『パワーレンジャー』感想とイラスト トミー・オリバーって誰よ?

映画『パワーレンジャー』デイカー・モンゴメリーのイラスト(似顔絵)

日本生まれ、米国育ちのスーパー戦隊“パワーレンジャー”。等身大の悩みを抱える普通のティーンエイジャーが世界を救うのだ!頼れるリーダーであるジェイソン・スコットの当面の悩みは、いつからリアップを始めるのかだな!

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作品データ

『パワーレンジャー』
Power Rangers

  • 2017年/アメリカ、カナダ/124分
  • 監督:ディーン・イズラライト
  • 脚本:ジョン・ゲイティンズ
  • 撮影:マシュー・J・ロイド
  • 音楽:ブライアン・タイラー
  • 出演:デイカー・モンゴメリー/ナオミ・スコット/RJ・サイラー/ベッキー・G/ルディ・リン/エリザベス・バンクス/ブライアン・クランストン/ビル・ヘイダー
  • 日本語吹き替え版:勝地涼/広瀬アリス/杉田智和/水樹奈々/鈴木達央/沢城みゆき/古田新太/山里亮太

予告編動画

感想と評価/ネタバレ多少

太古の昔に地球を守った5人の戦士たち。その力を受け継いだ現代の若者5人が、ふたたび地球に訪れたピンチに立ち向かう姿を描いたスーパーヒーロー映画です。原作というか元ネタは皆さんご存知、日本人なら誰もが一度は観たことがあるであろうスーパー戦隊シリーズです。

あの感動の再来を期待して

日本のスーパー戦隊シリーズの戦闘シーンを流用し、ドラマパートだけ現地で撮り直して人気を博したという『パワーレンジャー』。劇場版もすでに1990年代に2本作られており、今回の『パワーレンジャー』はどうやら予算を大幅アップさせたリブート版となる模様。

しかしボクは日本のスーパー戦隊シリーズ自体をロクに観ていない人間でして、Wikipediaで調べたところ確かな記憶があるのは『秘密戦隊ゴレンジャー』と『電子戦隊デンジマン』ぐらい。しかもたぶん再放送。これだけでも昔からおかしなガキだったことがうかがい知れます。

そんなボクがなぜこの映画を観ようと思ったのか?それはロボットアニメも怪獣映画もロクに観ていないくせに死ぬほど泣き崩れた『パシフィック・リム』の再来を期待したから。あの感動の再来となったのか否か?それではさっそく『パワーレンジャー』の感想です。

スーパー戦隊青春映画

エンジェル・グローブというアメリカのド田舎を舞台に、それぞれが何かしらの悩みを抱える5人の若者が運命的に出会い、導かれ、超人的なパワーを手にし、この地球を守るための役目を背負うことになるという、いわゆるスーパーヒーロービギニングものであります。

普通の若者がヒーローになるまでの過程を描く。ゆえにドラマ、訓練シーンがひたすら長い。「いつになったら変身して戦うんじゃ!」という正しい特撮ファンからの怒声が聞こえてきそうですが、ボクはこのもったいぶった引き延ばしが何やら気に入ってしまった。

主要キャラの出会いの場が補習授業という時点で、ジョン・ヒューズの傑作青春映画『ブレックファスト・クラブ』にオマージュを捧げているのは明白であり、スーパー戦隊ものに青春の葛藤と成長を盛り込んでくるセンスはおおいに買いだとボクは思います。

まあ本家本元と比べるとやはりその描写は模造品クラスになるのですが、こういうことをやろうという意気込みはやはり買いですし、突っ込み加減は甘いとしても、メンバーのなかに自閉症スペクトラムやLGBTを配しているあたり、現代的な問題意識も感じられます。

これをさらに重くするとジョシュ・トランクの『クロニクル』、もしくはヒーロー映画好きから総スカンを喰らった『ファンタスティック・フォー』になるかと思われますが、あくまで前向きな絆や友情、成長に焦点を絞っているのも快活なヒーローものとしては正解でしょう。

焦らした結果が大事

初っ端から出し惜しみなくガンガンに攻め込んでくる『キングコング:髑髏島の巨神』のようなイケイケ映画も大好きですが、この映画のようにもったいぶって焦らして焦らして「ダメ~見せてあげないよ~♥」という映画も個人的には嫌いじゃありません。

ただし問題となってくるのはその焦らし続けた結果。それではこの『パワーレンジャー』の結果はどうだったのかと申しましたら、残念ながら『パシフィック・リム』のような感動は望むべくもないという結果に。

苦悩と葛藤と後悔の果てに、晴れて確固たる友情、絆を形成した5人の若者たちはパワーレンジャーへと変身を果たし、仲間のため、故郷のため、地球のため、強大な敵に対して立ち向かうのですが、その戦闘シーンのぶつ切り感と安っぽいCGには正直ガッカリでした。

横並びで颯爽と登場するバカルー歩き、スーパーヒーロー着地、出撃シーンでかかる『Go Go Power Rangers』、採石場でのバトル、合体変形巨大ロボと、スーパー戦隊シリーズのお約束を忠実になぞった演出にはニヤリとするものの、すべてが早足駆け足急ぎ足。

もしかしたらこの安っぽい田舎感と展開の駆け足も本家に対するオマージュなのかもしれませんが、ここは金にもの言わせた下品なヤンキー魂で我々ジャップの度肝を抜いてほしかった。意図的なのかどうかは知りませんが、そんなとこまで真似しなくていいよって話。

どうなるトミー・オリバー

スーパー戦隊ものに青春映画の要素を持ち込んだ、焦らして焦らしてウッフ~ン♥演出は良かったものの、焦らし続けた結果が伴わなかったという焦らし損映画『パワーレンジャー』。無駄に長いドラマパートはけっこう好きだっただけにちょっともったいなかったですね。

確固たる人気と歴史を築いているシリーズですので、当然のように続編の存在をにおわせる幕引きとなるのでありますが、まあそれはそれでいいとして、続編への伏線として名前だけ登場した“トミー・オリバー”って誰?って話。

まったく意味がわからなかったので帰宅後に調べてみたら、ドラマ版で最も人気のあった6人目のパワーレンジャー、グリーンレンジャーのことらしいです。ドラマ版を嬉々として観ていた北米っ子たちはその名の登場に拍手喝采でしょうが、我々ジャップにとっては「はあ?誰それ?」って話ですわな。

しかし本国アメリカでの興行成績はあまり振るわず、何より中国での興行収入が伸び悩んだのが痛手となり、続編製作に黄色信号がともった『パワーレンジャー』。はたしてトミー・オリバー氏の登場は名前だけで終わるのか?その運命はここ日本が握っているのかも?

個人的評価:5/10点

その実青春映画の感想はこちら

コメント

  1. えるぼーロケッティア より:

    子供が劇場に全然いなくて、あれぇと思いましたが
    皆ポケモンやジブリ見て正解だったなと思ったのが正直な所です。
    本当この映画相当に焦らしますからね。
    もうこういった焦らしはギャレスだけで十分といいましょうか。

    戦闘シーンはお粗末・・・。
    人間サイズのアクションがたったあれだけ、しかも殺陣があんまりよくない。
    日本の元祖戦隊は低予算ながら頑張って見栄えのする殺陣やってのけてるし
    パワレンだってテレビの方は日本のシーンを使いまわす分重要な回では予算を
    投入してド派手な殺陣をやってくれるのに、この映画ときたらって感じです。

    メガゾードのデザインもださいし、興行的に失敗気味なのも納得でした。

    • スパイクロッド より:

      えるぼーロケッティアさん、コメントありがとうございます!

      ボクが観たときも子供はたったのひとりで、あとはおじさんばっかりでした(笑)。あんのじょうドラマパートには退屈したようで、定期的に何事かをわめいていましたし、意外なホラー風味に「こんな怖い映画観たくなかった~」と文句タラタラでした(笑)。まあ気持ちはわかる。ボクもガキの頃にこんな映画を観に来ていたら同じ反応だったことでしょう。

      満を持してやってきた戦闘シーンも、えるぼーロケッティアさんがおっしゃるようにお粗末でしたね。ボクは青春映画的ドラマ部分は気に入っただけに、ここでそれなりのものを見せてくれたらもっと評価は上がっていたのですけど、あまりに駆け足すぎましたね。長い時間を使ったドラマパートでそれなりにキャラクターの特性は描いていただけに、戦闘シーンでそれがまったく活かされないのはなぜなのでしょう?おっしゃるとおり全体的なデザインもダサいですし。ここがなんとかなってたらなぁ~という本当に惜しい作品でありました。ビンタで締めるアホらしいラストは嫌いじゃないですけどね(笑)。

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