『パディントン』感想とイラスト たどりついたらいつも雨ふり

映画『パディントン』のイラスト

最後にこのイラストを描いていて衝撃の事実に気づいてしまった。パディントンってほぼ『男はつらいよ』の寅さんやん!なるほど。この映画に存在したそこはかとない哀愁はそういうことだったのか!さくら~~!

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作品情報

『パディントン』
Paddington

  • 2014年/イギリス、フランス/95分
  • 監督・脚本:ポール・キング
  • 原作:マイケル・ボンド
  • 撮影:エリック・ウィルソン
  • 音楽:ニック・ウラタ
  • 出演:ベン・ウィショー(声)/ニコール・キッドマン/ヒュー・ボネヴィル/サリー・ホーキンス/ジュリー・ウォルターズ/マデリーン・ハリス/サミュエル・ジョスリン

参考 パディントン (映画) – Wikipedia

予告編動画

解説

ペルーからの移民、というか移獣(いじゅう)であるクマのパディントンの奮闘を描いたファミリー向けコメディ映画です。全世界で3000万部を売り上げている、マイケル・ボンドによる児童文学『くまのパディントン』を原作としております。

参考 Paddington Bear | パディントン ベア – パディントン ベア オフィシャルサイト

監督は主にイギリスのテレビで活躍していたポール・キング。パディントンの声を担当するのは『ロブスター』のベン・ウィショー。原作には存在しない悪役を『ドッグヴィル』のニコール・キッドマンが演じています。

あらすじ

「暗黒の地ペルー」から新たな住処を探してイギリスへと渡ってきた英語を喋るクマ(ベン・ウィショー)。彼はたどり着いた駅で親切なブラウン一家と出会い、新たなる名前“パディントン”を得、彼らの家に居候することとなる。

初めての都会暮らしは戸惑いの連続で、騒動を起こしてばかりのパディントン。しかしそれらの騒動を通してブラウン一家との絆はむしろ深まり、彼らに本当の家族として迎え入れられるのも夢ではなかった。

しかしそんなパディントンを付け狙う怪しい影が!博物館の剥製師ミリセント(ニコール・キッドマン)の目的は、ある復讐心からパディントンを捕まえて剥製にしてしまおうというものだった!

感想と評価/ネタバレ多少

2016年一発目の劇場鑑賞作品は、『クリムゾン・ピーク』にしようか?それとも『イット・フォローズ』にしようか?いやいや『ブリッジ・オブ・スパイ』?はたまた『白鯨との闘い』?などと思案しておったのですけど、まさかの『パディントン』となりました。

意外でしょう?ボクも意外です。でもいろいろとタイミングが合わなくてこうなっちゃたのですよね。ゲス野郎が新年一発目にファミリー向けコメディ映画を観る。それもまた一興。それではゲス野郎による『パディントン』評をお楽しみください。

意外と社会派?

原作の絵本は未読なのでよくわかりませんが、単なる子供向けではない意外と社会派な映画で驚きました。わけあって外国の地へと移住してきたクマの物語。要するにパディントンとは移民の象徴だったわけですね。クマだから移民ではなくて移獣(いじゅう)かな?

もっと言ってしまえば不法移民、もしくは天災が原因だから難民。そんな他国からわけあってやって来たよそ者が、いかにしてその国の人々に受け入れてもらうか?または受け入れる側はどうしたらよいのか?こういう現代的テーマを裏に潜ませた社会派コメディだったわけです。

その解決策はあくまで子供向けですので、誠実さや寛容さ、あるいは愛されるキャラクターといったあまり現実的ではないキレイゴトなわけですけど、こういう問題を考えるいいきっかけにはなるかと思います。

そして実は社会派な裏テーマだけではなく、雨のロンドンをひとりさまようパディントンの哀愁や、例の人が出ているのにやらかした『ミッション:インポッシブル』ネタなど、けっこう大人向けのネタが満載で侮れないのですこれ。

クマと雨のロンドン

ほんでまあ小難しいテーマはとりあえず横に置いといて、映画として、コメディとしてはどうだったのかと申しましたら、これも意外とよく出来た楽しいものでありました。

よくあるカルチャーショックネタなわけですけど、異文化に触れて突拍子もない行動や騒動を巻き起こしておきながら、あふれる愛嬌と無類の礼儀正しさによって周囲をなんとなく懐柔させてしまうという、パディントンのキャラクターが非常に際立っておりましたね。

画的な見せ方の面白さ、音楽の使い方などもセンスがよく、ロンドン観光映画としての側面も見逃せません。ロンドンの観光名所をきっちりとカバーしたうえで、ロンドンの代名詞ともいえる雨を効果的に演出してみせる。

パディントンの迷惑だけど愛らしいキャラクターを軸に、彼とブラウン一家との交流と騒動をロンドンという舞台、画的な見せ方と音楽のセンスまで付けて演出する。うん。中盤までは予想以上に楽しめた作品でした。

惜しかった点

残念だったのは後半の展開なのですよね。物語上、明確な悪役が必要だということで、原作には存在しない剥製師のミリセントが登場するのですけど、これが映画を非常にありきたりなものへと押し下げてしまっていた。

巨大な敵に一致団結して立ち向かうことによって家族としての絆を確立するという、お約束的展開の狙いは理解できるものの、そんなものがなくても十分に面白い、十分に心温まる映画だっただけに、こういうお約束がひどく無粋な蛇足のようにボクには思えました。

その剥製師ミリセントを演じたニコール・キッドマンも、生来の美しいけど怖い顔によってそれなりの悪役を演じてはいたものの、やっぱりキレイすぎるのですよね。もっとエロく汚れていただかないと。ってこれはゲスなおっさんの世迷い言でしたな。

映画の出来としては最悪でしたが、『101』のグレン・クローズ並みにハジけていたらもっと面白くなったと思うのですけどね。ただ彼女に『ミッション:インポッシブル』ごっこをやらせ、例のテーマ曲まで流すというお遊びはよかったです。ニコールよくOKしたよね。

これら大人向けのネタには随所でニヤリとしてしまいましたので、不満はありますがそれなりには楽しめました。ボクと同じゲス男には不向きな作品でしょうが、この手のファミリー向けコメディがお好きな方には満足していただけるかと思いますよ。

続編/『パディントン2』

普通に面白かったし世界的にヒットもしたようですので、たぶん続編も作られるだろうなと思っていたら、さっそく来年の1月19日に『パディントン2』がここ日本でも公開決定です。監督はポール・キングが続投する模様。

そして今回の悪役を務めるのは、イギリスを代表するロマンティックコメディの帝王ヒュー・グラントで、「落ち目の俳優」なんて形容されているあたりがなんとも身に染みます。この第1作が気に入った人はどうぞお忘れなく。ボクもいちおう観に行く予定ですよ。

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個人的評価:5/10点

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映画を観たからイラスト描いた

コメント

  1. 三十代父 より:

    五歳になる息子が2の予告編に興味を持っていたので、そういえば管理人さんが触れておられたなとこちらを確認、良さそうだったので借りてきて見せてみましたがなかなか好評でした。確かに後半が蛇足なのに中途半端な感はありましたが、ハント登りするシーン等は息子は食い入るように観ておりました。あまりはっちゃけるとそちらに持って行かれてしまって、本来の目的である、紳士的であることへの教えや、移民問題の提起を子供たちに届けることがぶれてしまうことを恐れ、バランスを取った結果なのだろうか、と思った次第です。

    • スパイクロッド より:

      三十代父さん、コメントありがとうございます!

      移民問題やまあ一種の道徳心と、ファミリー向けアドベンチャーとのバランスはやはり難しいところで、この『パディントン』は健闘していたとは思いますが大人の目から見ると多少は難点もありますよね。でも本来この手の映画が苦手なボクでも十分に楽しめた映画でしたので、お子さんやファミリーコメディ好きにはかなりウケのいいシリーズではないかと思います。続編も同じく天邪鬼なボクには難点が盛りだくさんではありましたが、前作に負けず劣らずの良作だとは思いますので、ぜひこちらもお子さんに機会がありましたら見せてあげてください。彼が喜んで、楽しんで、そこから多くのことを学んでくれることが大切でありますから。