈願の想いを込めて

作品データ

『キングスマン』
Kingsman: The Secret Service

  • 2014年/イギリス/129分/R15+
  • 監督:マシュー・ヴォーン
  • 原作:マーク・ミラー/デイヴ・ギボンズ
  • 脚本:ジェーン・ゴールドマン/マシュー・ヴォーン
  • 撮影:ジョージ・リッチモンド
  • 音楽:ヘンリー・ジャックマン/マシュー・マージェソン
  • 出演:コリン・ファース/タロン・エガートン/サミュエル・L・ジャクソン/マーク・ストロング/マイケル・ケイン

予告編動画

解説

高級スーツを着込んだ英国紳士が、荘厳なる『威風堂々』、ノリノリディスコソング、レッドネックご用達カントリーに乗せて凄惨な祭りを開催しているスパイ・アクション映画です。

原作&監督は『キック・アス』のマーク・ミラーとマシュー・ヴォーンのゴールデンコンビ。主演は『英国王のスピーチ』のコリン・ファースに、ほぼ新人のタロン・エガートン。ヴィランには『パルプ・フィクション』のサミュエル・L・ジャクソン。

主題歌を担当するのはイギリスを代表するポップグループのテイク・ザット。曲名は『Get Ready For It』。随所で使用されている既成曲も素晴らしいですが、このエンディング曲も必聴です。テイク・ザットはマシュー・ボーンのお気に入りなのでしょうね。

主題歌/テイク・ザット『Get Ready For It』

あらすじ

どこの国にも属さず、秘密裏に世界の危機を救う国際的諜報機関“キングスマン”。

欠員補充のために敏腕エージェントの“ガラハッド”ことハリー(コリン・ファース)が選んだ人物は、殉職した元キングスマンを父にもちながら、現在は貧困地区で目的もなく無軌道に暮らすエグジー(タロン・エガートン)という若者であった。

ハリーの期待にこたえて難関な新人試験を突破していくエグジーだったが、その裏側でアメリカのIT長者ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)による人類縮小計画が進行しつつあった!

感想と評価/ネタバレ無

『キック・アス』によって一躍ボンクラ映画界の寵児となったマシュー・ヴォーン。大味な『X-MEN』シリーズにおける唯一の傑作『ファースト・ジェネレーション』もものにし、次なる刺客として送り込んできたのがこのスパイ映画『キングスマン』。

彼のすべての監督作を偏愛しているボクといたしましては、雨が降ろうが槍が降ろうが爆弾落とされようが大急ぎで馳せ参じなければなりませぬ。予告編も素晴らしかったですからね!

正しきスパイ映画とは?

冷戦終結後、世界を我がものにしようとたくらむ荒唐無稽なヴィランは映画界から追放の憂き目に遭い、ひたすらリアル路線をひた走ることとなったスパイ映画。『007』シリーズしかり。『ミッション:インポッシブル』シリーズしかり。

そんな矮小化に背を向け、古きよき荒唐無稽で壮大なスパイ映画へのオマージュを全開にしたこの作品は、まさにリアル路線への宣戦布告です。実は現在のリアル路線のほうをボクは支持していたのですけど、これには素直に燃えてしまいましたね!

高級スーツに身を包んだ最高にクールでセクシーな英国紳士=スパイ。秀逸なアイデアと多彩な魅せ方によるガジェットの数々。あまりに壮大で狂っているヴィランの人類縮小計画。ひたすら荒唐無稽ではありますが、そのひたすら感がよいのです!

これが新世代スパイ映画だ!

ではこの映画は古きよきスパイ映画を現代に再現した単なるノスタルジアなのだろうか?いいえ違います。この映画で最も注目すべき点は、ひたすら展開されるレイティング無視の殺戮ショーにあるのです!

ここが従来の古きよきスパイ映画とは完全に一線を画す最大最高要素でありまして、偉大な先例に対する愛情をしっかりと示しながらも、けっして同じものは作らない。狙うのはあくまでそれらを超える新たなスパイ映画の創造。

予告編でも印象的に使われたパブファイトなんかはまだまだ序の口で、本当にひたすら悪趣味で、痛快で、最高にカッコいいアクションシーンの連続なのであります!

予告編でもチラッと映る、キリスト教原理主義者が集う教会を舞台にしたコリン・ファースの大立ち回りなんて、ホントに鳥肌ものですよ!まさかあのコリン・ファースにここまでやらしてしまうとは!風刺というか皮肉も効きすぎ!

これらのアクションというかほぼ殺戮ショーを、とんでもないスピードで時にスローモーションをかましながら、けっこうな長回しによるワンカットで撮っているというのがこれまた最高なのです!

細かなカットなんぞ割らずに、殺戮における人体の躍動的エモーションを、誤魔化さず、包み隠さず、露悪的なまでに我々観客に見せつけてくる。これは我々ボンクラに対する挑戦である!よっしゃ!どっからでもかかって来いや!

悪趣味ポップセンスに完敗

そんな我々ボンクラの対決姿勢をあざ笑うかのように繰り出された、美しい花火を彩るイギリス第2の国歌とも言われる『威風堂々』。

そしてノリノリのパーティには欠かせないディスコソング、KC&ザ・サンシャイン・バンドによる『Give It Up』。

あかん…完敗ですわ!いつもながらなんちゅう選曲センスしとるんや!あんなシーンにこんな曲をかぶせてくるなんて!なんという悪趣味きわまりないポップセンス!完全に参りましたよマシュー・ヴォーン!

これ以外の使用楽曲もキレッキレのセンスで、とりわけボクにとって思い入れの強い2曲をここで紹介。1曲目は映画冒頭で使用されたダイアー・ストレイツの『Money for Nothing』。当時は最先端だった3DCGを駆使したPVも必見。

そしてもう1曲は、タロン君とスウェーデン王女による例のシーンで使用されたブライアン・フェリーの『Slave To Love』。このシーンでこの曲をかけてしまうセンス!そういや『ナインハーフ』でも使われてましたよね、この曲。

多少の失点と継承のドラマ

と、ここまではこの映画『キングスマン』を賞賛する言葉ばかりを並べ立ててきましたが、それでは『キック・アス』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』と比類する傑作だったのかと問われれば、残念ながらさにあらず。

失点の原因は主に脚本面にあるのですけど、前述したとおりどちらかと言えばリアル路線を支持していたボクにとっては、この物語はやや荒唐無稽すぎました。展開のもたつきも気になるところです。

もたつきの原因は主にボンクラ青年の成長物語にあるのですけど、過去の名作の例を示し、階級が人の価値を決めるのではなく、マナーが人を作るのだと説くハリーの言葉には、イギリスに根強く残る階級制度に対する監督のスタンスが見てとれます。

父から息子へと受け継がれるものは、身分や財力などではなく人としての規範、信念、そして行動する力であると。この『キングスマン』は『キック・アス』と同じ「継承」の物語だったのですね。ならばもたつきには目をつぶろう。

スパイ、階級、継承。これらのキーワードから浮かび上がるのはマシュー・ヴォーンの謎めいた出自でありますが、それはまた別の話。気になる方は自分でググってみてくださいな。

ヒット祈願の想いを込めて

というわけで、やや脚本面での失点は目につきますが、往年の古き良きスパイ映画への愛情を示しながら、ひたすらバイオレンスで、悪趣味で、そのくせポップでクールな、新たなスパイ映画の地平を切り開いた快作だと言って差し支えないでしょうね。

こんな最低に最高な映画であのコリン・ファースが良識派ドン引きの大活躍を見せる。もうこれだけで十分に元は取れてしまいますが、ほぼ新人に等しいタロン・エガートン君の奮闘も忘れてはなりません。これからの活躍に期待大。

ほかにも鉄板のマーク・ストロング。義足の殺人マシン“ガゼル”を演じたソフィア・ブテラ。エグジーの相棒J.Bの愛らしさ。そして現代によみがえったキ〇ガイヴィランのヴァレンタインを演じたサミュエル・L・ジャクソン。

このヴィランのキャラクター造形をはじめとし、そこかしこに散りばめられたアメリカ批判の意地悪さ。イギリス人って陰湿ね。そのくせアメリカで大ヒットという怪現象。ホントにアメリカ人というのは懐が深いのかバカなのかわかりませんな。

さてさて、ここ日本での興行ははたしてどうなることか?『キック・アス』も『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』も一部の熱狂的支持に対して興行はいまいち振るわなかった。やはり容赦のないバイオレンス描写がネックとなっておるのですかね?

となるとこの『キングスマン』も危ないぞ!なんせ威風堂々たる人体破壊映画ですからな!日本におけるマシュー・ヴォーンの今後のためにも、皆さまぜひとも劇場へと足をお運びください!年末に控える『007 スペクター』には絶対に負けねぇぞ!

個人的評価:7/10点

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『キングスマン』感想とイラスト 威風堂々たる打ち上げ花火
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コメント

  1. 私も観てきましたよ〜。ほんと面白かったです。
    敵のヴィランさん、私はてっきりパーティ会場で踊ってくれると期待したんですが。
    あのいでたちだとR&Bでカッコ良く歌って踊る役回りかと。
    元は映画監督という設定でしたよね?
    でも彼自身はエンターテナーじゃないんですね。
    だったら作った映画もそんなに面白くないんだろうなぁ、とか思いました。

  2. スパイクロッド より:

    ケフコタカハシさん、コメントありがとうございます!
    お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。
    サミュエル・L・ジャクソン演じるヴィラン。
    彼のキャラクターは軽薄なアメリカという国そのものですよね。
    この描き方はホントに意地が悪い!
    まあかといってイギリスをべた褒めしているわけではなく、
    実はけっこうそこに対する描写も辛辣なんですけどね。
    このへんのバランス感覚がさすがはマシュー・ヴォーンです。

  3. ミス・マープル より:

    結構好きですね、この映画。
    英国紳士のスパイ観が存分に描かれていました。
    本当にアメリカ人を皮肉っていて、アメリカ映画でもよく
    「イギリス人は気取っている」
    というのの意趣返しかと思いました。
    でも終始テンポが良く、無駄な恋愛シーンもなくて楽しめました。

  4. スパイクロッド より:

    ミス・マープルさん、コメントありがとうございます!
    教会を舞台にしたキリスト教原理主義者たちとの大立ち回り、
    『威風堂々』、『Give It Up』が最高でしたね!
    アメリカ人をコケにし倒している点も含めて、
    やはりマシュー・ヴォーンの悪趣味なのにポップな感性は、
    ほかに類を見ない貴重なセンスだと思います。
    確かに無駄な恋愛シーンはないわけですけど、
    そのぶんBL的なにおいをチラつかせているのもさすがですよね。

  5. バニーマン より:

    おー! キックアスのマシュー・ヴォーン!
    これは観ないといけませんね!
    今からレンタル始まるが楽しみです。

  6. スパイクロッド より:

    バニーマンさんコメントありがとうごいます!
    そうなんですよ!あの『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督なのであります!『キック・アス』に勝るとも劣らない、いや、悪趣味だという点においてははるかに凌駕していると言っても過言ではない、まさに威風堂々たる爆発乱闘映画でありました。レンタル解禁の暁にはぜひとも鑑賞してください!

  7. れんか より:

    こんばんは!先日コードネームアンクルの方にも書き込みさせていただきました。イラストお上手ですね。そして楽しい!こんなに簡潔にまとめてらっしゃって且つ全部面白い。画才だけでなく素晴らしい文才も持ち合わせてらっしゃるのですね~。すごいわ。
    これからもちょこちょこ立ち寄らせていただきます。
    ちなみに…私はキングスマン中毒患者です。
    16回映画館行きました。昨年6月からBD所有していたにも関わらず…。
    もう何回見たんだかわかりません。セリフまで頭に入って居かねない勢いです。
    どこかいけるところで上映してるとなると行かずにはいられない。
    ひたすらあの美しいチャーチファイトを大画面で見たいがために。
    ・・・ビョーキですね。
    それでは。

  8. スパイクロッド より:

    れんかさんこちらにもコメントありがとうございます!
    お褒めただいて非常に恐縮であります。少しでもいい絵を描きたい!もっとわかりやすくて面白い文章を書きたい!と思って、日夜大好きな映画のイラストと感想をシコシコと製作しておるのですけど、これがなかなか思うようにはいかないのが現実。しかしこうして他人から褒められると浮かれ踊るお調子者でもありますので、ボクの精神衛生上おおいに役立っております。ありがとうございます!
    『キングスマン』劇場鑑賞16回!とてつもない数字ですね!いや、でも気持ちはわかります。それぐらい興奮する映画でしたからね。チラホラと続編の情報も流れてきておりますので、そちらにも期待大ですよね!はたしてあのお方は生きていたのかどうか!?今から楽しみでなりません。

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