絶対的正義を不法に行使する地獄からの使者、ジャック・リーチャー。ってあんたホンマはただの「ええ人」やんけ!けしからん!まったくもってけしからんチチだわ!
作品情報
『アウトロー』
Jack Reacher
- 2012年/アメリカ/130分
- 監督・脚本:クリストファー・マッカリー
- 原作:リー・チャイルド
- 撮影:キャレブ・デシャネル
- 音楽:ジョー・クレイマー
- 出演:トム・クルーズ/ロザムンド・パイク/リチャード・ジェンキンス/ デヴィッド・オイェロウォ/ジェイ・コートニー/ヴェルナー・ヘルツォーク/ロバート・デュヴァル
参考 アウトロー (2012年の映画) – Wikipedia
予告編動画
解説
5人の犠牲者を出した無差別狙撃事件。その裏に隠された陰謀へと迫る元エリート軍人の流れ者、ジャック・リーチャーの危険な捜査を描いたサスペンスアクションです。全米ベストセラー「ジャック・リーチャー」シリーズ初の映画化作品。
監督は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のクリストファー・マッカリー。主演はプロデューサーも務める肉体の限界へと挑むサイエントロジー俳優トム・クルーズ。
共演には『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイク、『シェイプ・オブ・ウォーター』のリチャード・ジェンキンス、『猿の惑星:創世記』のデヴィッド・オイェロウォ、『スーサイド・スクワッド』のジェイ・コートニー、『アギーレ/神の怒り』や『カスパー・ハウザーの謎』で知られる映画監督のヴェルナー・ヘルツォークなど。
感想と評価/ネタバレ多少
来月公開される続編の『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』へ向けてのおさらいとして、久々に鑑賞してみました。初見の印象はあまり良いものではなかったのですけど、再見したらもしかして評価が変わるかもしれないと思ったのですよね。
その理由は、クリストファー・マッカリーが監督した『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』がまさかの傑作だったから。あれを撮った監督なんだから、単にボクの見る目があのときは狂っていたのではなかろうか?そう思った次第。
ただのいい人と添え物のチチ
で、まあ再見してみた感想と相成るわけですけど、まったくもって何ひとつ自分でもびっくりするぐらいに印象の変化はありませんでした。やっぱりたいした映画じゃありませんよこれ。いつもどおりトム・クルーズを愛でるだけの「オレオレ映画」です。
無差別狙撃事件と思われる凄惨な現場を犯人の視点で描き、その後の警察による現場検証、そして容疑者逮捕までを無言でとらえたオープニングの緊張感にはうなりましたが、肝心のトムちん登場から急速に物語としての緊張感は下降の一途をたどるばかり。
まずミステリーとしてかなり底の浅いもので、これが無差別殺人を偽装した計画殺人であり、そのターゲットが誰であるのかもすぐに見当がついてしまいます。裏切り者の存在にしてもまたしかりで、こんなもんなんのサプライズにもなりゃしません。
1970年代のクライム・アクション、または古典的西部劇を意識したであろう地味な作風も、「主演トム・クルーズ!」という看板がその魅力を損なっている印象。意外とバイオレンスな肉弾バイオレンスは好みなのですが、いかんせんトムちん主演では緊張感が弱すぎる。
どこにも属さず、何ものも信じず、法律も無視するが、悪はけっして許さない。そんな絶対的な狂気の正義を体現する無法者(アウトロー)、ジャック・リーチャー。この映画を観てそういうイメージを実感した者がはたしてどれだけいるのだろうか?
トム・クルーズ演じるジャック・リーチャーはちょっとズレてるだけの「いい人」ですよ。そこには狂気のかけらもありゃしません。こういう役は若き日のクリント・イーストウッドこそ適任。彼が演じたらその狂気、緊張感、そして亡霊感を見事に体現していたことでしょう。
同一邦題の『アウトロー』(1976)なる傑作が彼にはありますが、今の若者が間違えてこちらをレンタルしてしまうことをボクは切に希望します。お前らトムちんなんかもういいからイーストウッド観ろ!イーストウッド!こっちの『アウトロー』は文句なしの傑作だぞ!
というわけで、イーストウッド版の『アウトロー』(1976)をおすすめしたところで、今回のレビュー記事は終了。だってたいして書くことないんだもん。あと書くことがあるとしたらロザムンド・パイクのけしからんケツのようなチチの話ぐらい。まったくもってけしからん。
でも彼女の役どころにしても旧時代的添え物ヒロインでしかなく、たいした活躍もなくケツのようなチチを披露しただけで出番終了。『ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソンとは大違い。やはり同一監督が撮った映画とは思えない天と地ほどの開きがありますな。
でもまあ続編である『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』は宣言どおりちゃんと観ますよ。予告編もけっこう決まっておりましたからね。ってあれ?監督がエドワード・ズウィックに変わってる!ああ~なんか微妙!ものすごく微妙!
個人的評価:4/10点
『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』予告編動画
DVD&Blu-ray
VOD・動画配信
『アウトロー』が観られる動画配信サービスはU-NEXT、TSUTAYA TV、Hulu。すべて定額見放題ですが、おすすめは映画コンテンツ量が半端ないU-NEXT(2018年12月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。
コメント
ハイティーンの頃ザ・エージェントやインタビュー・ウィズ・バンパイアでトム様に出会った私は、以来割と無条件にトム様映画は楽しく見られるくらいにゾッコンなんで、この作品も
チャラヘッチャラ
でしたね。
もっと言ったらレジェンドからナイト&デイまでヘノヘノカッパです。
大いなる陰謀でいつものトム様スマイルでババア記者を言いくるめるシーンやMI2冒頭クライミングシーン、コラテラルで無慈悲に若いチンピラどもをキッチリ二発打ち込んで射殺するシーンなんかはご飯が進む進む。
今だにハンサムといったらトム様なイメージなんですよねー、私は。
ワイルドといったらメル・ギブソン、コメディならM.Jフォックスにエディ・マーフィ、筋肉ならスタローン&アーノルド。
リーチャー予告の電話シーンがスクリーンで見られたらそれだけで元取れそうな気分です。
(눈_눈)さん、コメントありがとうございます!
ボクもトムちん世代ど真ん中なのですけど、どうにも昔からあまり相性が良くないようで。普段のトムちんらしからぬ役柄のときは好きなのですけどね。『マグノリア』『トロピック・サンダー』『コラテラル』、そしてトムちん死にまくりの『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。このへんの変態トムちんはけっこう好きです。『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』はどうなりますかね?予告編を観るかぎりは意外と期待できそうな感じが……。
これ続編出来るんですね、びっくりです
トム・クルーズのアウトローより
イーストウッド版の『アウトロー』
全く同感で思わず爆笑してしまいました!
koolhandさん、コメントありがとうございます!
トムちんよりもやはりイーストウッド。イーストウッド版の『アウトロー』のなんとな~く疑似家族が形成されていく過程がたまらなく好きなのです。そういやこっちのアウトローも本当はいい人でしたね。
続編は明日、11月11日から公開されます。初日は無理そうなので翌日にでも観に行ってこようかと思ってます。レビューのほうも頑張ってなるべく早く上げますね。