『サプライズ』感想とイラスト 舐めてた相手は最強最悪サバイバルガール

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映画『サプライズ』ジョー・スワンバーグのイラスト(似顔絵)

山奥の別荘地に集まった10人の人間を襲う、ヒツジ、キツネ、トラのマスクを被った狂気の殺人集団。しかし奴らは知らなかったのだ。獲物のなかに自分たち以上の狂気に彩られた最強最悪サバイバルガールが紛れ込んでいたことを!

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作品情報

サプライズ

  • 原題:You’re Next
  • 製作:2011年/アメリカ/94分/R15+
  • 監督:アダム・ウィンガード
  • 脚本:サイモン・バレット
  • 撮影:アンドリュー・ドロス・パレルモ
  • 音楽:ジャスパー・ジャスティス・リー/カイル・マッキノン/マッツ・ヘルトベア/アダム・ウィンガード
  • 出演:シャーニ・ヴィンソン/ニコラス・トゥッチ/ウェンディ・グレン/AJ・ボーウェン/ジョー・スワンバーグ/バーバラ・クランプトン/ロブ・モラン

参考 サプライズ (2011年の映画) – Wikipedia

予告編動画

解説

両親の結婚35周年を祝うために、山奥の別荘へと集まった10人の家族。しかしそんな家族の幸せな団欒は、動物の覆面を被った謎の襲撃者たちによる血みどろの珊瑚婚式祝いによって、地獄の戦場と化すというホームインベーションスリラーです。

監督は本作のヒットによって注目された『ザ・ゲスト』のアダム・ウィンガードで、2020年公開予定のモンスターバースシリーズ第4作目、『ゴジラVSコング』の監督にも大抜擢。

主演は『逆殺館』のシャーニ・ヴィンソン。共演には『コロシノジカン』のニコラス・トゥッチ、『11:11:11』のウェンディ・グレン、『ビューティフル・ダイ』のAJ・ボーウェン、そして『ZOMBIO/死霊のしたたり』『フロム・ビヨンド』で知られるバーバラ・クランプトンなど。

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感想と評価/ネタバレ多少

なんとな~くこれまで観てこなかった『サプライズ』。なんとな~く暇つぶし映画を探していたらプライムビデオでもうすぐ配信終了ということで、なんとな~く観始めてみたらなんとな~くどころかメチャクチャ面白いじゃないの!やだ、興奮したじゃないのあたし!

でもなんか最近こんな映画を観たような記憶が……と思ったらあれだ、40年ぶりに復活した『ハロウィン』。せっかく観たのに感想書く時間がなかったから代わりに『サプライズ』の感想書くよ(いやお前『ハロウィン』の感想を書けよ!そのほうがアクセス稼げんぞ!ただでさえPVダダ下がりだってぇのによぉ……)。

舐めてた相手は最強最悪サバイバルガール

人里離れた山奥の別荘地。両親の結婚35周年を祝うために集まった家族たちは、それぞれのパートナーを含めて総勢10名にもなっていた。しかし長男のドレイクと次男のクリスピアンは昔から折り合いが悪く、せっかくの晩餐中にいつもの口論を始める始末。

その光景にクリスピアンの恋人エリンも辟易していたところ、長女エイミーの恋人タリクの脳天にクロスボウの矢が突き刺さっているではないか!突然の惨劇にパニックと化した家族を襲う、動物の覆面を被った謎の襲撃者たちの目的とはいったい……ってのが簡単なあらすじ。

はい、ベタですねぇ。でもなんせ『サプライズ』ですよ。白痴的にクソダサいネタバレ糞垂れ小便垂れな邦題を付けられてんだから、きっとアッと驚く為五郎的サプライズがあるのよ奥様、あの人が、まさか、いや、そこはダメ、なんて期待はしてもけっこう先は読めます。

物語としての華麗なる不意打ちを期待してはいけません。この映画の主眼はそこではなく、不意打ちをかけた側が逆に不意打ちを食らうオフェンスとディフェンスの逆転現象にこそあるのですから。そういう意味ではまさにサプライズであり、ボクはこれに狂喜乱舞いたしました。

スラッシャー映画の醍醐味は狂気の殺戮者に誰が、いつ、どのように殺されていくか。本作は確かにそういう点でも健闘しておりましたが、面白いのは軽い獲物として狩られる予定だった小鹿ちゃんが、実は地球の危機を生き抜くために練磨された狂気のサバイバルガールだったという点。

本作における善意の象徴のような快活さで唯一好感度抜群だったヒロインのエリン。彼女が突如訪れた謎の襲撃における恐慌状態のなかで見せる、冷静な思考、的確な指示、そして生き抜くための行動の痺れるようなカッコよさに、ボクは狂喜乱舞したのです。

舐めていた相手が、実は最強最悪のサバイバルガールだった映画。絶対的優位性で狩場を征服しようとしていた肉食獣に牙をむく、草食系バンビちゃんによる逆襲のナイフ釘ハンマー丸太ミキサーが乱れ飛ぶ、人体の破壊!破壊!!破壊!!!の百花繚乱エクスタシ~♡

襲撃者の破壊を上回る被害者による壮絶なまでの破壊のオンパレード。急所を狙い撃った激痛描写と、そのタイミングも素晴らしい。長女エイミーの私が一番足が速いの首ポキランニングスローモーションなんて、悪意と善意がこんがらがったイタタタ爆笑悶絶パックンチョ。

そう、恐怖と笑いは紙一重、もしくは表裏一体だということをよく理解したイカした作品なのだよこれは。何度もループ再生されるドワイト・トゥイリー・バンドの『Looking For The Magic』なんてホント意地が悪くて最高。おじさん思わず踊っちゃうよ♡

そしてなんと言っても愛してやまない阿呆が長兄のドレイク。人間のクズとして死亡フラグ立てまくりなのに、なかなか死なないのよこいつ。矢ガモならぬ矢人間現る!アメリカの鎮痛剤って凄いのねぇ。効果抜群。もはや不死身よ。不死身の阿呆。ああ~なんて愛おしい♡

ラストの「You’re Next(次はお前だ!)」まで気が利いてるし、エンドクレジットまで楽しめるからホント必見よ。ボクみたいに、「フン、どうせ~」なんて高をくくってスルーを決め込んでいる阿呆はホント許さないわよ。「You’re Next(次はお前だ!)」。

個人的評価:7/10点

DVD&Blu-ray

サプライズ Blu-ray
ワーナーホームビデオ

VOD・動画配信

『サプライズ』が定額見放題なおすすめ動画配信サービスはU-NEXTプライム・ビデオ(2019年5月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

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コメント

  1. ブッチ より:

    スパイクロッドさん、ご無沙汰しております。
    今更ながらですが、いや〜、面白かったですね、この映画!まず、脚本が良くできてますよね。ゴア系のホラーと思わせつつ、逆転のカタルシスで引っ張るサバイバルアクションとは!登場人物のキャラも良くて、エリンの普通の女子大生っぽいところのギャップが妙にカッコいいし、笑えるドレイクの存在はまさにこの映画の肝ですね。矢がワイヤーに引っかかるところなんて最高です。
    ゴア描写もやり過ぎず、痛いところを的確に描写してて、むしろ上品な感じ。要所でかかる挿入歌もご機嫌で、悲惨な話なんだけど重くならず、全体的なワクワク感と遊び心を滲ませる軽い感じは80年代のホラーを彷彿とさせます。
    監督さんの他の映画は観てませんが、演出も歯切れが良く才能を感じさせますね。
    久しぶりに面白い佳作を楽しみました!

    • ブッチさん、コメントありがとうございます!

      ボクも「どうせ」と思って長いこと放置していた作品なんですが、観てみたら思いのほか面白くてうれしくなっちゃいましたよ!アダム・ウィンガードという監督は『デスノート』のハリウッド版ではやらかしてしまったみたいですが、ほかの作品『ザ・ゲスト』と『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の続編は悪くなかったですよ。大抜擢された『ゴジラVSコング』も今年公開予定です(なんか公開延期になったから嫌な予感しかいたしませんが……)。