俺のブス面を笑うリア充どもは許さねえ!熟女好きの何が悪い!ちゃんと金払ってんだこっちは!っていうか金返せよこの野郎!
作品情報
ファンハウス/惨劇の館
- 1981年/アメリカ/96分
- 監督:トビー・フーパー
- 脚本:ラリー・ブロック
- 撮影:アンドリュー・ラズロ
- 音楽:ジョン・ビール
- 出演:エリザベス・ベリッジ/ショーン・カーソン/クーピー・ハッカビー/マイルズ・チャピン/ラルゴ・ウッドラフ
解説
バカなガキどもがお化け屋敷でギャーギャーわめいて迷惑千万なホラー映画です。
監督は『悪魔のいけにえ』『悪魔の沼』のトビー・フーパー。主演は『アマデウス』のエリザベス・ベリッジ。そのほかの出演者はまったく知りませんが、なぜかここでも『ファントム・オブ・パラダイス』のウィリアム・フィンレイが出演。しかしこれがまたひどい扱いなの……。
あらすじ
とある田舎町のカーニバル。そこへと遊びにやって来た2組のカップルが、ちょっとした肝試し感覚からお化け屋敷で一夜を明かすことを計画。しかし彼らがそこで見たものは、血も凍るような惨劇であった!
感想と評価/ネタバレ多少
久々に鑑賞した『悪魔の沼』のついでに、実は未見であったこの作品にも気軽に手を出してみました。結果、何も考えずに出した自分の手をちょん切ってやりたくなりましたね。
すべてを観ているわけではありませんけど、トビー・フーパー映画における最大の地雷案件ではないでしょうか?
血も凍らないスラッシャー映画
あらすじではそれっぽいことを書いてみましたが、最後の一節は完全なる嘘八百。でもこうしないとあらすじっぽくならないので、詐欺を承知でやってみましたよ。まったく血なんて凍りませんから!
そういう意味では非常に安心して観ていられるスラッシャー映画のたぐいかもしれませんね。ってそんな安心安全スラッシャー映画あかんがな!
前半の雰囲気だけは合格点
冒頭の『サイコ』を臆面もなくパクッた演出はかのブライアン・デ・パルマを彷彿とさせ、「なるほどなるほど。いきなり軽くかましてきやがったなトビー・フーパー」とニヤリとしたものの、まあここから最初の惨劇が行われるまでの長いこと、長いこと。
ここで挫折してしまったであろう皆々さまに激しく同意いたしますが、そのあとにようやく訪れた惨劇なるもののヌルさをいま思えば、むしろこの映画最大の見せ場はここにこそあったのです。
不気味な老女。奇形を揃えた見世物小屋。吠える犬。ショットガンをかまえる闇夜の親父。ドラキュラ仕立てのマジックショー。なんとなく嫌な雰囲気。何かが起こりそうな予感。何もかもが怪しく映る。
惨劇の前フリとしてはまずまずの合格点でしょう。無駄に長い点を除けば。何より主人公の弟の異世界探検的な道行きはこの映画唯一の白眉といえます。「もうちょっとこれを活かせてたらなぁ…」と残念でなりません。
何を頼りに観ればよいのやら?
『13日の金曜日』をはじめとするスラッシャー映画よろしく、「非リア充によるリア充許すまじ!」という怨念がそれこそ明確に打ち出された映画ではあるのですけど、なにぶん恐怖描写がこけおどしすぎて「やれ!やれ!リア充をぶちのめせ!」とならないのがつらいところ。
恐怖の対象がお化け屋敷の親父とその奇形の息子だけという小者感全開なのも痛いところです。カーニバル全体が魔の巣窟だったらもうちょっとは面白かったのに。
この手の映画のアホな主人公たちに共感できないのはいつものことですが、それにしても今回の奴らはひどすぎる!「ギャーギャーギャーギャー!」うるさくてとにかく耳障りなだけですわ。どさくさにまぎれて他人のなけなしの金もくすねるし。
かえすがえすもあの弟君の雑な扱いが残念でなりませんね。もうちょっと有効活用できていたら映画に変化も生まれてたのに。
デビュー作はとっても大事
才気闊達だったインディーズ作家が、スタジオシステムに取り込まれていく過程を見せられているような痛々しさが見え隠れする作品で、メジャーでやっていくことの難しさをあらためて痛感いたしましたね。
まあこのあとに『スペースバンパイア』と『悪魔のいけにえ2』によって一瞬の狂い咲きを見せるものの、やはり『悪魔のいけにえ』は超えられず。デビュー作が偉大すぎるのも考えものですわな。
個人的評価:2/10点
コメント
これはたしかにレンタルしたら、DVD投げつけて割ってしまうかも…なレベルでした(笑。
クーンツが書いたノベライズはそこそこ読めるので、機会あればどうぞです。
ゆきやままさんコメントありがとうございます!
あの『悪魔のいけにえ』の天才がなぜ!?という出来でしたよね。まあデビュー作があまりに偉大すぎるとその後は苦労しますわな。ノベライズ版の存在は知りませんでした!そんなものもあったんですね!