『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』イラスト付きレビュー

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』のイラスト


理不尽な社会への、ゆがんだ白人至上主義への批判を落とし込んだ現代的寓話。マイノリティたちの怒りの咆哮がいま響き渡る。ってあれ?まさかラッパごときで懐柔されちゃうの!?

スポンサーリンク

作品データ

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』
Fehér Isten/White God

2014年/ハンガリー、ドイツ、スウェーデン/119分/PG12
監督:コーネル・ムンドルッツォ
脚本:コーネル・ムンドルッツォ/ヴィクトリア・ペトラニー/カタ・ヴェーベル
撮影:マルツェル・レーヴ
音楽:アシャー・ゴールドシュミット
出演:ジョーフィア・プショッタ/シャーンドル・ジョーテール

予告編動画

感想と評価/ネタバレ有

孤独な少女リリと愛犬のハーゲン。ふたりが引き裂かれたことによって起こる犬たちの反乱を描いた現代の寓話です。第67回のカンヌ国際映画祭において「ある視点」部門のグランプリ、そしてパルム・ドッグ賞の二冠に輝いております。

冒頭、まるで世界の終わりが来たような静寂と、人っ子ひとりいない街中を自転車で走る少女と、突如としてわいてくる無数の犬畜生どもという、「借りる映画間違えたかな?」と錯覚させるSFスリラーのごとき画は抜群によかった。

しかしこちらの頭部を金槌でぶん殴ってきたのは結局このオープニングだけでした。世界に居場所のない孤独な少女と、彼女の唯一の理解者といえる愛犬。そんなふたりが無理解な大人によって引き裂かれたことによって起こる悲劇。

捨てられたハーゲンが体験する、信頼していたはずの人間=白い神から受けるご無体な仕打ち。そして復讐の悪鬼と化し、仲間の犬たちを引き連れて起こすテロリズム。リアリズムからは大きく逸脱した、まさに現代の寓話といえる説教臭さです。

一言でこの映画を要約すると、「アートぶったアニマル・パニック映画」となります。アートとしては中途半端だし、アニマル・パニックとしても正直ぬるい。この宙ぶらりん感覚ゆえ、結局のところ犬たちの名演ぐらいしか印象に残らんのです。

最大の見せ場である「250匹わんちゃん大行進」にしても、文字どおり大量のわんちゃんがちょっと街中で暴れ回ってるぐらいにしか見えないというのは致命的。個別の復讐残酷描写はけっこう突っ込んで描いているのに、どうにも詰めが甘いのです。

詰めが甘いといえば主人公リリの世界との折り合いのつけ方もしかり。そしてまさに寓話的な逃げだとしか思えないラストにしてもしかり。だいたいここでのリリの態度がボクは気に入りません。全然ハーゲンのこと信じてないじゃんお前!

これなら『エスパー魔美』の傑作エピソード「サマードッグ」のほうがはるかに切実で、痛々しくて、考えさせられます。ジャンル映画のなんたるかも理解してしていない説教ゲイジツ野郎は、藤子・F・不二雄先生の爪の垢でも煎じて飲みやがれ!

個人的評価:4/10点

関連映画の感想

スポンサーリンク

Follow Me!

プッシュ通知でお手軽に更新情報をお届けいたします。

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』イラスト付きレビュー
この記事をお届けした
映画を観たからイラスト描いたの最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!
トップへ戻る