『レジデント』感想とイラスト 今夜は特製ニノスシチュー

映画『レジデント』のイラスト

珍しい北欧を舞台としたゾンビ映画。でもね、いつまでたってもゾンビが出てこないの。まさかこのまま最後まで出さないつもり?いや、それはそれでアリだったような気が……。

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目次

『レジデント』感想とイラスト 今夜は特製ニノスシチュー

  1. 作品データ
    1. 予告編動画
  2. 解説
    1. あらすじ
  3. 感想と評価/ネタバレ有
    1. 慎ましいゾンビ映画
    2. ゾンビにまつわる家族の肖像
    3. 守るべき最後の砦

作品データ

『レジデント』
Sorgenfri/What We Become

  • 2015年/デンマーク/81分
  • 監督・脚本:ボー・ミケルセン
  • 撮影:アダム・フィルプ
  • 音楽:マルティン・ペダーセン
  • 出演:ベンジャミン・エンジェル/トールス・リュービュー/ミレ・ディーネセン/エラ・ソルゴード/ マリー・ハマー・ボーダ

予告編動画

解説

あえて見せない焦らし戦術を突き破る若者の善意が引き起こした最悪の結果は糾弾されないという、デンマーク発のゾンビ・パニック・ホラーです。

監督は短編をシコシコとこさえていたらしいボー・ミケルセンというお方で、おそらくはこれが長編デビュー作かと思われます。出演陣はもちろん誰ひとりとして存じ上げておりません。「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。

あらすじ

デンマークの首都コペンハーゲンから少し離れた閑静な住宅街。おだやかな日常が流れていたはずのこの地域に、突如として不穏な空気が漂い始める。消えた死体。原因不明の感染症。街を慌ただしく行き交うパトカー、救急車。この街でいったい何が起きているのか?

ほどなくして街は制限区域となり、軍による厳戒態勢が敷かれ、住民たちは家の中から出ることを許されなかった。黒いカーテンで覆われた向こう側で響く銃声。恐ろしいことに、軍はこの街の感染者をあぶり出しては一か所に集め、なんと銃殺していたのだった!

感想と評価/ネタバレ有

今回紹介する『レジデント』は、『アブノーマル・ウォッチャー』『FOUND ファウンド』に続く「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品です。しかし劇場で観たわけではなく、今回もタイミングが合わずにレンタルDVDでの鑑賞と相成りました。

実はもう一本『ダウンヘル』という映画も観たのですけど、これはもうあまりにひどすぎて感想書く気が起きませんでした。結局、未公開な理由のほとんどは「観るに堪えない」からだと悟った「未体験ゾーンの映画たち2017」。そんなに無理して追いかけることもないかな?

今回鑑賞した『レジデント』ははたして観るに堪えたのか堪えなかったのか?それではさっそくその感想をば。

慎ましいゾンビ映画

ジャンルとしては感染パニック、ゾンビホラーに分類されるかと思われます。デンマークの閑静な住宅街で起こった謎の集団感染。軍の介入。まったく状況もわからぬまま軟禁状態に置かれる住民たち。何やら狂暴化して人を襲う感染者たち。完全に普通のゾンビ映画です。

ただこの作品がちょっと普通と違うのは、奥ゆかしいというか、野心的というか、やる気がないというか、結局はお金がないのだろうという結論から導き出される、核心的な部分をとにかく見せずに進行していく地味地味シチュエーション・スリラーにあります。

要するにですね、正味80分程度の上映時間のうち、最後の10分程度しかゾンビさんたちはご登場いたしません。これを攻めてる演出ととるか、苦肉の策ととるか、ひたすら退屈だととるかは意見の分かれるところでしょうが、まあこれはこれで悪くなかったとボクは思います。

謎の集団感染と、軍による軟禁状態というシチュエーションのなかで、不安と猜疑心と正義感にかられて右往左往する人間たち。主人公家族とその周辺の反応、行動に重点を絞ったドラマ運びは、ゴアに頼らない不安感の醸成として意外と健闘していたと評価してもいいでしょう。

ゾンビにまつわる家族の肖像

わけもわからずこの状況へと放り込まれてしまった主人公一家。好奇心旺盛でやんちゃな高校生の主人公グスタフ。臆病な父親。ややヒステリーな母親。可憐な妹のマイ。彼らの隣人一家と、友人夫婦だけでほぼ展開される目隠し状態での限定的ドラマがこの映画の狙い。

あえて見せないのであればそれをもっと徹底するべきだったし、不穏な空気の演出もけっしてうまいとは言えないのですけど、怖いというよりかは、家族のあいだに流れる気まずい雰囲気がなかなか味わい深い映画でした。一種の家族崩壊劇とも言えるかな?

とりわけおすすめなのは、母ちゃんが死んだショックでリビドーが爆発した高校生カップルの速攻Hと、それを目撃したもうひとりの母ちゃんの微動だにしない凝視ですかね。眼前で繰り広げられる息子の息子がいきり立つ姿はガン無視で、娘を案じる母の揺るぎない愛です。

それと特製ニノスシチュー。観ればわかりますが、この特製ニノスシチュー試食会における大人たちのバツが悪そうな沈黙とヘタな言い訳には、おじさん思わずほっこり心癒されちゃいましたよ。腹が減っては戦はできないの。

守るべき最後の砦

しかし、この感染パニックを最終的に悪化させてしまうのが、主人公グスタフによる善意の悪行というのはいかがなものでしょうか?ある種の皮肉だとしたら面白いのですけど、反省も言及も何もないのであれば、やはり無理から物語を転がすための愚策と言わざるを得ません。

まあこれによってようやくゾンビ映画らしくなってはくるのですけど、それは同時に他のゾンビ映画と変わらなくなるということも意味しており、見せない奥ゆかしさはこの時点でいともたやすく崩壊し、よく見る光景が映し出されるだけなのは残念だったような気がします。

どうせなら最後まで見せなくてもよかったのに。死んだはずの母ちゃんめった刺しや、感染した娘をぶち殺そうとしたり、あげくにその娘から噛み殺される両親という微笑ましい家族崩壊劇はそれなりに眼福でしたが、これはやろうと思えば見せなくてもできたはず。

外側では謎のウィルスによる感染パニックが起こっているらしい。しかし内側でもその不安による素敵な家族の殺し合いが展開されることに。どうせやるならここまでやってもよかったですよね。なんか中途半端だから「結局は予算の都合だろ?」って勘ぐられちゃうんですよ。

何事もやるならやるでとことんまで突き詰めなくてはいけません。そういう意味ではヒロインの絶対にブラを外さない守るべき最後の砦にはおじさんとってもプンプンです。躊躇なく男のズボンにお手ては突っ込むくせに、なんでブラを外さないのよ!?な・ん・で・よ!?

個人的評価:4/10点

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