『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』感想とイラスト 不可能を可能にしたシリーズ最高傑作

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映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』トム・クルーズのイラスト(似顔絵)

走る!つかまる!飛ぶ!潜る!溺れる!生き返る!暴走する!ああ~なんて忙しい53歳。こんな50代だらけになったら世の中大変だ!迷惑だ!さっさとピーーーーー(以下自主規制)!

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作品情報

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

  • 原題:Mission: Impossible – Rogue Nation
  • 製作:2015年/アメリカ/131分
  • 監督・脚本:クリストファー・マッカリー
  • 撮影:ロバート・エルスウィット
  • 音楽:ジョー・クレイマー
  • 出演:トム・クルーズ/レベッカ・ファーガソン/サイモン・ペッグ/ジェレミー・レナー/ヴィング・レイムス/ショーン・ハリス/アレック・ボールドウィン

参考 ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション – Wikipedia

予告編動画

解説

御年53歳の我らがトム様が、謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を探る過程で一瞬だけお花畑を覗いてくるという、大ヒットスパイアクションシリーズの第5弾です。

監督はトム様ご用達のクリストファー・マッカリーで、『ワルキューレ』の脚本で初顔合わせをして以降、『ゴースト・プロトコル』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、そして『アウトロー』ではとうとう監督まで任されたお気に入り。

主演はもちろん我らがトム様。トム様の脇を固めるのは前作に引き続きサイモン・ペッグ、ジェレミー・レナー、ヴィング・レイムス。新顔に『ドクター・スリープ』のレベッカ・ファーガソン、『プロメテウス』のショーン・ハリス、『ボス・ベイビー』のアレック・ボールドウィンなど。

あらすじ

世界的な謎の犯罪組織“シンジケート”の正体を探る、IMF(Impossible Mission Force)のベテラン敏腕エージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)。

しかし、敵の罠にハマって反逆者として国際手配されてしまい、IMFもCIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)の手によって解体されてしまう。

絶体絶命の状況のなか、元IMFの仲間や謎の女イルサ(レベッカ・ファーガソン)の力を借りて、シンジケートへと闘いを挑むイーサン・ハント。はたして彼は今回の不可能ミッションを達成することができるのか!?

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感想と評価/ネタバレ無

今年は何やらスパイ映画がかまびすしい。本作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を皮切りに、9月に『キングスマン』、11月に『コードネーム U.N.C.L.E.』、そして12月には満を持して大トリの『007 スペクター』がやって来る模様。

んでまあブログのネタにとりあえずは観ておこうかと軽い気持ちでネット予約をポチッとしたわけですが、こいつぁやられましたね!まず結論から先に申し上げましょう。まさかの『ミッション:インポッシブル』シリーズ最高傑作でありました!

不可能を可能にした男

ブライアン・デ・パルマが魂を売って及第点へと仕上げた第1作。ジョン・ウー凋落のきっかけとなった第2作。もはや忘却の彼方へと過ぎ去った第3作。そしてブラッド・バードの記念すべき実写デビュー作にして、シリーズ最高の面白さを見せつけた『ゴースト・プロトコル』。

この『ゴースト・プロトコル』を超えるのは無理だろう。クリストファー・マッカリーごときにブラッド・バード超えなんて絶対不可能だろう。まさに「Mission: Impossible」。正直そう思っておりました。

しかし、「男子三日会わざれば刮目して見よ」。自分の偏見と先入観を恥じなければなりません。『アウトロー』を観たときは「この人監督に向いてないかも」と思ったものの、おそるべき成長曲線で鯉は龍へと変化していたのです。問答無用の面白さ!クリストファー・マッカリーはこの困難な任務を見事に遂行してしまったのですよ!

脚本家クリストファー・マッカリー

しかしですねぇ、実は脚本的にはたいしたことありません。いや、これには語弊がありますね。大枠の物語はデジャヴ感満点だし、ご都合性も散見されるものの、展開や仕掛け、構成、ダイアローグには見事なものがありました。

特に、緊張の絶頂で挟み込んでくるギャグ的要素の絶妙さには唸りましたね。緊張の合間に笑いを挿入しているわけではなく、緊張とアクションの連続性のなかに笑いが含まれているのです。しかもかなりの高頻度で。イーサンとベンジーの掛け合いなんてもう漫才の域ですよね。

クリストファー・マッカリーを脚本家として見た場合、『ユージュアル・サスペクツ』一本で過大評価されていると思っていたのですけど、意外とこういう小ネタでこそセンスを感じさせる脚本家なのかもしれません。大枠での評価は変わりませんけどね。やっぱり過大評価だと思いますよ、脚本家としては。

監督クリストファー・マッカリー

しかし、監督としての力量はあきらかに三段跳びぐらいでアップグレードしております。前作の『アウトロー』とはもう比べものになりませんね。まさかオープニングで最大の見せ場だと予告編で思わせておいた、トム様の飛行機へばりつきよる超絶スタントをもってくるとは!

「おいおい。こんな凄いシーンを頭からもってきて大丈夫か?」と思わせるものの、これは単なるつかみにしかすぎませんでした。それ以降も怒涛のテンポのよさでサクサクと話を進め、笑わせながら、あくまでトム様の肉体を駆使したアクションを出し惜しみなく提供してくる過剰なまでのサービス精神。

拷問部屋からの決死の脱出劇。オペラハウスでの狙撃。お花畑に片足突っ込んだ潜水アクション。この作品最大の白眉ではないかと思う超絶カーチェイスからのバイクチェイス。そして霧のロンドンでの追跡劇とナイフアクションと、ホントになんなんだよこのてんこ盛りは!

並の「オレオレ」ではない!

ただド派手なアクションをゴリ押ししてくるバカ映画ではなく、原点回帰ともいえる騙し騙され、いかにして敵を出し抜くかというまっとうなスパイ映画としても見ごたえ十分でしたし、ロバート・エルスウィットによる見事な撮影も見逃せません。

とりわけオペラハウスでの静謐な緊張感は必見です!黄色いドレスを身にまとって標的に狙いを定めるレベッカ・ファーガソンの太腿をとらえた見事な構図と照明。なんという完璧な美しさ!

古典映画(『カサブランカ』『知りすぎていた男』『北北西に進路を取れ』etc.)へのニヤリとしてしまう目配せをチラつかせながら、シリーズの売りともいえるさまざまな舞台、状況、危機のなかで、頭と体を酷使して獅子奮迅の活躍を見せるトム様の姿を、多種多様な趣向を凝らして観客の皆さまに楽しんでもらう。

確かにこれは「トム・クルーズによるオレオレ映画」かもしれませんけど、その完成度は半端ねーんですよ!

四の五の言わずに観てくれ!

それに、オレオレを支える神輿の担ぎ手たちもけっしてないがしろにされているわけではなく、前作に引き続いてこの作品もチームプレイ、仲間がいてこその面白さを追求している点が好印象。

ファム・ファタールを演じたレベッカ・ファーガソンの引きもたいしたものですけど、やはりボク的にはIMFの仲間たちとの絆がたまりません!ベンジーの「このまま帰れるわけないじゃないか、僕は君の友達だろう!」には胸熱です!嘘発見器まで騙してしまう友情です!

絶賛公開中の作品ですので、極力ネタバレなしでこうして感想を書きつづってみたつもりですが、筆が滑ってうっかり八兵衛してしまっていたら申し訳ありません。当初の予想を裏切るまさかのシリーズ最高傑作だったもので、少々浮かれてしまったかもしれません。

百聞は一見にしかず。とりあえず観てみてください!絶対に損はさせませんから!

個人的評価:8/10点

DVD&Blu-ray

VOD・動画配信

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が定額見放題なおすすめ動画配信サービスはプライム・ビデオ、Hulu、Netflix(2020年3月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

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コメント

  1. こんばんは。
    お~、そうか4作目が傑作だったんですね!
    先ずは、そちらから観ないといけませんね。

  2. こんにちは。
    私も観てきましたよ〜。
    脇役が良いと主役がより引き立つ、これが良くわかる作品だと思いました。
    前半にベンジーを持ち上げといて、後半にイーサンの見所を持ってくる。
    そうすることで主人公イーサンがよりカッコ良く見えますもんね。
    三度目登場のベンジーは、本当に美味しい役どころですわ。
    女スパイのイルサも、不必要なセックスアピールがないのは好感持てました。
    オペラハウスでの黄色いドレス、特別きらびやかでもないのに、でもそれが逆にエロチックですよね。

  3. スパイクロッド より:

    バニーマンさん、コメントありがとうございます!
    2と3はボク的には微妙な評価でしたけど、
    1と4はおすすめですよ!
    特に第4作は記事に書いたとおり傑作です!
    これを観てからこの第5作を観るとより楽しめると思います♪

  4. スパイクロッド より:

    ケフコタカハシさん、コメントありがとうございます!
    イーサンがベンジーを救うために最後の闘いに挑むのがいいんですよね!
    前作からイーサン単独というよりもチームプレイになってきたんですけど、
    今作はさらに突っ込んでこのチームの絆を描いていたのがよかったです。
    イルサ役のレベッカ・ファーガソンはカッコよかったですよね!
    彼女とイーサンとのあいだにヘタなロマンス的要素を入れてないのもいい。
    今作には登場しておりませんけどイーサンにはもうお相手がおりますからね。
    でもたぶんイルサのほうは想いがあったのでしょうね。

  5. こんにちは。度々失礼。
    今回私はベンジー目当てだったので、ベンジーの活躍はとっても嬉しかったです。
    レベッカ・ファーガソン、アクション女優を目指すなら、これ以上筋肉つけない方がいいかな、と思います。あくまでも女性目線ですけど、男性からだとどうですか?
    それと、えーとTB送信したんですけど・・・反映されてませんよね・・。

  6. ミス・マープル より:

    イルサ役のレベッカ・ファーガソンがよかったですね。
    華麗なアクションを見せたかと思えば、深いスリットのドレス姿や下着姿。
    ベンジーとハントのコンビも板についてきた感じです。
    TBわたしもエコーしてくれません(^-^;

  7. スパイクロッド より:

    ケフコタカハシさん、再度のコメントありがとうございます!
    今回ベンジーは本当においしい役どころでしたよね。
    レベッカ・ファーガソンはあくまでボクの個人的趣味ですけど、
    もうちょっとだけ筋肉つけてもいいかなぁと思ってます。
    あくまでボクの趣味ですけど(笑)
    TBの件はボクにもいまいち原因がよくわかりません。
    ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

  8. スパイクロッド より:

    ミス・マープルさん、コメントありがとうございます!
    レベッカ・ファーガソンの役どころはもう完全にボンドガールですよね!
    プールからザバッと出てくる姿なんてまさにです♪
    そしてクライマックスのナイフアクション!
    イーサンではなく彼女にこの役を振るあたりのセンスは抜群でしたね。
    TBはどうにも原因がわかりません。
    ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

  9. こんにちは。
    トラックバックできました〜!
    たぶんそちらから送ってくれたので、逆もつながったんでしょう。笑
    トラックバックの七不思議の一つだな、きっと。

  10. pt より:

    4はみなさん評価高いですね!観たけど忘れてしまいました
    5めちゃめちゃよかったですね(≧∇≦)最近の映画のあまりのCG駆使に疲れてた(主にマーベル)ので、生身のアクションの迫力に大変魅了されました。映画ってコレだなーと思うんですよね。古い人間なのですかね。スピードのキアヌリーブスとかカッコよかったなー

  11. スパイクロッド より:

    ケフコタカハシさん、再度のコメントありがとうございます!
    まさにTBの七不思議のひとつですよね。
    いまだに原因はよくわかりませんが、
    またこのようなことがあったらお知らせください。

  12. スパイクロッド より:

    ptさん、コメントありがとうございます!
    4の評価はもう別格でありまして、
    これを超えるなんてとうてい不可能だろうと思っていただけに、
    5のこの頑張りには素直に大興奮でありました!
    やっぱり生身のアクションには魅了されますね。
    『マッドマックス 怒りのデス・ロード』なんか最高でしたよ!!