『デッド・サイレンス』感想とイラスト ワンさん人形となんかあったん?

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映画『デッド・サイレンス』ビリーのイラスト

薄ら笑いを浮かべた瞳孔ガン開き腹話術人形がギギギと動くとき、恐怖にひきつった生贄どもの絶叫がとどろき、メアリーの食卓にはタンが並ぶ。せやけどワンさん人形好きでんなぁ。なんぞありましたん、人形と?

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作品情報

デッド・サイレンス

  • 原題:Dead Silence
  • 製作:2007年/アメリカ/89分
  • 監督:ジェームズ・ワン
  • 脚本:リー・ワネル
  • 撮影:ジョン・R・レオネッティ
  • 音楽:チャーリー・クロウザー
  • 出演:ライアン・クワンテン/ドニー・ウォールバーグ/アンバー・ヴァレッタ/ボブ・ガントン

参考 デッド・サイレンス – Wikipedia

予告編動画

Dead Silence Official Trailer #1 – Ryan Kwanten, Bob Gunton Movie (2007) HD

解説

自宅に怪しい腹話術人形が送られてきたことをきっかけに、最愛の妻を惨殺された男が、事件の真相を探るうちに呪われた過去へと接近していくというサスペンスホラーです。

監督と脚本は『ソウ』で一世を風靡したジェームズ・ワンとリー・ワネル。主演は『7500』のライアン・クワンテン。共演には『ソウ2』のドニー・ウォールバーグ、『ダブル・ミッション』のアンバー・ヴァレッタ、『ショーシャンクの空に』のボブ・ガントンなど。

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感想と評価/ネタバレ多少

傑作『アクアマン』によって落ちこぼれDCEUを救った男ジェームズ・ワン。でもこの人の主戦場ってホラー映画なのね。んでもってホラー映画大好きな当ブログとしては「こりゃ外せん」ってことで、ジェームズ・ワンも全作レビューしたいと急に思い立ちました。

思い立ったら吉日ということでまず手始めに紹介するのは、ワンの作品のなかでもいちばん人気、評価ともに低いであろう2007年の『デッド・サイレンス』。そんな映画から紹介する時点で精神がいがんでおりますが、いまさらまっすぐにも伸びんのんでいがんだまんまで生きてゆく所存。

ワンさん人形となんかあったん?

ジェイミーとその妻リサの自宅に届けられた、差出人不明の不気味な腹話術人形。その夜、言い知れぬ不安を抱えながら外出先から帰宅したジェイミーが目撃したものは、舌を切り取られて惨殺された最愛の妻リサの壮絶なまでの死に顔だった。

追い討ちをかけるように事件の第一容疑者とされてしまったジェイミーは、妻の死の真相を、自らの潔白を証明するため、わずかな手掛かりをもとに故郷レイブンズ・フェアを訪れ、そこで謎の腹話術師メアリー・ショウにまつわる呪われた過去を知るのだった……ってのが簡単なあらすじ。

監督デビュー作の『ソウ』でも人形を恐怖のモチーフとして使用し(本作にもチラッと登場)、『死霊館』でも史上最も呪われた人形アナベルをメインにスピンオフを大量製作したジェームズ・ワンは、なんぞ人形に対して拭いきれないトラウマでも抱えておるのでしょうか?

そんなトラウマ腹話術ホラーで思い出すといえば、リチャード・アッテンボロー監督、アンソニー・ホプキンス主演による1978年の『マジック』。気弱な腹話術師の孤独へと迫った心理スリラーの傑作ですが、本作『デッド・サイレンス』は純然たるオカルトです。

共通しているのは人の姿を模した物言わぬ無機物の不気味さですよね。チャッキーみたく表情豊かに躍動させる手もアリですが、やはり真に怖いのは暗闇のなかでただ鎮座している、物言わぬ張りついた微笑とガン開きの瞳孔。それがギギギと微動している塩梅が良いのです。

引くべきところは引き、攻めるべきところは攻める。ワンはあまり無駄なスカシを好まず、最初からガツンと怪異を、人体破壊を、恐怖を現出させてくれる良心的な監督なのですが、殺害シーンは引きながら殺害後の顔面崩壊は接写する、押して引いてがこの頃から非常に巧み。

怪異が起こる前触れとして、ひとつひとつの音が空間へと吸い込まれてありえない静寂が訪れるという演出も、「さ~て皆さんお待ちかね!ここからおかしなことが起こりますよ!」と知らせてくれる親切設計で、最後には主人公までその親切さに言及するのが面白いですよね。

恐怖シーン以外でも観客を飽きさせない、眼球記憶から眼球記憶へ、絵から現実へ、過去への跳躍など、細かい映像演出にこだわった無駄な努力(無駄が大事)がジェームズ・ワンらしく、久々に観たらけっこう面白くて新鮮でした(単に忘れてただけとも言う)。

ほななんでいまいち人気がないのか?その原因はやはり脚本の雑さでしょうな。声を失った腹話術師メアリー・ショウと、その原因となった主人公一族との因縁に端を発するオカルト事象を、適当なミステリーとして引っ張った挙句のお粗末な真相。ここがネック。

ゆえに途中で物語に対する興味が急速にしぼんでしまうのだが、それを最後のオチによって見事に挽回しようと目論むのはやはり『ソウ』の柳の下か?どんでん返しとしてはなかなか鮮やかではあるものの、こういう作劇は正直あまり好きではない。『ソウ』もしかり。

ジェームズ・ワンはリー・ワネルと絡んでないときのほうが面白いと思うのだが、どうだろうか?同時期に公開されてシリーズ化された『インシディアス』と『死霊館』でも、明らかに『死霊館』シリーズのほうが出来がいいしね(スピンオフは除く)。

『ソウ』の成功による弊害と模索のバランスがいまいち上手く取れていない、過渡期的な忘れられた中途半端ホラーが本作『デッド・サイレンス』なのだと思います。そんな呪縛を振り払おうと別路線へと挑んだのが、同年公開の監督第3作目『狼の死刑宣告』なのかも。

てなわけで、次はその『狼の死刑宣告』を近いうちにでもレビューしようかと思っております。その「近いうち」がいったいいつになるのかは、いい感じに精神いがんでおるので約束できません。いがみすぎて結局やらなかったりしてね。そんときはもういい感じに忘れてやってくださいな。

個人的評価:5/10点

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