『バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋』感想とイラスト カッタッパ!

映画『バーフバリ 伝説誕生』シヴァガミのイラスト(似顔絵)
歌って踊ってセクハラ三昧粘着ストーカーの変態まっすぐ天下無敵のバーフバリ伝説ここに始動す!さあ皆で我らが王の名を高らかに叫ぼうぞ!バッ…ババッ…バフ………カッタッパ!

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作品情報

『バーフバリ 伝説誕生』
Baahubali: The Beginning

  • 2015年/インド/138分/R15+
  • 監督・脚本:S・S・ラージャマウリ
  • 撮影:K・K・センティル・クマール
  • 音楽:M・M・キーラヴァーニ
  • 出演:プラバース/ラーナー・ダッグバーティ/タマンナー/サティヤラージ/アヌシュカ・セッティ/ラムヤ・クリシュナ/ナーサル

参考 バーフバリ 伝説誕生 – Wikipedia

予告編動画

映画「バーフバリ 伝説誕生」予告編

解説

巨大な滝の下で拾われた赤ん坊。たくましい青年へと成長した彼は滝の上の世界に興味をいだき、その世界で自らに課せられたおおいなる使命を知ることになるという、全2部作構成によるインド発の歴史アクション大作です。

監督は『マッキー』のS・S・ラージャマウリ。インド国内のみならず世界的な評価、成功を収めた一大叙事詩で、日本でも小規模公開ながら異例の大ヒットを飛ばし、一大「王を称えよ!」ブームを巻き起こす。

それを受けて2018年6月には『バーフバリ 王の凱旋』のオリジナル完全版が公開されました。ちなみに日本で公開されたインターナショナル版は141分で、完全版は167分!

感想と評価/ネタバレ有

当ブログの常連さまからリクエストをいただいた『バーフバリ 伝説誕生』。当方インド映画は初体験に近かったのですが、あまりの面白さ、華やかさ、熱さ、カッタッパ!に心を鷲づかみにされ、気づいたら『王の凱旋』と連続4時間40分鑑賞してしまった次第。

てなわけで今回は『バーフバリ 伝説誕生』と『王の凱旋』の感想をいっぺんに書いてしまいたいと思いますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです。1ページ目が『伝説誕生』、そして2ページ目が『王の凱旋』の感想とイラストと相成っております。

圧倒的面白さ

古代インドの大国マヒシュマティ王国。そこから流れる膨大な水流の滝の下で、赤ん坊を抱えながら追っ手をかわし、我が身を犠牲にしてその子の命を救ったひとりの女性がいた。近くの村人によって拾われた赤ん坊はシヴドゥと名づけられ、すくすくと成長する。

たくましい青年となったシヴドゥは滝の上へと興味をいだき、苦難の末についにその頂上へと到達する。新しい世界へと飛び出したシヴドゥはそこで運命の出会いを果たし、自らに課せられた使命も知るのであった……。

滝の下で拾われた孤児は実は王家の血を継ぐ英雄の子で、悪に染まった王国を奪還するために立ち上がるというなんともわかりやすい英雄譚には特に面白味はありません。しかしこの手の映画に人は何を求めるのでしょう?求めるものはただひとつ。圧倒的な面白さ。

話がベタでも、テーマがなくても、主人公が超人すぎても、圧倒的に面白ければなんの問題もない。そしてこの『バーフバリ 伝説誕生』は圧倒的に面白かった。恥も外聞もなく、己が信じる面白さ、楽しさ、カッコよさを全力で叩きつけてくる圧倒的な映画愛があふれていた。

孫のために人柱と化すシヴァガミの突き出た前腕。幻想のリビドーをやる気満々で追いかけるバーフのミュージカル滝登り。変態野球拳勝手にお化粧求愛ダンス。デーヴァセーナ烈火の復讐小枝集め。首チョンパされど二歩三歩。我らがカッタッパ滑り込み臣下の礼。etc.

未見の方にはなんのことかさっぱりかもしれませんが、観た方ならば必ずやうなずいてくれるであろう歓喜の胸熱号泣シーンの数々。ダサい、クサい、恥ずかしいをはるかに飛び越えた圧倒的な画力(えぢから)には、映画を観る原初的な喜びが久方ぶりに舞い戻ったようです。

我らがカッタッパ

インド映画らしい歌やダンスを交えながら、英雄の血を引き継ぐ男が父の伝説を継承していくまでの過程を追った『バーフバリ 伝説誕生』。主人公シヴドゥの変態的、いやさ超人的恋心による自らのルーツへの接近も面白いのですが、やはり本作の白眉は後半の回想シーン。

我らがカッタッパによって語られる父バーフバリのありえない超人伝説にこそあるでしょう。その器の巨大さ、奥深さ、温かさ、そして強さはまさに神の領域で、ありえないからこそありえない輝きと魅力を放つのです。そして常にその傍らに立つ我らがカッタッパの存在。

ああ~カッタッパ。なんという美しい響きだろうかカッタッパ。つい声に出してみたくなるテルグ語の筆頭格カッタッパ。劇中でさまざまな人物がさまざまな想いを込めて口にするカッタッパ。なかでも携帯の着信音にしたいナンバー1はシヴァガミの「カッタッパ!」。

父子バーフバリ、暴君バラーラデーヴァ、悪をけして許さないシヴァガミ、デーヴァセーナ、アヴァンティカの三烈女たちも確かに魅力的なのですが、彼らは常人離れした物語のなかの主役たちであり、やはり我ら凡人が共感し、愛し、待ち受けにするのはカッタッパなのです。

驚異の引きっぷり

奴隷という身分で王家に仕える戦士カッタッパの、武勇、忠義、哀愁、苦悩、そしてバーフバリに対する熱き想いがもうホンマにたまらんのです。シヴドゥが父バーフバリの血を受け継ぐ伝説の卵だと理解したときの、猛スピードスライディング臣下の礼の美しさたるや!

そして彼が熱く語る父バーフバリの偉大なる伝説。ここには彼の主観が多分に盛られているとも思うのですが、それはつまりカッタッパがいかに父バーフバリを崇拝し、彼のもとで生涯を仕える覚悟と喜びと期待をもっていたかの証明であり、これはつまり愛なのであります。

だからこそ、だからこそ!そんな伝説の王となるべき人物が志なかばで倒れた事実と、彼の歩みを止めてしまった原因、信頼していた人物の裏切り、「それは私だ!」というあまりに衝撃的なカッタッパの告白に涙が、涙があふれて止まらんのですよーーーーー!!!

しかも!しかもしかも!ここで前編が終わるというあまりの超絶引きっぷり!こんな終わり方されたら続きが気になってそりゃ4時間40分の連続鑑賞しちゃうって!映画館で観た人は『王の凱旋』公開までの飢餓感をいったいどうやって満たしたというのじゃ!?

てなわけで次のページは後編『バーフバリ 王の凱旋』の感想とイラストです。続きが気になる人は是非とも読んでくれい!

個人的評価:8/10点

DVD&Blu-ray

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スパイクロッド

映画を観たらとりあえず感想とイラストを書く(描く)人畜無害な釘バット。ちなみにイラストはぺんてるの筆ペン一本によるアナログ描き。

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映画を観たからイラスト描いた

コメント

  1. わるいノリス より:

    忠義スライティングをするカッタッパに一目惚れし、
    ノリノリで三文芝居を演じるカッタッパに我が子の様な愛おしさを感じ、
    返り血まみれで国母に怒りをぶつけるカッタパに涙が止まらなくなる。
    そんな僕のベストカッタッパはバーフとデーヴァセーナの婚約が決まり二人の繋いだ手を今すぐにでも昇天しそうな満面の笑みでフルフルと見つめるカッタッパです!

    今時の悩むヒーローをあざ笑うかのごとく筋肉だけ解決する爽快さや、
    お国柄全開からの大ボリュームのコーラス挿入曲の振り切れたアゲアゲ演出、
    しかしよく見ると複線、というよりシーンのリフレイン・対比によるカタルシスの数々等、
    娯楽作品としての本質をとんでもなく研究・追求している作品だと分かり、この偉業を崇拝したくなる気持ちから今ではすっかりマヒシュマティ国民ととなってしまいました。
    特に火鉢のシーンは私の映画史上最高にアガる宣戦布告シーンでした。お前ソレ、ここでやるかっての!マヘンドラが最後に取る武器も復讐の意味としてアツい!

    長くなりましたが最後にこの映画を取り上げてくれて感謝します!ジャイホー!

    • スパイクロッド スパイクロッド より:

      わるいノリスさん、コメントありがとうございます!

      まず何より、この映画をリクエストしていただいて本当にありがとうございます!気にはなっていたものの、インド映画初心者ということもあって迷っていた背中を力強く押していただき、こんな素晴らしい映画体験ができたことを心から感謝いたしております。本当にありがとう!

      おっしゃるとおり、娯楽映画としていかに観客を楽しませるか、飽きさせないか、驚かせるかを非常に考え抜いたただの筋肉バカではない作品で、これは膨大な数の映画が製作・公開されているインドという土壌で成功するために鍛え抜かれた賜物なのですかね?実はこの映画で最も驚いたのは、本文には字数の加減もあって書かなかった女性たちの描写なのですよね。単なる英雄や暴君の添え物ではない、強烈な個性と力と意思をもったなんとも力強い女性像。時折よくない噂も流れてくるインドにおいて、スーパーフェミニズムとも言える女性の活躍を描いたこの作品には素直に驚きました。デーヴァセーナが痴漢の指をぶった切るシーンなんて最高です!そしてバーフの不埒な犯罪を許さないお見事な首チョンパ!ただ守られる、救われるだけではない自立した女性たちの輝きもまた、この『バーフバリ』という映画の大きな魅力のひとつだったと思います。

  2. star より:

    更新お疲れ様です

    自分も、日本での上映開始当初はスルーしていたのですが、周囲からのあまりの評判の高さに劇場に馳せ参じたところ、劇場を出る頃には立派なマヒシュマティ国民にw
    世界観の魅力、キャラクターの魅力、それを補強する映画的演出の数々と非常に緻密に作られた脚本
    まさにこれこそがエンターテイメントそのものです
    エンターテイメント大作でこれほどまでの感動を覚えたのは、パシリムやマッドマックス以来かもしれません

    あと、女性の描き方の素晴らしさについても同意です
    インドでは何かと女性に対する酷いニュースを聞くことが多いですが、エンターテイメントの中心にいる監督がこれほどまでに素晴らしい女性像を描き、またそれが広く受け入れられているというのは、インドの女性観も変わりつつあるという現れなのかもしれませんね

    しかしスパイクロッドさん、カッタッパはただの人間と言うには常人離れして強すぎだと思いますw
    勿論、カッタッパは最高のキャラであり、私も大好きですが、この作品の主要人物でただの人間に最も近いのは、デーヴァセーナの従兄のクマル・ヴァルマではないでしょうか
    最初は家名の威を借りて虚勢を張ることしか出来なかった男が、真の王と出会うことで勇気と実行力を持つ
    しかし、その勇気と実行力、そして王への愛が自分と王を破滅させてしまうという皮肉
    私はあのシーンは辛すぎて見ていられませんでした
    いくらなんでもビッチャラデーヴァを簡単に信用し過ぎという人もいるかもしれませんが、それもクマルの善性故だったのでしょう
    なので、現代編では彼について全く触れられなかったのが少し不満でした

    • スパイクロッド スパイクロッド より:

      starさん、こちらにもコメントありがとうございます!

      エンターテインメントの力強さを改めて叩きつけられた快作で、「映画を観るとはこういうことだ!」と久方ぶりに思えたような気がします。ボクはカッタッパに思い入れが強すぎたのかもしれませんが(笑)、確かに彼も十分に人間離れした超人ではありましたね。しかしまあ周りがアレですから、神の前では超人ごときは人間と変わらんということで。

      おっしゃるとおり、この映画で最も人間らしい、いわゆる人間臭さを見せてくれていたのはクマルかもしれませんね。単なるコメディリリーフ的な役割かと思われた彼が、バーフの力強くも情け容赦ない後押しによって覚醒する姿はボクもボロ泣きでした。ここで得た勇気と実行力が、のちの悲劇を呼ぶという残酷さも見逃せません。現代編で彼へと触れられないのは確かに不満ですが、これはやはり神々の物語ですので致し方ないのかもしれません。でも彼の情けなさと活躍と最期をしっかとこの目に刻んだ『バーフバリ』ファンはきっと大勢いたことでしょう。クマルの勇気をたたえて抱擁を交わすバーフとの信頼と絆が今でも思い出されますなぁ(涙)……。