『マザー!』感想とイラスト 地獄へ落ちろ人間ども!

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映画『マザー!』ハビエル・バルデムのイラスト(似顔絵)

郊外の「家」で暮らす夫婦のもとを訪れる迷惑な来訪者たち。彼らによって傷つけ、汚され、殺されようとしている「あたしんち」。外道!貴様らこそ悪魔だ!地獄へ落ちろ人間ども!

目次

『マザー!』感想とイラスト 地獄へ落ちろ人間ども!

  1. イラスト
  2. 作品データ
    1. 予告編動画
  3. 感想と評価/ネタバレ有
    1. とりあえず結論から
    2. 心理不安「家」映画
    3. 旧・新約聖書の再現
    4. 解釈自在な性悪映画
    5. 胸糞円環ぐ~るぐ~る
    6. 追記/黄色いお薬の謎

作品データ

『マザー!』
Mother!

  • 2017年/アメリカ/121分/PG12
  • 監督・脚本:ダーレン・アロノフスキー
  • 撮影:マシュー・リバティーク
  • 出演:ジェニファー・ローレンス/ハビエル・バルデム/エド・ハリス/ミシェル・ファイファー

参考 マザー! – Wikipedia

予告編動画

感想と評価/ネタバレ有

郊外の一軒家で暮らすスランプ気味の詩人とその妻。彼らの自宅に続々と現れる謎の訪問者たちの狂乱によって崩れていく夫婦の愛を描いたサイコスリラーです。監督は『レクイエム・フォー・ドリーム』『レスラー』のダーレン・アロノフスキー。

とりあえず結論から

2018年1月19日に日本でも公開が予定されていながら、配給元のパラマウントの意向によって突如公開中止となった『マザー!』。その理由はいろいろと推測されておりますが、詰まることろこんな内容では興業がおぼつかないとパラマウントが判断したのではないでしょうか?

「そんなに酷い映画なのか?」と思われるかもしれませんが、人によっては意味不明のドタバタ劇が続く駄作、人によっては難解不条理爆笑宇宙規模的ブラックホラーコメディとしてひきつけを起こすぐらいに面白い傑作、として認知されるなんとも扱いが難しい作品なのです。

ちなみにボクは後者でありまして、天才ダーレン・アロノフスキーが見事に復活を果たした傑作であると断言しておきましょう。ネタバレ抜きには語れない映画なので、その理由をネタバレ全開で阿呆のように書き殴っていきますよって、未見の方はどうぞまた後日。

心理不安「家」映画

郊外の一軒家でふたりだけの生活を送る詩人とその妻。ある日そこにひとりの男が現れる。妻は男の言動を不審に思うが、夫は男を快く迎え入れる。後日、男の妻が、その息子たちが、さらには親類縁者、友人までが訪れ、夫婦の生活はにわかにかき乱されていくのであった……。

てな感じの不条理きわまりない展開がおもろおそろしい衝撃の超問題作『マザー!』。一軒の家を舞台にして不条理に追いつめられていく人間の姿には、必然的にロマン・ポランスキーが想起されます。『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』『テナント/恐怖を借りた男』。

この『マザー!』がそれら心理不安アパート映画三冠王から影響を受けているのは明白です。明らかに『ローズマリーの赤ちゃん』を意識したパロディポスターなんかも作られていましたからね。一軒の家のなかでなんだかよくわからない不安と恐怖に押しつぶされていく悲喜劇。

その笑いと不安と恐怖を踏襲しながら、ただの真似事ではない深遠で壮大で現代的な多面性を盛り込んできたこの『マザー!』は、ホントにいろんな見方ができて底が知れません。しかしその枝葉の幹は一本筋が通っており、そこさえ押さえてしまえば一気に視界は開けるかも。

旧・新約聖書の再現

ではそのぶっとい幹とは何かと申しますと、これが登場すると我々日本人はいつも頭を抱えてしまうキリスト教なのでありますね。この『マザー!』という映画はキリスト教の教典である旧約聖書と新約聖書を下敷きにしておるわけです。そらもう律義なまでに。

律義すぎてボクのようなキリスト教音痴でもその暗喩に気づいたほどですので、そういう意味では非常にわかりやすい映画であるとも言えます。そのへんの解説はボクよりはるかに詳しい方々が記事にしているとは思いますが、いちおう音痴なりの簡単な解説を。

  • 夫(ハビエル・バルデム)は神(創造主)であり、母なる大地である地球=妻(ジェニファー・ローレンス)を創造する。
  • 彼らの家を最初に訪れる男(エド・ハリス)はアダムであり、翌日現れた妻(ミシェル・ファイファー)はイブである。夫と男が飲み明かしたときに男の脇腹に傷が出来ていたのは、おそらくはアダムの肋骨からイブが造られたことのメタファー。
  • 男と女は夫婦の言いつけを守らず、夫が大事にしていた想像の根源であるクリスタルを破壊し、家(楽園)からの追放を命じられる。これはそのまま禁断の果実を口にしたアダムとイブの楽園追放を模しており、その直後にセックスしているのも象徴的。
  • 次に現れる男と女の息子たちは遺産相続でもめており、取り分の少ない兄は弟を惨殺。これはアダムとイブの息子カインとアベルによる人類最初の殺人の再現。
  • 死んだ弟を弔うため、親類縁者、友人を集めてなぜかこの家で開かれる傍若無人な葬式パーティで起こる水害は、アロノフスキーの前作「ノアの方舟」であり、堕落した人間たちは神の逆鱗に触れる。
  • しかし彼らの乱痴気騒ぎに刺激されて燃え上がった夫婦は久々に結ばれ、電光石火で子供を授かる。これはすなわちイエス・キリストの誕生であり、旧約聖書から新約聖書へのバトンタッチが行われる。
  • 創造する意欲を取り戻した夫は新作(新約聖書)を出版して大ヒット。多くのファン(信者)たちを獲得し、大挙して押し寄せた彼らを妻の制止も聞かずに家へと招き入れてしまう。
  • ここで繰り広げられる破壊、暴力、迫害、戦争は過去から現在までの人類の歴史そのものであり、自然を、世界を、地球を蹂躙し尽くしていきます。
  • そんななかで誕生した神の子イエス。しかし幼き神の子は真の教えを理解しない堕落した人間たちによってポキッと首の骨をへし折られ、その血と肉をむさぼり喰われます。これもイエスの言葉を曲解した信者たちに対する皮肉でしょう。
  • 我が子を殺され、喰われ、「売女!」と罵られ蹴りまくられた妻はついに怒り狂い、我が身もろとも愚かな人類を焼き尽くし、楽園となるはずであった家=地球は滅亡するのでありました……。

解釈自在な性悪映画

旧・新約聖書の流れをなぞりながら、母なる女性(大地・地球)に人間どもが心理的な抑圧と肉体的な暴行をひたすら加える超絶胸糞映画、これが『マザー!』の一本筋が通ったぶっとい幹だと思われます。多くの批判にさらされたのはこの露骨な宗教的暗喩にあるでしょう。

禁断の果実によって知恵を手に入れた人間の文化が、自然を、世界を、地球を蹂躙し尽くす蛮行を、ひとりの女性に対する虐待というかたちで描き出したわけですから。「これがお前らの姿だ!」と言っているようなもんですし、神の立ち位置としてもそうとうヤバいです。

才能が枯渇したED持ちの優柔不断で女をとっかえひっかえしている薄ら笑いの元おかっぱ殺人鬼。「神への冒涜だ!」とお怒りになる敬虔なキリスト教徒がいても不思議ではありません。しかしこの元おかっぱ殺人鬼、神以外の暗喩もあるような気がしてなりません。

それはダーレン・アロノフスキー監督自身の投影。彼も映画という芸術を創造する神のひとりであり、その苦悩や喜び、誤解、天命といったものをおかっぱ神に仮託した言い訳映画だったのでは?それなら撮影時の恋人ジェニファー・ローレンスを主演に据えたのも納得です。

この監督自身の投影というスタイルは、先にその影響を挙げたロマン・ポランスキーともつながりますが、同じく『反撥』の影響下にあると思われる『イレイザーヘッド』との共通点も見逃せない点で、あちらが父になる恐怖映画ならこちらは母になる不安映画と言えるでしょう。

それをあのような不条理な悪夢として描いたとも取れますし、男女間における愛の違いを描いていたような気もしますし、もちろん監督言うところの環境破壊糾弾映画だとも思えます。つまりはいまだに正体がつかめない謎映画。う~んなんたるたちの悪さ(褒め言葉)。

胸糞円環ぐ~るぐ~る

さらにこの映画のたちが悪いのは、頭とお尻がきれいにつながった円環構造を成している点。すべてを業火によって焼き尽くしてもまだ死にきれない妻は、夫からの最後の懇願、お前に残った「愛」を俺によこせと言われ、焼け焦げた胸から心臓を引きずり出されるのです。

その心臓をむぅぎゅぅうと握りつぶし、新たなクリスタルを生成した夫は、薄ら笑いながらそのクリスタルを台座に設置し、新たな家を、新たな妻を迎え入れ、新たな楽園を創造しようと薄ら笑うのでありました。これによってオープニング映像の意味が判明します。

つまり、この元おかっぱ神はもう何度も何度も楽園を造っては壊し、造っては壊しを繰り返しているポンコツ神だということ。いや、楽園とは永遠に完成しない見果てぬユートピアだとも言え、いま我々が暮らしているこの世界もまさにその失敗例のひとつだということ。

ここで繰り広げられた狂乱は現実世界の生き写しであり、その破壊と再生はエンドレスな無間地獄であり、神はそんな狂った箱庭のなかで同じ過ちを繰り返す阿呆であり、人類はそんな阿呆によって創造されたポンコツであり、地球は終わりなき虐待を受け続ける生贄である。

いや~ホントに最後の最後まで人を嫌な気持ちにさせてくれる傑作胸糞映画で、胸糞映画愛好家としては反吐が出るぐらいに大好きな作品だと言えましょう。確かに難解、不条理、不快で不安な観る人を選ぶ超問題作かもしれませんが、好きな人は血反吐が出るぐらい好きかも。

たとえその意味が理解できなかったとしても、主体である妻とともに疑似体験させられる不条理な地獄絵図は、気持ち悪くも気持ち良い最低最高のアトラクションとしてその脳裏に刻み込まれるでしょうから。そしてまたそれを体験したくなる。ああ~Blu-ray買っちゃいそう!

追記/黄色いお薬の謎

この映画で最後までその意味がわからなかったのが、ジェニファー・ローレンスがたびたび口にする黄色い粉末を水に溶かした何かの薬のようなもの。あれの意味がさっぱりこってりわかりません。監督も「墓場までもっていく」とかなんとか大仰なことを言っている模様。

彼女が心理的な苦痛を感じたときに服用していることや、ミシェル・ファイファーとの会話で痛み止めうんぬんというのもありましたから、あれが彼女の心理的、または肉体的な苦痛を緩和させるための道具だということはわかりますが、それの何がそんなにヤバいのか?

アメリカの作家シャーロット・パーキンス・ギルマンの『黄色い壁紙』からインスパイアされたものだとする見解が強いらしいのですが、その小説も読んだことがないのでやっぱりこってり意味不明。う~んこれもつまり女性への抑圧を強調する一要素なのかな?

ボクにはあの黄色いお薬は栄養ドリンク一気飲みしたあとの我がの小便にしか見えません。んでもってこの映画が監督自身を投影させたものだと解釈するならば、あれはダーレン・アロノフスキーの性的な趣味、そう、スカト……………とっと、失礼いたしました。

参考 黄色い壁紙 – Wikipedia

個人的評価:9/10点

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コメント

  1. 加藤 より:

    町山さんの解説をそのままパクってるんですね。。

    • スパイクロッド より:

      加藤さん、コメントありがとうございます!

      残念ですけどボク町山さんの解説は聞いてません。お金払ってまで人の映画解説聞くなんて性分ではありませんし、自分の感想書くまで他人の意見はなるべく入れないようにしてますので。でも似てるんだとしたらそりゃ光栄な話ですけどね!こんな素人映画ブロガーがプロの映画評論家と同じようなこと書いてんだとしたら痛快じゃね!?あざっす!

      • 加藤 より:

        わたくしお金を払って聞いたとは一言も書いてませんが。。

        墓穴掘っちゃいましたね。
        町山さんのムダ話知ってる証拠。

        引き合いに出してる映画や本やら全て一緒だし、引用するなら今後はもう少し変えていきましょう!

        • スパイクロッド より:

          あのねぇ加藤さん、映画好きなら町山さんのポッドキャストぐらい誰でも知ってますよ。でもね、みんながみんなそれ聞いてると思ったらこれまた大間違いだから。ボク別に彼の信者じゃないから、ポッドキャストも映画秘宝も実は一回も購入したことないのよ。何冊か著作を読んだことあるだけ。だいたい考えてもみなさい。ボクのブログのコメントはすべて承認制なのよ。やべ!痛いところ衝かれた!と思ったら加藤さんのコメントなんて承認せずに最初から削除するって。それをなぜわざわざ承認して開示したのかよ~く考えてみなさい。

          でもあれだね、引き合いに出してる映画やら本やら町山さんと全部一緒って、やっぱこれってけっこう痛快じゃね!?あざっす!

  2. 加藤 より:

    スパイクロッドさん

    ここまで開きなおられると気持ちいいですね!

    わたし、読んだとも聞いたとも書いてないのになんで「お金払って聞く」なんてムダ話聞いたってわかったのでしょう?
    それは当事者にしにか分からないことですもんね。

    たまむすびやら映画塾やら雑誌やらに批評してるのになんでお金払って聞くってわかったのでしょw

    自分でネタバレ 言っちゃいましたね。。

    承認してやっとおっしゃってますがあからさまな盗用と稚拙でテンパってる文章からすると学生さんかな??

    イラストはお上手ですね!
    これからも評論頑張ってぐださい!

  3. 加藤 より:

    ちなみにこのサイトにはもうアクセスしないので変身不要です。

    あざっす!

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