『追憶の森』感想とイラスト 富士の樹海でよみがえる

映画『追憶の森』のイラスト

死んだ者が、まだ生きている者がよみがえる場所、富士の樹海。まさにオリエンタルマジック!ってそりゃ東洋かぶれな西洋人の勝手な幻想だ!生きるも死ぬもてめーら軽すぎるんだよ!

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目次

『追憶の森』感想とイラスト 富士の樹海でよみがえる

  1. 作品データ
  2. 予告編動画
  3. 解説
  4. あらすじ
  5. 感想と評価/ネタバレ無
  6. 貸し切り樹海鑑賞
  7. サントの映画はかわいらしい
  8. 樹海である必然性は?
  9. 生きるも死ぬも軽すぎる

作品データ

『追憶の森』
The Sea of Trees

2015年/アメリカ/111分
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:クリス・スパーリング
撮影:キャスパー・タクセン
音楽:メイソン・ベイツ
出演:マシュー・マコノヒー/渡辺謙/ナオミ・ワッツ

予告編動画

解説

ネット検索でポチッとフラッと日本の富士山麓青木ヶ原樹海までやって来て迷子になるアメリカ人を描いたスピリチュアルドラマです。

監督は『エレファント』のガス・ヴァン・サント。主演は『キラー・スナイパー』のマシュー・マコノヒー。共演に『硫黄島からの手紙』の渡辺謙、『マルホランド・ドライブ』のナオミ・ワッツ。

あらすじ

富士山麓に広がる自殺の名所として知られる青木ヶ原樹海。自らの死に場所を求めて、はるばるアメリカから樹海へとやってきた来たアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)。

森の奥深くへと分け入り、睡眠薬を飲んで自殺を図ろうとしたアーサーの目の前に、傷つき憔悴した日本人男性(渡辺謙)が現れる。ナカムラ・タクミと名乗る彼のことを見捨てることができず、一緒に樹海の出口を探すことに。

しかし樹海の魔力かなんなのか、いっこうに出口は見つからず、森の中をひたすらさまよい続けるふたり。そんななかでアーサーがときおり思い出すのが、妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)とのさまざまな記憶だった……。

感想と評価/ネタバレ無

ガス・ヴァン・サントがカンヌでブーブー言われてしまったスピリチュアルドラマです。腐ったトマト(RottenTomatoes)でも評価は散々。なんでそんな映画を観に行ったのかって?答えは簡単。そんな事実はまったくもって知らんかったから!

まあ他人の評価なんてあくまで参考程度であって、肝心なのは自分がどう思うか、感じるか。観ないことには始まりません。ガス・ヴァン・サントも、マコノヒーも、謙さんも、ナオミ・ワッツもボクは大好きですからね。

貸し切り樹海鑑賞

というわけで観てまいりました。人生初の貸し切りで!公開からかなり時間がたったレイトショーだとはいえ、200の座席数で我がひとりて!寂しいし怖いじゃないか!樹海の映画だぞ!自殺の名所だぞ!幽霊出てんだぞ!

ちなみに「青木ヶ原樹海」というのは正式名称ではなく、単なる俗称のようです。自殺の名所として名高いのは日本人なら周知の事実。多い年では100体を超える遺体が見つかったらしいですけど、近年は減少傾向にあるようです。

そんな自殺の名所に死に場所を求めてフラフラやって来たハンサムなアメリカ人。彼がここで体験するスピリチュアルな体験。サントの前々作『永遠の僕たち』にちと似てるかな?暗い題材ですけどなんかかわいい映画です。

サントの映画はかわいらしい

ヘタレな渡辺謙が、そんな彼を放っておけない世話好きのマコノヒーが、マコノヒーとナオミ・ワッツとのせつない夫婦のすれ違いが、自殺という暗い題材、スピリチュアルな物語に反して何やらかわいらしいのです。

要するにこれってラヴストーリーですよね?マコノヒーとナオミ・ワッツの。もしくはマコノヒーと謙さんの。そこはかとない腐臭が漂っているのは、ゲイであることを公言しているサントらしくもある。そういや『ミルク』もかわいい映画だった。

しかし謙さんがマコノヒーを見て「君はハンサムだ」と告白するくだりはいかがなものか?しかもオチが『ヘンゼルとグレーテル』とは。腐女子ではないただのオッサンの背中には悪寒が走りましたぞ。おお~怖い怖い。

樹海である必然性は?

オッサンの背中に悪寒が走る恐怖と、サントの映画らしい妙なかわいらしさ。ではこの映画はよい映画だったのかと問われたら、断固としてシーザーのごとく「NO!」と答えるでしょう。そう、カンヌの観客と腐ったトマトは正しかったのです。

サントがもつ生来のかわいらしさと、樹海の神秘的な美しさによってギリギリ駄作とまでは申しませんが、客がボクひとりだけだったというのも納得の面白くなさ。何がダメだって、とにかく脚本が鼻クソほじりながら書いたとしか思えない適当さ。

ネットでポチッと、フラッと、死に場所求めて青木ヶ原樹海までやって来るハンサムアメリカ人というプロットに、鼻クソほどのリアリティもありゃしませんがな。そこで体験するスピリチュアルな体験も、バカげた伏線に思わず死人も目を覚ます。

だいたいマコノヒー演じるハンサムアーサー、大事なネタにけっこう気づいてないのですよね。『巴里のアメリカ人』のネタフリはいったいなんだったのだ?この鈍さでは、奥さんとのあいだに距離が生じるのも致し方ないですわな。

生きるも死ぬも軽すぎる

そしてこの作品最大の問題は、自殺、自死というものをいささか軽く扱いすぎではないですか?ということ。劇中でも自殺の動機を「文化の違いだ」と一蹴しておりましたけど、そんな簡単に一蹴してよいものなのでしょうか?

幸いにも(こういう表現が適切かどうかはわからんが…)ボクの周りで自死を選択した人はおりません。しかし毎日のようにニュースで、ネットで触れる自殺者の存在。その理由も人それぞれで、確かに「主観の相違」なのかもしれません。

しかしこの映画のように、死ぬこと、生きることをスピリチュアルな観点で適当な感動譚として扱っている手触りには大きな違和感を覚えます。自殺を通して生きることを描くにしても、自殺そのものを描くにしても、あまりに適当かつ軽薄です。

ボクの勝手なイメージでは、自殺するってことはもっと悲惨で、切実で、虚無的なものなのではないでしょうか?等しく生きるということも。こんな軽々しく生きるや死ぬや言っちゃいけません。そりゃカンヌ民からブーブー言われるのもしゃーねーわ!

個人的評価:4/10点

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コメント

  1. れんか より:

    もうBD/DVDが発売されてるとは!
    よっぽど興行収入ダメだったのですね。
    私も見に行ったのつい数週間前ですよ。
    まぁ、私が観に行った動機はトゥルー・ディデクティブで今まで歯牙にもかけなかったマコノヒーがめっちゃセクシーに見えたので、ついでに見に行っただけでした。なので別に期待もしてなかったんで。レディスディで行ったし。
    マシュー・マコノヒー、もう20年近く前になりますが、「評決のとき」が全く気に入らず、それは多分彼のせいではなく、監督や脚本の問題なのですが、以来全く興味が持てずにおりました。
    それがトゥルー・ディデクティブで開眼。トゥルー・ディデクティブ観てなかったら、見に行くこともなかった映画でした。
    …なんか全然映画の感想になってませんねぇ。

  2. スパイクロッド より:

    れんかさんコメントありがとうございます!
    確かに映画は大コケではありましたが、DVDの発売は10月です。ただもうそれが決定しているということは、推して知るべしということですけどね。ボクは『評決のとき』にはそれほど悪い印象はもっておりませんが、マコノヒー主演のしょうもないラブコメはまさに憎悪の対象でしたので、同じくまったく彼に興味はありませんでした。それが一変したのは、日本ではDVDスルーとなった『Killer Joe(邦題『キラー・スナイパー)』で見せた死んだ魚の目をしたキ〇ガイ役です。これがもう凄かった!これをきっかけに演技派俳優として開眼していき、現在へと至っております。未見でありましたらぜひともご鑑賞を。観て損はないですぜ!

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