『ザ・ウォーク』感想とイラスト 今はもうない

映画『ザ・ウォーク』のイラスト

巨大な墓石のあいだにワイヤーを張らせての大道芸。いやさ自称アートパフォーマンス。あんたのお稲荷さんも心配だが、ボクのお稲荷さんも大変なんだよ。

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目次

『ザ・ウォーク』感想とイラスト 今はもうない

  1. 作品データ
  2. 予告編動画
  3. 解説
  4. あらすじ
  5. 感想と評価/ネタバレ多少
  6. ウザ男の一人称映画
  7. 巨大なふたつの墓石
  8. 「観る」から「体感」へ
  9. ゼメキスが好きな人はどうぞ

作品データ

『ザ・ウォーク』
The Walk

2015年/アメリカ/123分
監督:ロバート・ゼメキス
原作:フィリップ・プティ
脚本:ロバート・ゼメキス/クリストファー・ブラウン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/シャルロット・ルボン/ベン・キングズレー

予告編動画

解説

墓石のようにそびえるワールドトレードセンターに一種のファンタジーを見る伝記ドラマです。

監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス。主演は『インセプション』『(500)日のサマー』のジョセフ・ゴードン=レヴィット。主人公のお師匠役を大ベテラン、ベン・ギングズレーが務めております。

音楽を担当するのはアラン・シルヴェストリ。『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』以降のゼメキス作品の音楽はすべて彼の手によるものです。

あらすじ

少年時代に綱渡りに魅せられ、独学でその道を究めてきた青年フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。彼にとっての綱渡りとはアートであり、それを表現する最適な場を常に探し求めているのであった。

そんなある日、雑誌で紹介されたワールドトレードセンター建設の記事を目にした彼は、一目で心奪われてしまう。この日から彼は、ツインタワーのあいだを綱渡りで歩くという奇想天外な夢に取り憑かれてしまった。

師匠であるパパ・ルディ(ベン・キングズレー)、恋人のアニー(シャルロット・ルボン)、さらに幾人かの協力者を集め、この壮大な夢の実現に向けて入念な準備に取りかかるフィリップだったが……。

感想と評価/ネタバレ多少

しばらく3Dアニメーションに傾倒していたロバート・ゼメキスが、わりと評判のよかった『フライト』(未見)で久々に実写映画へと帰還し、続いて初の3Dへと挑戦した意欲作であります。

しかし今回ゼメキスのフィルモグラフィを確認してみたら、けっこう観てない映画が多い。しかも観てても嫌いな映画が多い。『フォレスト・ガンプ/一期一会』なんて大っ嫌い。ギリギリ評価しているのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の第1作目ぐらい。

というわけで久々に嫌いなロバート・ゼメキスの映画を観てみたわけですけど、皆さんの高評価に反して自分的にはやはり好きになれない映画でありました。

ウザ男の一人称映画

好きになれない最大の要因はやはり主人公でしょうか?自身の夢に向かってひたすら純粋に、ひたすら傲慢に突き進む男。映画は徹頭徹尾、彼の目線へと寄りそいます。つまりは完全なる一人称の映画。

彼の主観と、主張と、姿を垂れ流し続ける映画。師匠も、彼女も、仲間も単なるお飾りにすぎず、彼の夢へと無償の奉仕を強要される存在。そしてそれは我々観客とて同じこと。

ここで彼の共犯者となれるかどうかがこの作品を楽しめるかどうかの分かれ道。残念ながらボクは「心底ウザい自分大好き男」としか思えなかったので、早々と脱落。みんながなぜ彼に惹かれるのかさっぱり理解できずに観続けておりました。

巨大なふたつの墓石

一人称映画の主人公が好きになれないという致命的状態。「はてさてどうしたもんか?」と思案に暮れておったのですけど、リアルタイムでもモノローグでもナレーションでもウザく喋り続ける彼の姿ってこれ狂言回しなんじゃね?

と気づいてからは、少し視点を変えて観ることができました。ではこの映画の真の主役とはなんなのか?そんなことはボクがことさら説明する必要もないでしょう。在りし日のワールドトレードセンター、ツインタワーであります。

誰もが忘れられない例の「あれ」を、誰もが心のどこかに思いながらもあえて最後まで触れずに、その存在感と圧倒的雄姿を徹底的にリアルに再現してみせる。その結果いだく感情は人それぞれでしょうけど、ボクにとってはでっかいふたつの墓でした。

巨大にそびえるふたつの墓石。美しいとか、凄いとか、感慨深いとか、せつないとかではなく、「ああ~これは墓なんだなぁ…」というちょっとしんみり手なんか合わせてみたくなっちゃう感覚。

ゼメキスがこの映画でやりたかったことというのは、それを再現することによって観客の心をどんなかたちでもいいから揺り動かす。つまりはそういうことだったのではないでしょうか?

「観る」から「体感」へ

となると、男性諸君のお稲荷さんが縮み上がってしまうほどの高所で行われた綱渡りにしても、このツインタワーの存在感を際立たせるための一要素にすぎなくなるわけですけど、それにしてもこの痛いほどのスリルと恐怖感は凄かった。

生きている実感、もしくは自己の存在証明と言ってしまえば簡単ですが、それを我々観客にも疑似体験させる3Dアトラクション。もはや映画は「観る」ものではなく、「体感」する娯楽となってしまったわけですね。

この映画を2Dで観たらいったい何が面白いのだろう?3Dで観ること、体感することに特化した映画。これは映画の進化なのだろうか?ボクにとっての映画とはもうちょっと違うもののような気がするものの、これはこれで時代の流れなのでしょう。凄いことは確かな事実でしたしね。

ゼメキスが好きな人はどうぞ

しかしこの映画、技術は最新だというのにどこか古臭いのは気のせいか?ギャグにしても、音楽にしても、演出にしてもどこか古臭く感じてしまう。全体的にリアルではない、ファンタジー臭が漂っていたのもそのせいか?

『マン・オン・ワイヤー』は未見なれど、この無邪気なテロのごとき綱渡りが成功に終わる事実はすでに知られているので、物語としてのスリリングさに欠けるのも難点。何回もワイヤーのあいだを往復るのもウザったい。

要するに、やっぱりゼメキスは好きになれない。おっとっと、そんなこと言いながら偶然TSUTAYAで見つけた『ユーズド・カー』をリストに入れたばかりだった。観たことなかったのでね、これ。主演がカート・ラッセルだし。

というわけで、ゼメキスは嫌いだがツインタワーには合掌。南無~。

個人的評価:4/10点

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コメント

  1. Ageha より:

    そもそもドヤ顔で自分の自慢話をしてる映画ですからね。(爆)
    んで、語ってるということは生きてる、成功したんだも~んという前提で
    話が進みます。
    それでも、見てるこちらはちゃんと椅子にすわってるのに
    足元に何もないような感覚がゾワゾワ~~っとあがってきて
    これかなりこわかったです。矢が飛んでくるシーンは思わずよけたし。
    3Dアトラクションくらいのつもりでみるよろし。(;´∀`)
    個人的には、ジョセフゴードンレヴィットが大好きなんで
    そのドアップスマイルもみたかったので、フィリップのことは嫌いでも
    ジョセフのことは嫌いにならないでくださいといったスタンスでした。(おい)
    一眼レフまで買ってあれこれ写真とるようになってから、
    映画の見方がすっかりかわってしまって、
    街並みでもビルでも、今回のようなとんでもない高低さも
    いちいちきゃーきゃーいうてました。このワンシーンを自分も切り取りたい
    そんなお手本のような映像を楽しんだという作品でした。(;´∀`)

  2. スパイクロッド より:

    Agehaさんコメントありがとうございます!
    他人の自慢話ほど聞いてて苦痛なものはないっちゃうわけでありまして、私生活でも他人の自慢話には露骨に嫌な顔をする空気を読まないボクにはしんどい映画でありました。3Dアトラクションとしての凄さは認めますけどね。
    それからロバート・ゼメキスはやっぱり嫌いですけど、ジョセフ・ゴードン=レヴィットはもともと好きな俳優でして、この映画一本で嫌いになるということはありません。フィリップは嫌いですけど(笑)。

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