『ブラック・エース』感想とイラスト 田舎にゃ泊まるな!

映画『ブラック・エース』リー・マーヴィンのイラスト(似顔絵)

人肉ソーセージや人身売買が日常と化した恐怖の田舎を舞台に、中身はねーが凄みだけはある男たちが火花を散らす。それを彩るのは天然不思議少女とひまわり畑ってか。

スポンサーリンク

目次

『ブラック・エース』感想とイラスト 田舎にゃ泊まるな!

  1. イラスト
  2. 作品データ
  3. 感想と評価/ネタバレ多少
    1. とりあえず結論から
    2. 田舎はこえ~よ
    3. ダメなものはダメ
    4. 若きシシー・スペイセク

作品データ

『ブラック・エース』
Prime Cut

  • 1972年/アメリカ/88分
  • 監督:マイケル・リッチー
  • 脚本:ロバート・ディロン
  • 撮影:ジーン・ポリト
  • 音楽:ラロ・シフリン
  • 出演:リー・マーヴィン/ジーン・ハックマン/グレゴリー・ウォルコット/シシー・スペイセク/エンジェル・トンプキンス

参考 Prime Cut (1972) – IMDb

感想と評価/ネタバレ多少

シカゴの組織を無視し、カンザスシティで好き放題やっている顔役メリー・アンと、彼に制裁を加えるため組織から送り込まれた一匹狼ニック・デヴリンとの対決を描いたクライムアクションです。監督は『がんばれ!ベアーズ』のマイケル・リッチー。

とりあえず結論から

TSUTAYA発掘良品で取り扱いが始まった1970年代初期のマイナーアクション、『ブラック・エース』をなんとなしに借りてみました。結果は、良い映画なのか悪い映画なのかいまいち判然としない妙ちくりんな作品でありまして、つまりはけっこう好みだということ。

男くっせーリー・マーヴィンとジーン・ハックマンの共演だけでも元は取れますが、『脱出』や『悪魔のいけにえ』にも通じる田舎こえー映画の走りともいえるカッペ臭も見逃せないポイントで、あのへんの差別ギリギリ異文化衝突がお好きな方にもおすすめできますよ。

田舎はこえ~よ

シカゴの組織からの借金を踏み倒し、送り込まれた使者も殺して送り返したカンザスシティの顔役メリー・アン。怒ったシカゴのボスは一匹狼の凄腕ニック・デヴリンに彼への制裁を依頼するが、ニックがそこで見たものは法も正義も存在しない無法地帯だった……。

てな感じの、暗黒街に生きる男たちの生死をかけた衝突を描いた作品なわけですが、いきなり牛さんたちのも~も~声で幕を開ける変な映画でして、ラロ・シフリンの美しい旋律に乗せて食肉加工の工程を丁寧に見せていくオープニングもなんか変。なんだこれは?

しかもこの牧歌的とも言えるお仕事風景は、実はシカゴからの使者をぶっ殺して人肉ソーセージにしていたという鬼畜なオチまで用意されており、「おいおい、『キングスマン:ゴールデン・サークル』かよ!」とバカは浮かれ踊ってしまうことでしょう。

その後も薬漬けにした少女たちのすっぽんぽん品評会や、殺しが日常化しているような無法の世界、安宿や祭りで映し出されるカッペたちのいい顔ぞろいなど、差別ギリギリというかもう完全にアウトな田舎こえー描写がいちいち面白すぎで、不謹慎だけど笑えます。

ダメなものはダメ

ただまあ話としてはかなり適当で、一匹狼の凄腕ニックを演じるリー・マーヴィンは見事な渋みと睨みを効かせてはいるものの、何か熟考してそうなしてなさそうな正体不明感が漂っており、結局のところ何も考えていない行き当たりばったりだったってのはなんともはや。

それはジーン・ハックマン演じるメリー・アンたちカッペ無法者集団にも言えることで、いちおうは町を牛耳る一大組織なわけですから、もうちょっと損得とか作戦とか戦略を練ろうよって話。弟と意味もなくプロレスしてキャッキャウフウフしてる場合じゃねーっつうの。

そんなんだからラストの対決もいまいち盛り上がらんのですよね。っていうか総じてアクション演出がヘタクソ。トラクターとの追いかけっこからの車喰い、ひまわり畑での銃撃戦など、これまた変な画力(えぢから)が違和感全開ではあるものの、迫力不足じゃ元も子もない。

若きシシー・スペイセク

でもなんか嫌いになれない不思議な魅力を放つ映画『ブラック・エース』。その魅力に一役買っていたのがあの『キャリー』のシシー・スペイセクだったという事実は是非ともお伝えしなければ。ニックに救われる少女ポピーを演じた若き日のスペイセクのかわいらしさとボイン。

どうやらこれが実質デビュー作のようですが、いきなりすっぽんぽんでスケスケドレスを身に纏い、何やらこの世のものではないあっち側の世界の住人のような不思議オーラを醸し出し、ラストでは自分を売った鬼畜孤児院の女主人に強烈なパンチをぶちかます。

自分は動物などではない人間宣言。彼女とニックとの淡いラブストーリーも本作の隠し味ですが、いい年こいた中年親父と不思議少女との恋愛という危なっかしさもまた乙。ラストでニックがポピーにシカゴの街を説明するセリフもけっこう洒落てまんねんで~。

個人的評価:6/10点

関連記事

コメント