『激戦 ハート・オブ・ファイト』感想とイラスト 不幸の寸止めプレイにあなたは耐えられるか?

映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』のイラスト

闇と光。闇が深ければ深いほど光は輝く。光が輝けば輝くほど闇は深くなる。なんの話だって?不幸と幸福の波状攻撃を描いたこの『激戦 ハート・オブ・ファイト』の話ですよ!

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目次

『激戦 ハート・オブ・ファイト』感想とイラスト 不幸の寸止めプレイにあなたは耐えられるか?

  1. 作品データ
    1. 予告編動画
  2. 解説
    1. あらすじ
  3. 感想と評価/ネタバレ多少
    1. ダメ人間の再起戦
    2. 闇の闇の先にある光
    3. 悲劇の中の甘さに悶絶
    4. リンゴじゃないダンテだ!

作品データ

『激戦 ハート・オブ・ファイト』
激戰/Unbeatable

  • 2013年/香港・中国/116分
  • 監督:ダンテ・ラム
  • 脚本:ジャック・ン/ダンテ・ラム/フォン・チーフォン
  • 撮影:ケニー・ツェー
  • 音楽:ヘンリー・ライ
  • 出演:ニック・チョン/エディ・ポン/メイ・ティン/クリスタル・リー

予告編動画

解説

負け犬中年親父が鋼の肉体で『三匹の子豚』を演じるスポーツ感動ドラマです。

監督は『密告・者』『クリミナル・アフェア 魔警』のダンテ・ラム。主演は『レクイエム 最後の銃弾』のニック・チョン。共演に『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』のエディ・ポンに、メイ・ティン、クリスタル・リーなどです。

あらすじ

ボクシングの元チャンピオン、ファイ(ニック・チョン)。しかし八百長事件で道を踏みはずしたことにより、現在は借金取りに追われて香港から逃亡、マカオのジムで下働きの日々。

そんな彼が間借りをしている下宿先のシングルマザー、クワン(メイ・ティン)。彼女は自分の過失から幼い息子を失い、深い悲しみから心を閉ざしてしまっていた。そんな母親を健気に支える娘のシウタン(クリスタル・リー)。

父親の経営していた会社が倒産し、現在は工事現場で日雇い労働の日々を続けるスーチー(エディ・ポン)。MMA(総合格闘技)による人生の再起をかけてジムの門を叩いた彼は、そこでファイと運命的な出会いを果たす。

人生にどん詰まってしまった人間たち。彼らの再起戦のゴングがいま鳴り響く!

感想と評価/ネタバレ多少

まず初めに白状しなければなりません。この映画の監督はダンテ・ラムというお方なのですけど、実は同じ香港の映画監督であるリンゴ・ラムと同一人物だと勘違いしておりました!

「ダンテ・ラムってあれだろ?『ツイン・ドラゴン』とか『マキシマム・リスク』とか、くだらない双子映画ばっかり撮ってるヘボ監督だろ?んな奴の映画観ねーよ!」と思っていたわけです。

ですので、評判のよかった『ビースト・ストーカー/証人』も『密告・者』も観ておりません。この映画もとりあえず観ておこうかと軽い気持ちでレンタルしたのですけど、途中でなんかおかしいことに気づいたのですよね。

「あれ?リンゴ・ラムってこんなに上手い監督だったけ?」と。観了後にググって愕然といたしました。「別人じゃん!ラムはラムでもリンゴじゃねーよ!ダンテだよ!」ああ~なんたる非礼。穴があったら埋まりたい。

というわけで、『激戦 ハート・オブ・ファイト』の感想です。

ダメ人間の再起戦

借金取りに追われる20年前の元ボクシングチャンピオン。破産した父親の面倒を見る元ボンボン。大きな喪失を抱えて生きる母娘。彼らの人生が密接に絡み合いながら、総合格闘技のリングを舞台に人生の再起戦のゴングが鳴り響く!

八百長、借金、破産、親子の確執、離婚、アル中、最愛の存在の死、発狂と、まさに人生のどん詰まり、ノックアウト寸前の彼らの人生に光はあるのか?このまま血反吐を垂らしてリングに横たわっているしかないのか?もう終わりなのか!?

だったら最後に死ぬ気で一花咲かさせてくれよ!自分自身のために!愛する人たちに想いを伝えるために!

なんというか、こういうダメ人間の奮起というプロットに自分は弱いのですよね。ボク自身が問答無用のダメ人間だからだと思うのですけど、自分には永遠に訪れないであろう浮上の願いを託すとでも申しましょうか。

それには、登場人物が自分以上にダメで、不幸で、どん詰まりで、垂直落下目前の崖の先の先まで追い込まれている必要があるのですけど、この作品はその点に関してまったく容赦がありませんでした。

闇の闇の先にある光

前述した不幸のリストなんかは序の口でありまして、物語が進めば進むほど、幸福の兆しが表れれば表れるほど、彼らを不幸のつるべ打ちが襲うのです。幸福と不幸の波状攻撃とでも申しましょうか。

ささやかな幸せの描写が温かい光に包まれていればいるほど、不幸の闇が強調される。さっきまでのあの一瞬が光り輝いていたからこそ、そのあとの闇への急転直下に心の身動きがとれなくなってしまう。

どれかひとつに肩入れをするわけではなく、群像劇ともいえるかたちで幸福と不幸、光と闇、絶望と希望のドラマを紡ぎ出したこのダンテ・ラムという監督は素直に上手いです!リンゴ・ラムとは大違い!勘違いを重ねてお詫びいたします!

まあ上手すぎてややいやらしさも感じてしまうのですけどね。不幸の寸止めプレイとか。確かに最終的などん詰まりへと到達してしまっては、奮起も再生もないわけですけど、それにしても寸止めがすぎるのですよね。

「なんだよ!?俺の心の慟哭を返してくれよ!」ってなもんです。いや、いいんですけどね。ご無事だったわけですから。でも無類のブラック好きとしてはやや甘さも感じてしまうのです。

悲劇の中の甘さに悶絶

甘いといえば、不幸の対極としての幸福の描写が甘い爽やかさに包まれており、こそばゆい気恥ずかしさにときおり悶絶してしまうのであります。いや、いい意味で。

印象的に使われる雨のシーンとか。『三匹の子豚』とか。寝技でのチューとか。雨の原付ふたり乗りとか。とりわけ涙腺崩壊必至なのが、子役のクリスタル・リーとニック・チョンとの抜群の絡み!足踏んでからのハグなんておじさんもう号泣ですよ!

リンゴじゃないダンテだ!

ボクは格闘技にはあまり詳しくないので、リアルだとかあの技が凄いとか何も言える立場にはないのですけど、そういう映画としての迫力も素晴らしいものがあります。

何よりニック・チョンとエディ・ポンの肉体が凄いですわ!男のくせに体重50キロない自分には憧れのボディですな。首相撲の中にカメラを入れるという映像も面白い。

『ロッキー』『ミリオンダラー・ベイビー』『リアル・スティール』ちょっとだけ『リーサル・ウェポン』など、既存の作品からの影響が色濃く、正直あまりオリジナリティは感じられません。っていうかけっこうベタだと思う。

しかし、格闘技系スポ根ものと思わせておきながら、人生の再起戦、ラブストーリー、家族のかたち、師弟の絆などを過剰に詰め込んだサービス精神は素直に面白く、不満は多いもののなかなかの良作だったのではないでしょうか?

リンゴ・ラムと間違えてこれまでまったく手つかずだったダンテ・ラム監督作ですけど、これを機に少しずつでも鑑賞していこうかと思っております。いや~もう本当に重ねて重ねて非礼をお詫び申し上げます!あんなヘボ監督と間違えていたとは!

っていま調べてみたらですね、ダンテ・ラム作品一本だけ観てました!『ツインズ・エフェクト』!これけっこう悪くない映画でしたよ!ってだったらちゃんと覚えとかんかい!!

個人的評価:6/10点

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コメント

  1.  あれ、もうタルコフスキー監督シリーズ終わりですか。
     この作品、私はパッチワークが上手いなと思った程度でした。私の性根がひねくれているせいかもしれません。

  2. スパイクロッド より:

    晴雨堂ミカエルさん、こちらにもコメントありがとうございます!
    確かにパッチワーク映画としての完成度は高かったですよね。
    いろんな泣きポイントがあるのでどっかで誰もがひっかかる。
    ってあれ?ミカエルさんはどこにもひっかからずですか?
    ボクはやっぱり負け犬の再生に弱いのでひっかかってしまいました♪
    タルコフスキー祭りはいちおうまだ継続中です。
    現在はちょっと中休みといった感じでしょうか。
    とりあえず近いうちに『ストーカー』は観ますけど、
    その先は不透明ですね。『ストーカー』次第です。

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