『ナイトクローラー』感想とイラスト ゲスの極みギョロ目

映画『ナイトクローラー』のイラスト

ゲスの人生哲学。お前のものは俺のもの。他人の不幸は蜜の味。死人に口なし。金は三欠くに溜まる。これを実践できれば晴れて君たちも我がVPN(Video Production News)の一員だ!

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目次

『ナイトクローラー』感想とイラスト ゲスの極みギョロ目

  1. 作品データ
    1. 予告編動画
  2. 解説
    1. あらすじ
  3. 感想と評価/ネタバレ多少
    1. ゲスの人生成功術
    2. 成功のためには手段は問わない
    3. 伝染していくゲス
    4. 見習ってはいけないベストテン

作品データ

『ナイトクローラー』
Nightcrawler

  • 2014年/アメリカ/118分
  • 監督・脚本:ダン・ギルロイ
  • 撮影:ロバート・エルスウィット
  • 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
  • 出演:ジェイク・ギレンホール/レネ・ルッソ/リズ・アーメッド/ビル・パクストン

予告編動画

解説

上昇志向の強いゲス男の超アグレッシブな成り上がりゲス道を描いたサイコスリラーです。

監督は『ボーン・レガシー』の脚本を務めたダン・ギルロイで、これが監督デビュー作。ちなみに『ボーン・レガシー』の監督トニー・ギルロイは実のお兄さん。父は脚本家、双子の兄弟も編集マンという、いわゆる映画一家というやつですね。

主演は『複製された男』のジェイク・ギレンホール。共演に監督の妻でもある『マイティ・ソー』のレネ・ルッソ、『グアンタナモ、僕達が見た真実』のリズ・アーメッド、『フレイルティー 妄執』のビル・パクストンなど。

あらすじ

ロサンゼルスで暮らす、野心はあるが定職はないコソ泥のルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)。彼はある日、自動車事故の現場を嬉々として撮影するパパラッチ、通称“ナイトクローラー”たちと遭遇する。

これに興味を覚えたルイスは、さっそくビデオカメラと無線傍受機を不正に入手。見よう見真似でナイトクローラーの真似事を始め、夜の街をカメラ片手に事件を求めて這いずり回るのであった……。

感想と評価/ネタバレ多少

ゲスによるゲスなゲスのための映画ということで、昨年の公開時になんとしても馳せ参じたかったものの、諸事情により断念。泣く泣くレンタル待ちとなってようやく鑑賞。よし!感想書くぞ!と思ったらインフルエンザに罹患。

しばらくのあいだ床に伏せっておりまして、ようやくこうして記事としてまとめることができました。というわけでゲスによるゲスなゲスのための映画『ナイトクローラー』のくだらない感想、さっそく行ってみましょう。

ゲスの人生成功術

自分の進むべき道が定まらない青年が、待ちに待った天職とついに出会い、その道で成功するためにひたすら邁進する姿。大雑把に物語を説明するとこんな感じになるのですけど、大雑把すぎて大きな語弊が発生しそうですね。

つまりは自分探しをしている青年のサクセスストーリーなわけですけど、その根底に「ゲス」の一文字を加えると理解が早いかも。成功は成功でもそれはすべてゲスの賜物。ついでにその成功もゲス以外の何ものでもない。

要するに噂にたがわぬゲス映画。ここまでひたむきなゲス道を邁進されてはある意味あっぱれ。またまた大きな語弊が発生しそうですが、尊敬に値するゲスっぷり。まさにゲスの極みギョロ目。それでは彼の見事なゲスっぷりを紹介していきましょう。

成功のためには手段は問わない

12キロの減量をしてこのゲス役に挑んだジェイク・ギレンホール。それによってさらに強調された彼のギョロ目。このギョロ目が執拗に夜の闇を、人の不幸を見つめておるのです。彼の心のない演技はまさにサイコパスそのもの。

そんなギョロ目の初登場時の職業はコソ泥。いや、最後までコソ泥か。彼の所有物も、知識も、発言も、成功も、すべて他人からかすめ取ってきたもので構成されておるわけですから。この薄っぺらさこそが彼の肝。彼の根幹。

そんなペラッペラのゲス男が出会ったナイトクローラーという天職。人の不幸を食い物にする覗き屋。まさに天職。この天職での成功を夢見てひたすら邁進する彼の姿は、ある意味では本当に勤勉な努力家です。ただその方法と方向が全力で間違っているということ。

他人の技術を盗み、機材を不正に入手し、いい画を撮るために不法侵入、やらせ、情報の隠匿、そして最後の一線と、成功のためには手段を選ばないこのアグレッシブさは、勝者となるためにはある意味では必要なことなのかもしれません。全力で腐ってますけどね。

しかし彼は腐ったゲス男。いい画を撮るため。視聴者に刺激的な娯楽を提供するため。自分自身の成功のために必要なこととして、そこにはなんの疑いも、良心の呵責も、報道に携わる者の葛藤もありゃしません。しかし彼にとってはこれが必然なのです。

必要なことだから。求められていることだから。犯罪に手を染めようが、他人を陥れて恫喝しようが、死体をもてあそぼうが、すべては正義。需要と供給の原理に従ったのみ。要約すると社会のため!

悪いこと、してはいけないことをしているという自覚が皆無なのですよね。なんの悪意ももたずにこれを遂行できてしまう男。こういう輩をサイコパスというのでしょうね。しかし彼だけがサイコパスなのでしょうか?

伝染していくゲス

パパラッチ、ナイトクローラーという職業が成立する、成功のためのチャンスとなるこの腐った世の中自体もサイコパスなのではないでしょうか?より刺激的にエンタメ化したニュース。その刺激を娯楽として消費し、さらなる過激性を求める視聴者。

これを批判しているわけではありません。だってボク自身がその刺激を求め、娯楽として人の不幸を消費している腐ったゲスのひとりなわけですからね。大なり小なり皆ゲスのお友達。それはレネ・ルッソ扮する女性ディレクターが体現しております。

彼女の老けっぷりは関係ないのでとりあえずは置いとくとして、おそらくは我々と同じ小さなゲス、いや中ぐらいのゲスであったはずの彼女が、保身と成功と興奮から大きなゲスへと取り込まれていく姿。ゲスの伝染であります。

最後の一線を越えた主人公の狂気にも戦慄でしたが、それに嬉々として飛びつく彼女、テレビ局の醜悪さには反吐が出ます。そして、それを見たいと思う自分自身にも反吐が出る。汚物にまみれたゲスどもの世界。社会を汚してゴメンなさい。反省します。

見習ってはいけないベストテン

名カメラマンであるロバート・エルスウィットによって撮影された夜景映画としての側面。ジェームズ・ニュートン・ハワード作曲による、1980年代の青春映画を彷彿とさせるような軽快なスコア。エンディング曲にはぶっ飛んでしまいましたね。

でもこれはあながち間違いではないのかも?だって見方によっては苦悩する若者の青春サクセスストーリーなわけですからね。その方向も方法も完全に間違っているゲスの極みではありますけど。どうか前途ある若者はこれを見習わないように。

というわけで、ゲスによるゲスなゲスのための映画『ナイトクローラー』のくだらない感想でありました。しかしやっぱり劇場でちゃんと観たかったな。2015年度の年間ベストテン入り確実ですから。おっと、ベストテン改訂しとこ。

個人的評価:8/10点

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