『ザ・プレデター』感想とイラスト コレジャナイから面白い

映画『ザ・プレデター』ボイド・ホルブルックのイラスト(似顔絵)
SF映画史上屈指の凶悪人気キャラクター“プレデター”ここに復活!みんなが観たかったあの雄姿、あの展開、あの死闘がついに復活………してない!こんなもんは俺が観たかった『プレデター』じゃない!コレジャナイ、コレジャナイけど、最高に面白いじゃねーか!

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作品情報

『ザ・プレデター』
The Predator

  • 2018年/アメリカ/107分/R15+
  • 監督:シェーン・ブラック
  • 脚本:フレッド・デッカー/シェーン・ブラック
  • 撮影:ラリー・フォン
  • 音楽:ヘンリー・ジャックマン
  • 出演:ボイド・ホルブルック/トレヴァンテ・ローズ/ジェイコブ・トレンブレイ/オリヴィア・マン

参考 ザ・プレデター (映画) – Wikipedia

予告編動画

映画『ザ・プレデター』予告 究極のプレデター降臨編

解説

再び地球へと姿を現したプレデターと、それに立ち向かうならず者特殊部隊との激しい戦いの最中に、異種交配によって進化した最強最悪のアルティメット・プレデターが出現するというSFアクションホラーです。

監督は第1作の『プレデター』にホーキンス役で出演していた『ナイスガイズ!』のシェーン・ブラック。脚本を務めるのはそのシェーン・ブラックと、なんと『ロボコップ3』の監督と脚本で知る人ぞ知るフレッド・デッカー!

主演は『ラン・オールナイト』『LOGAN/ローガン』を経てついに大作の主役を射止めたボイド・ホルブルック。共演は『ワンダー 君は太陽』のジェイコブ・トレンブレイ、『ムーンライト』のトレヴァンテ・ローズ、『X-MEN:アポカリプス』のオリヴィア・マンなど。

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感想と評価/ネタバレ多少

第2作目以降のシリーズ作、クロスオーバー作の存在を墓場へと葬り、正当なる続編かつリブート的な意味合いも込めて現代へとよみがえった『ザ・プレデター』。パート1以外はすでに忘却の彼方であるボクのような忘れん坊のシリーズ嫌いにはありがたい話じゃ。

とはいえ実際はさして期待していなかったのも事実。素敵な社畜生活の果てに映画を観る喜びやブログを書く情熱を失いつつある自分のリハビリにでもなれば御の字か?ぐらいの期待感でした。しかし!こいつは病んだ心の自然治癒力を爆発的に引き出す快作ではありませんか!

醜悪エイリアンとポンコツ人間どもが血と臓物と切り株のなかで生きるか死ぬかの滑稽なダンスを珍妙なステップで舞い踊るいびつな怪作ではありませんか!ボンクラに生きる勇気を与える奇形のエンタメスプラッター『ザ・プレデター』。それでは病んだ心をさらに悪化させたがゆえに復活を果たしたボクの感想をどうぞ。

有用無用の分かれ道

メキシコへと墜落した謎の宇宙船。そこで宇宙を股にかけて狩場を求めるハンター“プレデター”と接近遭遇を果たした米軍特殊部隊のスナイパーであるマッケンナは、仲間を皆殺しにされながらも運よく撃退し、プレデターのヘルメットとガントレットを入手して逃走。

しかし極秘にプレデターの生態を調査している政府機関“スターゲイザー”によって捕縛され、プレデターの存在を隠蔽したい彼らによって軍の精神病院送りに。時を同じくして、マッケイナの自宅へと郵送されたプレデターの装備品を息子のローリーが起動させたことにより、さらなる恐ろしい事態が発生するのだった……というのが簡単なあらすじ。

元祖『プレデター』の面白さは、姿の見えない正体不明な外敵によって屈強な特殊部隊員がひとり、またひとりと狩られていく恐怖にあるかと思うのですが、「光学迷彩によって隠れたところでもうみんな知ってんだろ?」ってことで今作のプレデターはめちゃ露出狂です。

このあけっぴろげなご開陳ぶりによって失われた大事なものも大きいのですが、それによって得た不純物もまた大きく、有用と無用の価値観の相違によってこの『ザ・プレデター』の評価は大きく分かれるのではないかと。無駄と無用を愛する狂気とでも申しましょうか。

ヘッポコ独立愚連隊

そうなんです。基本的にこの映画狂ってるんです。テレビも映画もどこもかしこもコンプライアンス重視のなかで、「過激で過剰に突き抜けていたあの頃を取り戻すのだ!」とか言いながら悪趣味エンタメ路線へと突き抜けた先に広がるあの頃でも今でもない謎の映画的空間。

予算8800万ドルというビッグバジェットでありながら、ヒットさせる気がないのかとすら思える容赦のない切り株臓物人体破壊描写によるR指定まっしぐらに、ボンクラ人間どもによるゆる~いコメディとブロマンスが展開する水と油の奇妙奇天烈な化学反応。

上手い下手で言ったらド下手であろう。脚本のご都合性なんかまあ酷い有り様じゃ。だというのにこの異様な面白さはいったいなんなんじゃろう?まっとうな社会からはじき出されたポンコツ人間どもがゆるんだ不真面目さで異形の怪物と戦う過程で見せる一瞬の狂い咲き。

軍の特殊部隊が宇宙最強ハンターであるプレデターと対峙するというプロットはオリジナルへのオマージュでもあるが、オリジナルがダッチ率いる精鋭部隊だったのに対して、こちらは正義の戦争によって精神をわずらったお尋ね者のポンコツ独立愚連隊。

正義の戦争によって癒しがたい心の傷を負い、居場所を失い、存在を葬られ、辛抱たまらずマ○コとチン○を叫びながら折り紙でヘタクソなユニコーンを折る悲しくも愛すべき人生のレールから外れた落伍者たち。これはオリジナルの面子とは似て非なるものだと言えよう。

近いのは『ワイルドバンチ』や『特攻大作戦』や『エグザイル/絆』であり、もっと言えば俺たちが本当に観たかった『スーサイド・スクワッド』ではなかろうか?そこに加わるのが『ザ・コンサルタント』を彷彿とさせる発達障害持ちの少年と、謎の戦闘スキルと好戦性を発揮してプレデターを追いかけ回す女性科学者。

そんな社会の常識とはかけ離れたヘッポコ集団がヘッポコなりに一致団結して宇宙最強ハンターへと挑むヘッポコな覚悟と最期の狂い咲き。この作品の主役はプレデターではなく彼らヘッポコ勇者たちであり、その命の炎の燃やし方には同じヘッポコとして涙を禁じえません。

癒しの人体破壊切り株祭り

それでは彼らに主役の座を奪われたプレデターは日陰者としてその存在感を失ったのでしょうか?いやいや、そんなことはありません。確かに孤高の宇宙ハンターとしての比類なき存在感は失いましたが、代わりにこれからに向けての多様性と可能性を手にしたとも言えます。

「プレデターってのはこういうもんだろ?」という既成概念をことごとくスルーしていく本作の戦略はそうとうな博打だとは思いますが、ボクはお約束をぶち壊す大博打が大好きです。わずかな可能性にかけて勝負に出るという構図は本作のヘッポコ集団ともシンクロしますしね。

まず何より、プレデターによる人体解体満漢全席怒涛のフルコースを味わえただけでも眼福至福のエクスタシーだと言えるでしょう。恐ろしく軽やかに、流麗に、サクサクと製造されていく人体破壊の切り株祭り。当代一流のシェフ、プレデター師匠によって提供される旨そうな断面と臓物と血しぶきのフルコース。これだけでもうお腹いっぱいだ。

さらにはそこに色どりを加える超進化形プレデター“アルティメット”の登場に、意味不明な扱いを受けるプレデタードッグという謎の薬味。う~んもはや原型となる味はどこぞやへと吹き飛んだが旨けりゃ構わん。何味かは知らんが旨いもんは旨いんじゃ!

しかもこの祭りには主人公の人間サイドまで参戦してくる始末。とりわけまさかの天才子役ジェイコブ・トレンブレイ参戦には衝撃が走りましたね。子供の人権を守る胴体風穴木っ端微塵のあまりに正しい倫理観と爽快感。悪趣味?不謹慎?コンプライアンス?うるせい!んなもんはプレデタードッグにでも喰わしやがれ!

がはははははは!

明日を生きる力

てなわけで、公開直後の作品だけになるべく重大なネタバレはやらかさずに、病んだ心を健全なる方向へと軌道修正しながらしたためてきた『ザ・プレデター』の感想、お粗末ながらこれにてお開きです。

切り株とボンクラと王道外しをこよなく愛するもの好きにとっての映画とも言える『ザ・プレデター』。ラストでは次なる展開もニオわす中二的ガジェットも飛び出しますが、はたして本当に次があるのかどうか?漏れ聞こえてくる評判では相当な苦戦を強いられそうな気が。

しかし、会社や学校で辛い環境に置かれているあなた。そんなあなたにこそこの作品をおすすめしたい。カマボコのように切り刻まれる手足に、噴水のように吹き出る血しぶきに、天からの贈り物として舞い降りる臓物に、きっと荒んだあなたの心は洗われ、病んだ精神は癒され、明日を生きる力を取り戻すことでしょう。

がはははははは!

個人的評価:7/10点

DVD&Blu-ray

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スパイクロッド

映画を観たらとりあえず感想とイラストを書く(描く)人畜無害な釘バット。ちなみにイラストはぺんてるの筆ペン一本によるアナログ描き。

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