ブライアン・デ・パルマが好きになるおすすめ映画5選

ブライアン・デ・パルマのイラスト(似顔絵)


「ヒッチコックの粗悪な模造品」「女性の敵」「オチがいつも一緒」「映像バカ」誰だ!?ウチのデ・パルマをイジメるのは!だからいいんじゃねーか!いい加減デ・パルマを許してやってくれよ、お前さん方!

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目次

ブライアン・デ・パルマが好きになるおすすめ映画5選

  1. 初めに
  2. Phase I アンタッチャブル
  3. Phase II スカーフェイス
  4. Phase III キャリー
  5. Phase IV ファントム・オブ・パラダイス
  6. Phase V ミッション・トゥ・マーズ
  7. 終わりに
  8. フィルモグラフィ

初めに

ブライアン・デ・パルマ
Brian De Palma

ボクが偏愛してやまない映画監督のひとり、ブライアン・デ・パルマ。 ボクと同じく心から彼を愛している映画ファンは数多いものの、それと同等か、もしくはそれ以上に嫌われているのもまた事実。特に本国アメリカの映画評論家からは、新作を発表するたびにクソミソに貶されるのが一種の恒例行事と化している時期もありました。

そんな彼にこのたび、第72回ヴェネツィア国際映画祭にて「監督・ばんざい!賞」なる賞が授与されました。 長年にわたる映画界への貢献を果たしてきたフィルムメーカーをたたえる賞らしく、第1回受賞者の北野武にちなんでこんな名前になった模様。

この賞の価値や意味はとりあえず置いといて、これはもうまたとない機会ではないでしょうか!これを機にブライアン・デ・パルマという監督をより知ってもらい、好きになってもらいたい! 彼のことをよく知らないという人にも、嫌いだという人にも、あらためて彼の作る映画の魅力を知ってもらいたい!

そのために今回、ブライアン・デ・パルマが好きになるおすすめ映画を段階的に紹介していく記事を書いてみました。それではさっそく行ってみましょう!

Phase I アンタッチャブル


The Untouchables

  • 1987年/アメリカ/119分
  • 出演:ケヴィン・コスナー/ショーン・コネリー/ロバート・デ・ニーロ

とりあえず観てみる

第1段階として最適なのは、やはりブライアン・デ・パルマの映画で最も一般に認知されているであろう『アンタッチャブル』であります。禁酒法時代のシカゴを舞台に、アル・カポネ逮捕に執念を燃やす男たちの戦いを描いたクライムアクションで、デ・パルマ念願の大ヒット作でもあります。

とりあえず観ていただきたい! とかく叩かれがちな独自のスタイルを少しだけ抑え、新旧の豪華俳優たちを的確に活かし、適度なアクションとサスペンスフルな演出によって、巨悪に挑んだ男たちの熱い友情と固い信念と決死の戦いを描き出す。我を抑えて周囲への配慮を怠らなかった、万人が楽しめる犯罪娯楽映画だと思います。ときおり暴走しておりますが。

ときおり見せる暴走こそが我々デ・パルマ信者にはたまらんわけですけど、この映画に関しては雇われ監督として非常に控えめな描写にとどめており、それが大ヒットへとつながった間口の広さを生み出しておるのです。そういう意味でも、まずはこの映画をブライアン・デ・パルマへの入り口とするのが適切でしょう。

Phase II スカーフェイス


Scarface

  • 1983年/アメリカ/170分
  • 出演:アル・パチーノ/スティーヴン・バウアー/ミシェル・ファイファー

不良的感性を認識する

第2段階として必要なのは、独特の映像演出にばかり目が行きがちなデ・パルマの不良的感性を認識することです。そこでおすすめするのがこの『スカーフェイス』。ハワード・ホークスの往年の名作『暗黒街の顔役』をリメイクした、キューバからやって来たチンピラヤクザの成り上がり人生を、3時間の長尺でいっきに見せるピカレスクロマンであります。

例のごとく公開時の批評家による評価は散々で、ラジー賞のワースト監督賞にもノミネート。しかし現代ではカルト映画としての再評価が進み、特にヒップホップカルチャーにおけるアイコン化は周知の事実でありますね。 あえて空疎に撮られた軽薄きわまりない映像の渦のなかで映し出される、主人公トニー・モンタナの無軌道な成り上がり人生。クライマックスにおける不死身のアル・パチーノは必見!

極道まではいかないあくまでも不良的な感性。 ストリートに根差したチンピラなのですよね。そういう意味でもブラックカルチャーに与えた影響は必然です。1960年代を通過してきた映像作家であるブライアン・デ・パルマの、反体制的な側面を知ってもらうための素晴らしい教材だと思います。

Phase III キャリー


Carrie

  • 1976年/アメリカ/98分
  • 出演:シシー・スペイセク/パイパー・ローリー/エイミー・アーヴィング

映画監督ブライアン・デ・パルマとは?

第1、第2段階でブライアン・デ・パルマの世界に触れてもらったいま、この第3段階で知ってもらいたいのはデ・パルマのすべて。「ブライアン・デ・パルマとはいったいどういう映画監督なのか?」ということです。彼のすべてが詰まった映画としておすすめするのはやはりこの『キャリー』しかないでしょうね。哀れな少女の悲しい復讐劇を描いた傑作ホラー映画です。

この映画にはデ・パルマのすべてが詰まっております。一人称視点、スローモーション、パン・フォーカス、360度旋回、スプリット・スクリーンなどの映像テクニックに、ヒッチコックへの過剰なオマージュ、過激なバイオレンス、負け犬のドラマ、夢オチなどの作劇スタイル。これといった長回しがなかったのが残念なぐらいで、どこを切ってもデ・パルマ印の映画です!

この映画を観てそのめくるめく映像テクニックに酔いしれるか?悲しくも恐ろしい復讐劇に涙と怖気をふるうか? どちらか一方でもいいし、両方でもいいのですけど、そういう気持ちをいだいたあなたはきっともうブライアン・デ・パルマのことを好きになっているはず。それぐらい彼の魅力が詰まったおすすめの一本なのです!

Phase IV ファントム・オブ・パラダイス


Phantom of the Paradise

  • 1974年/アメリカ/92分
  • 出演:ウィリアム・フィンレイ/ポール・ウィリアムズ/ジェシカ・ハーパー

最高傑作!

ここまでの段階を経てきたあなたはもうすでにブライアン・デ・パルマを好きになっているはずですが、ここで最後のダメを押したい!そこでおすすめするのがデ・パルマの最高傑作『ファントム・オブ・パラダイス』であります。『オペラ座の怪人』を下敷きにさまざまな要素をぶち込んだ、もはやカテゴライズ不能の愛すべきロックンロール映画です!

すべてを奪われた男の断末魔の咆哮と、すべてを手にした男の孤独、夢のために魂を売り渡した女の地獄が、めくるめく映像マジックと、悪趣味なブラックジョークと、秀逸なロックンロールによって彩られており、ラストの阿鼻叫喚の地獄絵図には何度目の鑑賞であろうがたまらず号泣!問答無用に泣けてしまいます!

異端の作家といえるブライアン・デ・パルマのフィルモグラフィでも最も異端な作品。それがこの『ファントム・オブ・パラダイス』であります。それゆえの最高傑作であり、それゆえの敷居の高さでもある。この作品を越えられるかどうか?ここにすべてがかかっていると言っても過言ではない!しかしこの山を越えたあなたは、きっとブライアン・デ・パルマのことを愛し始めているはずです!彼のすべてを!

Phase V ミッション・トゥ・マーズ


Mission to Mars

  • 2000年/アメリカ/114分
  • 出演:ゲイリー・シニーズ/ティム・ロビンス/ドン・チードル

踏み絵

ブライアン・デ・パルマという監督のすべてを愛し始めたあなたに待っている最終段階は、踏み絵という名の試練であります。そこで観ていただきたいのがこの『ミッション・トゥ・マーズ』です。人類で初めて火星へと降り立った宇宙飛行士たちの体験する神秘を描いたデ・パルマ初のSF映画なのですけど、この映画に対する良識ある皆さまの反応はそらもう散々なものでありました!

興行収入こそギリギリとんとんへと持ち込んだものの、評論家、一般客の評価は目を覆うばかりの酷評の嵐。でもそれも致し方ありません。だって本当にひどいんですもの!細かい論評はネタバレへとつながるので多くは語りませぬが、いまさら感満点のストーリーであります。ちょっと前にゼメキスが『コンタクト』でしてたやん!ってそらあんたほぼネタバレやがな!

「水と油」という言葉はデ・パルマとSFのためにあったのですね。しかし、その人の良い部分も悪い部分もすべて受け入れるのが本当の愛である。この最終段階まで到達したあなたなら、きっとこの作品のことも好きになれるはず。出来の良し悪しは問題ではありません。さあ勇気を出してこちらへ来なさい。身も心もブライアン・デ・パルマとひとつになるのです……。

終わりに

「ブライアン・デ・パルマが好きになるおすすめ映画5選」いかがでしたでしょうか?

ここで紹介させていただいた5作品は一部を除いて傑作ばかりですので、未見の映画がありましたらぜひとも試しに鑑賞していただき、ブライアン・デ・パルマという監督をより深く知ってもらい、そして好きになっていただきたい。これが肩身の狭いデ・パルマ信者の切なる願いであります。

ここで紹介した映画以外にも数多くの傑作がまだまだありますので、今度は自分自身の手でさらなるブライアン・デ・パルマの世界を開拓してみてください。最後に彼のこれまでのフィルモグラフィを掲載しておきますので、作品選びの参考にでもしていただけたら幸いです。

フィルモグラフィ

  • ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN II・黄昏のニューヨーク(1968)
  • 御婚礼/ザ・ウェディング・パーティー(1969)
  • ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN I・哀愁の摩天楼(1970)
  • 悪魔のシスター(1973)
  • ファントム・オブ・パラダイス(1974)
  • キャリー(1976)
  • 愛のメモリー(1976)
  • フューリー(1978)
  • 悪夢のファミリー(1979)
  • 殺しのドレス(1980)
  • ミッドナイトクロス(1981)
  • スカーフェイス(1983)
  • ボディ・ダブル(1984)
  • アンタッチャブル(1987)
  • カジュアリティーズ(1989)
  • 虚栄のかがり火(1990)
  • レイジング・ケイン(1992)
  • カリートの道(1993)
  • ミッション:インポッシブル(1996)
  • スネーク・アイズ(1998)
  • ミッション・トゥ・マーズ(2000)
  • ファム・ファタール(2002)
  • ブラック・ダリア(2006)
  • リダクテッド 真実の価値(2007)
  • パッション(2012)

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ブライアン・デ・パルマが好きになるおすすめ映画5選
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コメント

  1. 宵乃 より:

    5つのうち、「スカーフェイス」以外は観てます。
    やはり最初は「アンタッチャブル」ですよね。私もこれがブライアン・デ・パルマとの出会いだったと思います。
    随分前に観たきりなので再見したいけども、仰るとおり監督の個性は抑え気味だった印象なので、今観ても物足りないかも(笑)
    「ミッション・トゥ・マーズ」は結構地上波でやってたので、案外これを最初に観てる人も多いかもしれませんね。

  2. スパイクロッド より:

    宵乃さん、コメントありがとうございます!
    お返事が遅くなってすいません。
    ボクもファーストコンタクトは『アンタッチャブル』でした。
    まあその頃はデ・パルマ監督作だという認識はなかったのですけどね。
    何にいちばん初めに当たるのかというのはけっこう大きいと思います。
    最初が『ミッション・トゥ・マーズ』だとちとしんどいですよね~。
    やはりおすすめは『アンタッチャブル』。
    もしくは『キャリー』か『ミッション:インポッシブル』かな?

  3. バニーマン より:

    ファントム・オブ・パラダイスを見ました。
    僕にとっては、デ・パルマらしさ満開で面白かったのですが、
    やっぱりこの人、一般的にはウケないかもと思ったのも事実です(^_^;)。
    ファントム・オブ・パラダイスも傑作と思う人もいれば、もうダメという人もいるな~と、観ながら思っていました。
    デ・パルマらしいと思うほど、ひく人がいるなと思ってしまうだけ、この監督って不幸だなと思っています。
    ま~、スパイクロッドさんがこれだけ愛していればOKかな(笑)

  4. スパイクロッド より:

    バニーマンさんコメントありがとうごいます!
    とうとう観てしまいましたかこのデ・パルマの最高傑作を!変な映画だったけど妙におもしろかったでしょう?受け付けない人も多いかとは思いますけど、好きな人はもう生涯にわたって愛し続ける偉大なる作品だと思いますよ、ボクは!

  5. ゆきやまま より:

    私も『アンタッチャブル』は好きな映画です。
    が、やはり、初期の『悪魔のシスター』『愛のメモリー』『殺しのドレス』辺りが好きです。

  6. スパイクロッド より:

    ゆきやままさんコメントありがとうございます!
    『悪魔のシスター』はデ・パルマ初期の傑作ですよね!ラストのチャールズ・ダーニングが忘れられない(笑)。『愛のメモリー』『殺しのドレス』も大好きですが、ちょっとヒッチコックごっこが過ぎますかね?まあそれが彼の芸風ですからね。

  7. らびッと より:

    デ・パルマ一時期はまったことがあって初期の頃の作品以外は大体観ているのですが5本挙げるなら「キャリー」「ミッドナイトクロス」「カジュアリティーズ」「ミッション:インポッシブル」「スネーク・アイズ」ですかね。どちらかというと観やすい(プロットがシンプルな)作品が好きなのでこんな感じなんだと思います。「ファントム・オブ・パラダイス」この前BSで放送していたのを録画したので観てみたいと思います。
    そういえば、この前観た「グランドピアノ 狙われた黒鍵」がすごくデ・パルマっぽい感じでよかったです。

  8. スパイクロッド より:

    らびっとさんコメントありがとうございます!
    ボクはDVDで発売されているデ・パルマ作品はすべて観ております。『キャリー』はこの記事で書いたとおりですけど、『ミッドナイトクロス』の花火にはいつも泣かされております。『カジュアリティーズ』は流行に乗ってしまった感じですけど、デ・パルマらしい負け犬映画でしたよね。『スネーク・アイズ』もしかり。『ミッション:インポッシブル』も娯楽大作ながらデ・パルマらしさがあふれた作品でボクも大好きです。『ファントム・オブ・パラダイス』は本当におすすめのデ・パルマ最高傑作ですのでぜひ観てみてください!ボクも実は見逃していた、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』を近いうちに観てみますので!

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