『マッドマックス 怒りのデス・ロード』追加の感想とイラスト ネタバレ全開編!

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のイラスト

地獄のハードワークの間隙をぬい、行ってきたのだ2度目のキ〇ガイ祭り!というわけで今回はネタバレ全開編だ!覚悟はいいかてめえら!

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目次

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』追加の感想とイラスト ネタバレ全開編!

  1. 他者との関係を拒絶する主人公
  2. 希望を失わぬもうひとりの主人公
  3. 最後の主人公の生きたあかし
  4. 『マッドマックス:ザ・ウェイストランド』を心待ちに

ネタバレなしの感想から読みたいという方はまずこちらから

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』感想とイラスト 「俺を見ろ!」と俺も言おう!
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のイラスト付き感想。ネタバレ無。30年ぶりに復活したキ〇ガイ映画は、興奮と絶叫と歓喜と号泣が乱れ飛ぶ圧巻の大傑作!個人的評価:9/10点

他者との関係を拒絶する主人公

「俺は生者と死者の両方に追われている」

映画の冒頭でそう語る主人公のマックス。これは要するに、生者と死者の両方から逃げ続け、他者との関係を拒絶するという表明である。およそ映画の主人公らしからぬ意思表明ではあるが、ではなぜマックスは映画の冒頭でいきなりこんなことを語ったのか?


この記事の中で指摘されているとおり、マックスとは過去のトラウマに苦しむ精神疾患のコミュニケーション障害を抱えているのだと思います。その要因はこの新作によって何かと複雑になったのですが、なんにせよ、彼が何か大きな悔恨の想いにとらわれて心を閉ざしているのは明白です。

他者と関係をもち、気心が知れ、情が移り、それをまた目の前で失うことになるかもしれない恐怖。それゆえ心を閉ざし、他者を遠ざけ、孤独に生きることを選択した悲しい男。それがこの映画の主人公マックスなのです。

しかしどれだけ他者との関係性をかたくなに拒否したとしても、現実はそれを許してくれません。望むと望まざるとにかかわらず、生きていくうえで他者との接触は避けて通れない道だからです

ここで彼が見せる、うまく言葉が出てこない、どう振る舞えばいいかわからないという、コミュ障特有の言動が面白かわいく描写されておるのですけど、ここでボクのマックスに対する共感は文字どおりマックスへと達しました!

なぜなら、ボクもマックスと同じく若干のコミュ障を抱えており、人との距離感がわからず立ち往生してしまうことが多々あるからなのです。もうそれからはマックスと至らない自分の姿とを重ね合わせ、彼が人として再生していく姿に全身全霊の声援を送っておりました。

「よくぞ言ったマックス! がんばれマックス! がんばれ! がんばれ!」

引用させていただいた素晴らしい記事の中の一文。これを読んだときに思わず涙がこみ上げ、「絶対にもう一度観よう!」と心に決めたのです。2度目の鑑賞中、「頑張れマックス!頑張れ!頑張れ!」と何度心の中でつぶやいたことでしょうか。

大きなトラウマを抱え、他者との接触を極端に避けていた男が、おそらくは最も苦手とするであろう女性たちの輪の中に放り込まれ、彼女たちと決死の逃避行を続けるうち、本当に自然な流れで相互理解と共感が深まっていき、人としてあるべき姿、生きる力を取り戻していく。これが涙なしで観れましょうか!?

単語とジェスチャーとうめき声と指パッチンでしか意思表示ができないマックス。他者との密な関係を拒否するために名前を名乗れないマックス。スプレンディドの活躍におずおずとサムズアップすることしかできないマックス。「一緒に行こう」とのフュリオサの誘いに、「ひとりで行く」としか答えることのできないマックス。

そんなコミュ障男が、危機的状況のなかで自然と彼女たちと共闘し、無駄だとわかっていながらも思わず木にしがみつき、勇気を出して正しい選択の道を示し、命をかけて戦い、同志のために血を分け、そして、そしてとうとう自らの名前を名乗る!なんと素晴らしい自己再生のドラマでありましょうか!

頑張ったなマックス!凄いぞマックス!!生きろよマックス!!!

希望を失わぬもうひとりの主人公

これ以上の狂気へと落ち込まないために希望をもつことをやめたマックスに対し、もうひとりの主人公フュリオサは絶対に希望を失いません。彼女が絶体絶命の状況下でも希望を失わず、前へ前へと進み続けられたのはなぜなのでしょうか?

第一に考えられるのはホーム、つまり故郷である“緑の地”への想い。そして第二に考えられるのがおそらくは贖罪。初見で最も気になったポイントのひとつに、フュリオサがイモータン・ジョーの息の根を止める瞬間に発した「Remember me?(私を覚えてる?)」がありました。こんなおかしなセリフをなぜフュリオサは発したのか?

これはボクの勝手な想像で確証はありません。フュリオサは幼い頃に故郷の緑の地から母親とともに誘拐されました。母親はその3日後に死亡。自殺か他殺かはわかりません。ひとり残されたフュリオサはまだ幼いながらも健康で、美しく、“子産み女”としての条件は申し分なく揃っていたのではないでしょうか?

そう、フュリオサもまた子産み女のひとりだったのではないでしょうか?

しかし彼女の気性を考えれば、そんな境遇を甘んじて受け入れるとは思えません。必死で抵抗し、逃走を試み、その結果として彼女は左腕を失うことになった。傷物になった彼女にもう子産み女は務まりません。彼女に残された道は、イモータン・ジョーへと偽りの忠誠を誓い、彼の手足となって働くことしかなかったのだと思います。

そして彼女は自らの手を汚した。そのなかのひとつには子産み女の確保もあったかと思います。自分が生きるために、自らが拒否した境遇を引き受ける哀れな女をさらってくる。いくら感情を殺しているとはいっても、これはそうそう耐えられる重荷ではありません。そして彼女は決断した。

フュリオサ大隊長としての偽りの仮面を投げ捨て、もとのフュリオサ、本当の自分自身として行動しようと。仮面の下で犯してしまった罪を償うために。ワイブスたちをウォー・タンクへと隠し、砦からの、イモータン・ジョーの支配からの脱出を目指して。ただひたすら、前へ前へと。

守るべき者、果たすべき約束、償わなければならない罪があるからこそ、彼女はけっして希望を失わず、前へと進むことができたのだと思います。それがひいては自分自身を救うことにもつながる。犯した罪を償い、復讐を果たし、本当の自分、フュリオサ個人を取り戻す!

だからこその「Remember me?(私を覚えてる?)」だったのだと思います。

最後の主人公の生きたあかし

イモータン・ジョーの忠実なる死の戦士たちウォーボーイズ。核戦争後の汚染された大気の影響で極端に寿命が短い彼らは、ジョーのためだけに生き、そして死ぬことを許された純粋戦士であります。

イモータン・ジョーへのカルト的な絶対的忠誠と、いかに戦い、いかに死ぬかだけを教えられて育った彼らは、その短い生涯のなかで破壊と殺戮と暴虐の限りを尽くし、最期に華々しく散って死者の国に迎え入れられることしか頭にありません。3番目の主人公ニュークスもそのひとりです。

すでに命の炎が消えかけていたニュークスはひときわその想いが強かったのでしょう。輸血袋(マックス)を車に縛りつけ、病身を押してワイブス奪還行軍に参加した彼の姿からは、とうとうやって来た晴れの舞台に対する抑えきれない興奮と歓喜があふれており、まさに「What a lovely day!」であります。

しかし運命とはいつも残酷なもので、彼が思い描いていた華々しい最期が現実化することはありませんでした。最後のチャンスも愛らしすぎる失敗によって逃したニュークスのもとに現れたのが、赤毛の天使ケイパブルです。

統制された集団から距離を置き、ひとりの個として失意のどん底にあったニュークスにとって、この出会いは最高のタイミングではなかったかと思います。このとき彼の信仰の対象は、絶対的カリスマからただの個人へと移ります。

なぜ移ったのか?失意と、絶望と、孤独のなかで、生まれて初めてふれたやさしさだったからです。これを愛とか恋とか表現するのはおそらく間違いでして、彼が感じたのはあまりに大きな母性的癒しだったのだと思います。

結局は帰依する対象が変わっただけだと思われるかもしれませんけど、ジョーへのそれがなかば強制だったのに対し、ケイパブルへのそれはニュークスの自発的な感情です。与えられるのではなく初めて自ら獲得したのです。

「Witness me!(俺を見ろ!)」と言って自殺的行動に出るウォーボーイズたちが求めているものは、イモータン・ジョーのために命を燃やした我が身を見ろ!記憶に刻め!そしてたたえよ!ということだったと思います。

それが生まれながらに命の期限を切られてしまった彼らの生きたあかしだったのでしょう。しかし、ニュークスのそれには違うニュアンスが含まれることとなります。

「どうか忘れないでいてほしい」

初めて与えられた癒しとやすらぎ。初めて得た本当の仲間。初めて覚えた誰かのために何かをしたいという感情。そして行動。その姿を見ていてほしい。忘れないでほしい。自分という存在を。ニュークスという男がいたことを。自分の生きたあかしを!

『マッドマックス:ザ・ウェイストランド』を心待ちに

今回の感想で注目した主役3人だけではなく、敵味方を問わず、この残酷な世界を自らの行動原理に従って精一杯生きている彼らの姿からは、事の是非は置いといたとしても、生きる勇気を与えられる掛け値なしの傑作でありました!こんな凄い映画を70歳にして撮ってしまうなんて、ジョージ・ミラーとは本当になんたる爺さまだ!

一見すると単純なバカアクションのように見せかけて、その裏側に張りめぐらされた複雑で重層的なドラマやテーマを、説明的なセリフなぞはいっさい用いず、登場人物たちの行動、表情、アクションによってこちらに理解させてしまうという、なんたる演出力!これが映画ですよ!これこそが映画なんですよ!

というわけで、このあまりに長々しい追加のネタバレ感想に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。皆さま、何年後かにまた観られるであろうキ〇ガイ祭りを心待ちにし、この残酷な世界をなんとかsurviveしていきましょう。ジョージ・ミラーさま、あなたの健康と長生きを心よりお祈り申し上げております。

ありがとう!本当にありがとう!!

個人的評価:10/10点

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コメント

  1. バニーマン より:

    うっ、ここまで深い作品だったんですね・・・。
    まったく表面的にしか観ていませんでした。
    でも面白かったのは事実。
    次、観直すときは、姿勢を正して観ます!

  2. スパイクロッド より:

    バニーマンさんコメントありがとうございます!
    一見すると単なる行きて帰りしアクションバカ映画のようですけど、その裏側にはかなり複雑で重厚なドラマが隠されていたと思います。まあ半分ぐらいはボクの妄想、思い込み、勘違いも含まれていると思いますので、あまりアテにはなさらないように(笑)

  3. れんか より:

    私もニコラス・ホルト演じるニュークスに泣かされました。
    あんな白塗りお化けの様相であの切なさを表現してしまう彼、あの白塗りじゃ表情だってたいしてわからなそうなのに、めっちゃくちゃ切なかった。その表現力になんと素晴らしい役者に育ったんだろう…とさらにカンドーでした。
    シングルマンでいつの間にか青い瞳の美青年に成長してしまったのにも驚愕でしたが… かわいげのないくそガキが定番だったのにねぇ。これからを思いっきり期待してる若手クンです。

  4. スパイクロッド より:

    れんかさんこちらにもコメントありがとうございます!
    ニコラス・ホルトは子役から大成したこれからの期待株ですよね。子役から大人の俳優へのサバイバルはけっこう厳しいものがあるのですけど、よくぞ生き残った!って感じです。今度は満を持して主役を張る『アウトバーン』という映画がやって来るらしいので、こちらにも期待大ですよね!

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