『貞子vs伽椰子』感想とイラスト 私たち結婚します!

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映画『貞子vs伽椰子』のイラスト

『リング』貞子と『呪怨』伽椰子。日本を代表するホラークイーンがついに激突!はたしてその結末は?ええ!まさかこれって、心和む感動のハッピーエンド!?

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作品情報

貞子vs伽椰子

  • 2016年/日本/99分
  • 監督・脚本:白石晃士
  • 撮影:四宮秀俊
  • 音楽:遠藤浩二
  • 出演:山本美月/玉城ティナ/佐津川愛美/安藤政信/菊池麻衣/甲本雅裕

参考 貞子vs伽椰子 – Wikipedia

予告編動画

解説

日本女子ホラー界を代表する二大バケモノ、『リング』貞子と『呪怨』伽椰子がついに相まみえる!という世紀の対戦が実現した夢のようなホラー映画です。

監督と脚本は『オカルト』の白石晃士。主演は『去年の冬、きみと別れ』の山本美月と『地獄少女』の玉城ティナ。共演に『ヒメアノ~ル』の佐津川愛美、『アドレナリンドライブ』の安藤政信など。

あらすじ

今も残る二大都市伝説。「呪いのビデオ」と「呪いの家」。ひょんなことから本物の「呪いのビデオ」を見てしまった親友の夏美(佐津川愛美)を救おうと奔走する、女子大生の有里(山本美月)。

最後の望みとしてたどり着いたのが、異端の霊能者である常盤経蔵(安藤政信)だった。時を同じくして、入ったら絶対に死ぬ「呪いの家」へと足を踏み入れてしまった女子高生の鈴花(玉城ティナ)。

そんなふたりの呪いを解くために経蔵が立てた驚愕の作戦とは、呪いの主である貞子と伽椰子を激突させ、同時消滅させてしまおうというものだった!

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感想と評価/ネタバレ有

魔法少女と魔法少女が雌雄を決する『マジカル・ガール』。己の正義と正義がぶつかり合う『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。神様と女神様が喧嘩をする『神様メール』。サイコパスとサイコパスが相まみえる『クリーピー 偽りの隣人』。

そして今回、バケモノとバケモノがついに正面衝突する『貞子vs伽椰子』の登場であります。日本が誇る二大ホラー女王のガチンコバトル。しかしボクっていわゆるジャパニーズホラーがあまり好きじゃないの。言うほど観てないの。

『リング』シリーズは『貞子3D』からは完全に無視していたし、『呪怨』シリーズに至っては1作目しか観ていない。いわゆる日本的怪談話にほとんど恐怖を感じない体質なのです。そんなボクが『貞子vs伽椰子』をどう観たか?それではさっそく感想をば。

意外とちゃんとしてる

正直ホラー映画としてはそんなに怖くありません。まあ呪いだとか白いワンピースのオバケだとかに何ほどの戦慄も覚えない特異体質だからなのですけど、このふたつの呪いが都市伝説化しているという前振りは面白かったですよね。なんか現実的で。

そして、この呪いへと捕らわれていく貞子パート、伽椰子パートともに意外としっかりとした作りでして、出し惜しみをしないド直球の恐怖描写にも好感がもてます。焦らして焦らしてウッフ~ン♡なんかじゃない、電光石火のご開陳。

特に年中パンイチが不憫でならない俊雄君の無双ぶりは圧巻でしたよね。無敵です。ここにおいては無敵で標的の首を持っていくのです。そんな電光石火の俊雄君と、ちょっとだけ時間短縮してくれた貞子嬢によって、この映画はとってもテンポがいいのです。

双方のシリーズに対して一定のリスペクトを示しながら、テンポよくふたつの展開を同時進行で見せていく正統派ジャパニーズホラー。いい仕事してますね。しかしこの映画の真骨頂はここから。オリジナルにいちおうの敬意を示したここからなのです。

加速度的にぶっ壊れた

貞子LOVEな大学教授の森繁によって連れてこられた謎の寺。そこに鎮座するモノホンの霊能力者だと豪語する友近のなりきり芸的な法柳先生。彼女の登場によってこの映画のちゃんとしていた状況は一変してしまうのであります。

この人のうさん臭さは只事ではないのですけど、その除霊方法がまた常軌を逸していてとっても和みます。貞子の呪いにかかってしまった夏美嬢を襲う執拗な水責め、そして強烈な平手打ちの嵐。ああ~なんて和む光景だろうか。

ボクも含めてあまりに和みすぎて周りからも失笑が漏れておりましたね。法柳先生の趣味なのか、監督の白石晃士の趣味なのかはわかりませんが、この水責め平手打ちの刑をひとつの契機として映画は加速度的にぶっ壊れていきます。

もう首がどえらいことになったり、光の速さで繰り出された法柳先生のチョーパンによって壮絶な無駄死にが発生したり、愛していた親友から「てめえのせいだこのドブスが!」と詰め寄られたりで、ああ~和む、和むわ~って感じなのです。

調子に乗ってネタバレだ!

そんな和む展開の最終兵器が、経蔵と珠緒という謎の霊能力者コンビの登場であります。漫画的と言ってしまえばそれまでですが、このふたりがキャラ立ちしまくりでホントに面白いの。「この人すごい無駄死にだね~」なんて発言はホント和むわ。

そして経蔵氏がこの難題に対して叩き出した驚愕の事態収拾プラン。「バケモノにはバケモノをぶつけんだよ」宣言。キャー!カッコいい~!ぶつけてぶつけてバケモノを!それで事態が収拾するとはまったくもって思わんが面白そうだからぶつけて~!

正統派かと思わせたジャパニーズホラーの殻を粉々にぶち壊しにかかる、経蔵&珠緒のポンコツ霊能力者コンビ。こういう口と恰好だけでてんで役に立たないポンコツって大好き。この霊能力者コンビでスピンオフ作っても絶対に面白そうですよね。

と思ってたら経蔵さん、穴ぼこだらけの作戦の責任をとってあっけなく上半身と下半身がさようなら。珠緒ちゃんもたぶんさようならしたんでしょうね。ネタバレですよ。もう公開からかなり経っちゃったんで、調子に乗って全部ネタバレするよ~。

バケモノの百合的結婚映画

あまりに杜撰な経蔵さんの作戦によって、ついに相まみえることとなった貞子と伽椰子。知らぬ間に獲得したらしい新能力なども互いに披露し合いながら、「あちきの獲物を取るんじゃねぇ!」と壮絶なプロレスを展開するご両人。心の底から和みますなぁ。

このふたりの勝敗ははたして決するのか?するわきゃないわね。どっちに転んでも問題がいろいろと出ちゃう。ほんじゃまあ両者に花を持たせるということで合体させちゃいましょう。おおう!なんて思いきった決断!ブラボー!

というわけで、ここにジャパニーズホラーのニューヒロイン“貞椰子”誕生!互いの実力を認め合い、生前の痛みを共有し、恨みの深さを分かち合い、「あちき、あんたとだったらやっていけるかも!」と祝福のファンファーレを高らかに鳴らす。

おおう!なんて心和む素敵なハッピーエンドなんだ!正直ホラーとしてはまったく怖くなかったが、爆笑コメディ、バケモノ同士のガチンコバトル映画、そして百合的要素を孕んだ珠玉のハッピーエンドとしては文句ないぞ!こいつぁ結婚映画だ結婚映画!

そんなふたりの結婚を祝う珠玉のウェディングソング、限定復活した聖飢魔II による『呪いのシャ・ナ・ナ・ナ』。ボクの前に座っていた女性はこの曲のあいだず~とヘドバンしておりました。あんた最後の最後まで和んでるねぇ~。

個人的評価:7/10点

主題歌/聖飢魔II『呪いのシャ・ナ・ナ・ナ』

DVD&Blu-ray

貞子vs伽椰子 プレミアム・エディション Blu-ray
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

VOD・動画配信

『貞子vs伽椰子』が定額見放題なおすすめ動画配信サービスはU-NEXT、プライム・ビデオ、Netflix(2020年4月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

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スパイクロッド

映画を観たらとりあえず感想とイラストを書く(描く)人畜無害な釘バット。ちなみにイラストはぺんてるの筆ペン一本によるアナログ描き。

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コメント

  1. 猫騙 より:

    この映画観てないけど、感想を読んで大爆笑してしまった!
    今度DVDレンタルして観ます。

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      猫騙さん、コメントありがとうございます!

      ボクの駄文なんぞ比較にならないほどいい意味で振りきれた怪作ですので、ぜひとも観てみてください!きっと大爆笑していただけるはず!