アレもコレもソレも観てないが、それでも素晴らしい映画とたくさん出会えた2017年。映画ブロガーのくせして言うほど映画を観ていないスパイクロッドが選ぶベストテン、ぬけぬけと発表じゃ!
2017年映画ベストテン
映画ブロガーにとっての年末恒例行事、個人的年間ベストテンの発表。2017年は本業のほうがバカみたいに忙しくなり、その影響か定期的に体調も崩す悪循環で、映画ブログなんて道楽をやっていながら新作映画は60本程度しか観られていないお粗末な結果に。
てなわけで、アレもソレもコレも観ていないくせに年間ベストテンなんて恥ずかしくて出せる立場にはないのですが、まあこれを出さなきゃ今年が終わらない、年が越せないっちゅうことで、軽い気持ちで選んでみましたので、どうぞ軽い気持ちで覗いていってやってください。
ちなみにこれを書いている年末もめでたくお仕事のほうがバカみたいに襲いかかり、ついでにインフルエンザB型にも詰め寄られた心身ともにボロボロの状態でありまして、短評すら書く気力がなく、ベストテンの発表だけでお茶を濁してみたいと思います。
詳しい感想が読みたい方は面倒ですが個別の記事を参照してみてください。
1位 静かなる叫び
Polytechnique
- 2009年/カナダ/77分
- 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
- 出演:マキシム・ゴーデット/セバスティアン・ユベルドー/カリーヌ・ヴァナッス
『静かなる叫び』感想とイラスト 混ざり合う血の海
映画『静かなる叫び』のイラスト付き感想。ネタバレ有。色が、言葉が抑制された77分の映像のなかで物語られる人の弱さと強さ、そして混ざり合う血の海。あれは絶望なのか?それとも希望なのか……。
2位 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
Lo chiamavano Jeeg Robot 皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」/They Call Me Jeeg
- 2015年/イタリア/119分/PG12
- 監督:ガブリエーレ・マイネッティ
- 出演:クラウディオ・サンタマリア/ルカ・マリネッリ/イレニア・パストレッリ
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』感想とイラスト ヒーローになるとき
映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のイラスト付き感想。ネタバレ有。この薄汚れた現実世界で死んだように生きる男。彼を変えたのは『鋼鉄ジーグ』の空想世界に生きる女。現実と空想の世界が重なり合うとき、ローマの人々は彼のことをこう呼んだ。「鋼鉄ジーグ」と!
3位 ブレードランナー 2049
Blade Runner 2049
- 2017年/アメリカ/163分/PG12
- 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
- 出演:ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード
『ブレードランナー 2049』感想とイラスト 絶望に咲く希望
映画『ブレードランナー 2049』のイラスト付き感想。ネタバレ有。誰もが期待よりも不安を抱えたであろうカルトSFの続編。しかしこれは紛れもない『ブレードランナー』であり、ぶっちぎりのヴィルヌーヴ映画でもあったのだ!
4位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
Guardians of the Galaxy Vol. 2
- 2017年/アメリカ/136分
- 監督:ジェームズ・ガン
- 出演:クリス・プラット/ゾーイ・サルダナ/マイケル・ルーカー/カート・ラッセル
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』感想とイラスト ヨンドゥ・ウドンタ男の花道
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のイラスト付き感想。ネタバレ有。ノリとダンスとポップミュージックで宇宙を救う最低最高のあいつら、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが帰ってきた!笑いも興奮も泣きも前作以上の盛り盛りにして、ついにあいつらが帰ってきた!
5位 アシュラ
아수라/Asura: The City of Madness
- 2016年/韓国/133分/R15+
- 監督:キム・ソンス
- 出演:チョン・ウソン/ファン・ジョンミン/チュ・ジフン/クァク・ドウォン
『アシュラ』感想とイラスト 韓国悪党列伝
映画『アシュラ』のイラスト付き感想。ネタバレ有。明確な悪党ヒエラルキーのもとに成立している暗黒都市。より強い者が、より悪い者が頂点へと君臨するアシュラピラミッド。この世界に半端者はいらねえ。覚悟のない奴に存在価値などない。しかしおいらだって生きてるんだぜ。貴様らに小悪党の矜持ってやつを見せてやるぜ!
6位 キングコング:髑髏島の巨神
Kong: Skull Island
- 2017年/アメリカ/118分/PG12
- 監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
- 出演:トム・ヒドルストン/サミュエル・L・ジャクソン/ブリー・ラーソン
『キングコング:髑髏島の巨神』感想とイラスト 俺たちが観たかった怪獣映画
映画『キングコング:髑髏島の巨神』のイラスト付き感想。多少のネタバレ有。満を持してよみがえったキングコングは、満など持さずにその神々しい破壊神としてのお姿を我々にさらけ出し、凛々しいケツをこれ見よがしに見せびらかすという、つまりは俺たちが観たかった怪獣映画がここに誕生したのだ!
7位 FOUND ファウンド
Found
- 2012年/アメリカ/103分/R15+
- 監督:スコット・シャーマー
- 出演:ギャヴィン・ブラウン/イーサン・フィルベック
『FOUND ファウンド』感想とイラスト 世界を壊す兄弟愛
映画『FOUND ファウンド』のイラスト付き感想。ネタバレ有。「兄さんは生首を部屋に隠している」。はたしてこれは少年の妄想なのか?現実なのか?そんな小手先は知ったこっちゃねえ。俺の兄貴は殺人鬼だ!変態だ!でもね、兄さん、本当に、殺してくれてありがとう……。
8位 ダークレイン
Los Parecidos/The Similars
- 2015年/メキシコ/90分
- 監督:イサーク・エスバン
- 出演:グスタフォ・サンチェス・パッラ/カサンドラ・シアンゲロッティ
『ダークレイン』感想とイラスト これがホントの斜め上
映画『ダークレイン』のイラスト付き感想。ネタバレ多少。不気味な雨に行く手を阻まれ、辺境のバスステーションに閉じ込められた8人の男女。彼らを次々に襲う驚愕の、あまりに驚愕のメタモルフォーゼ。むさ苦しく画一化された無個性世界の誕生だ!
9位 哭声/コクソン
哭聲 곡성/The Wailing
- 2016年/韓国/156分
- 監督:ナ・ホンジン
- 出演:クァク・ドウォン/ファン・ジョンミン/國村隼
『哭声/コクソン』感想とイラスト 認識を映す鏡・國村隼
映画『哭声/コクソン』のイラスト付き感想。ネタバレ多少。ジャンルを変遷し、情報を攪乱し、主人公と我々観客を翻弄し続ける謎の映画。その中心となる國村隼の正体とはつまり、我々が見たい存在を具現化した最高最悪の何か……。
10位 散歩する侵略者
- 2017年/日本/129分
- 監督:黒沢清
- 出演:長澤まさみ/松田龍平/長谷川博己
『散歩する侵略者』感想とイラスト 愛の威力は腰砕け
映画『散歩する侵略者』イラスト付き感想。ネタバレ有。2017年、日本へと襲来した侵略者は我々の概念を奪い取る。しかし彼らにも奪えないものがあった。それはサイコパス東出の底抜けに深遠な愛のスッカラカン!
次点 グリーンルーム
Green Room
- 2015年/アメリカ/95分/PG12
- 監督:ジェレミー・ソルニエ
- 出演:アントン・イェルチン/イモージェン・プーツ/パトリック・スチュワート
『グリーンルーム』感想とイラスト けだるい朝を待ちわびて
映画『グリーンルーム』のイラスト付き感想。ネタバレ有。パンクバンドVS最凶ネオナチ軍団。凶悪な狂信集団に狙われたバンドの運命やいかに!?…ってあれ?これってもしかしてネオナチだって被害者なんじゃ……。
2017年映画イラスト集
イラストをクリックしていただくと個別の感想記事へと飛びます。
コメント
こんにちはO(≧▽≦)O
どれを観ようかな~という時にいつも参考にさせていただいています。
スパイクロッドさんの感想は適格で他の人が言わないような事も書いてくれるのでとても面白いです。
私の年明け一発目は【江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969)】からいってみようと思っています。
(スポットレンタルしています)
それでは、よいお年をお過ごし下さい。
*BUCHA*さん、コメントありがとうございます!
ほかの人は空気を読んでオブラートに包むところを、何も考えず思ったとおりに吐き出してしまうところがボクの長所であり短所でもあるので、そういう点を褒められるとたいそう喜びます(笑)。まあそれゆえに嫌われている部分も多々あるでしょうが(笑)。
しかし*BUCHA*さんの2018年一発目の映画が『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』とは攻めすぎのチョイスですね!実は未見でずっと気になっていたのですが、*BUCHA*さんに触発されてボクもリストに入れてしまいました!近々レビューを書くかもしれません(笑)。
それでは*BUCHA*さんこそよいお年を!
静かなる叫びは軽い気持ちで観たのですが思っていた以上に臨場感のある映画で僕もとても印象に残った1本でした。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品は3作3様でどれも見応えがありました。
僕は洋画はNETFLIX配信のオクジャ、邦画は家族はつらいよ2がよかったです。
今年もいい映画にたくさん出会えました。
らびッとさん、コメントありがとうございます!
2017年はドゥニ・ヴィルヌーヴの年と言ってもよいほどで、3作とも見ごたえのある傑作・秀作ぞろいでしたが、本来は旧作である『静かなる叫び』のタイトルどおり静かなる衝撃がボク的には最強で、新作2本を押しのけるかたちとなりました。『オクジャ』も観たかったのですが、NETFLIX限定なのが残念でした。いい映画は劇場でも流したらいいのにね。
今年は思うように映画を観られない一年ではありましたが、らびッとさん同様たくさんのいい映画と出会えました。来年はこれを超える出会いがあるといいですね。それではよいお年を!
明けましておめでとうございます。
楽しみにしていたランキング、興味深く拝見しました。
静かなる叫びは旧作なので置いておいても、劇場公開された2本がどちらも傑作というヴィルヌーブフィーバーに湧いた年でしたね。
おまけに2回とも来日してばかうけのコメントまで残してくれて、ありがたい限りです。
自分の2017年ベストはただいま考え中ですが、ブレランかメッセージのどちらかは確実にベスト5には入りそうです。
他には、スパイクロッドさんがランクインさせた映画で、タイミングを逃して観れなかったものもいくつかあり残念です(特に鋼鉄ジーグはなんとかして観たかった・・・)。
ただ、スパイクロッドさんがあまり評価してない映画でも自分は高評価なものやその逆もあり、改めてレビューを見返してみると評価ポイントの違いが分かって面白かったりもします。
これも、明瞭かつユーモアに溢れた文章の賜物なのだなあと、ただただ敬服するばかりです。
昨年の末からコメントを残させていただいていますが、本年もお邪魔でなければちょくちょくコメントさせていただく所存です。
それでは、今年も素敵な映画ライフを送られ、楽しいレビューを拝見出来ることをお祈りしています。
starさん、明けましておめでとうございます。そしてコメントありがとうございます!
昨年は本当にヴィルヌーヴの年と言ってもよいほどの活躍ぶりで、しかも3本とも傑作揃いというのは本当に驚くばかりです。自分のベストテンでは1位が本来は旧作である『静かなる叫び』、3位に『ブレードランナー 2049』がランクインしてますが、実は『メッセージ』も10位にランクイン予定でした。でもヴィルヌーヴばかりを挙げるのもいかがなものかとの自主規制が働きまして、次点、そしてランク外へと追い出されてしまった次第。どうしてもアントン・イェルチンの『グリーンルーム』を紹介したかったもので。しかし『メッセージ』も本当にいい映画でありました。次回作は『デューン 砂の惑星』のリメイクとのことで、いよいよやりたかったSF作品が続くヴィルヌーヴから今後も目が離せませんね!
今年もたくさんの映画を観て、好き放題に阿呆のたわごとを更新していきたいと思っておりますので、いつでも遊びにいらしてください。starさんにコメントをいただけるようなレビューを書けるように精進していく所存でありますから!
あけましておめでとうございます!すっかりご無沙汰しておりましてすいません!ツイッターからずっと覗いていました(笑)なかなかコメできなくて…
さすが、スパイクロッドさんのイラストはカッコよくて惚れ惚れしちゃいますなぁ!^_^
コクソンやキングコングは私もランキングにいれました!二つとも意外性があったしダイナミックなところも好きでした!
ガーディアンズも私は泣いてしまいまして(笑)感動してしまいましたねー。いつもあの音楽センスの良さにはたまげてしまいます!
今年こそはもっと遊びに来たいと思いますのでよろしくお願いします★
ちぶ〜さん、明けましておめでとうございます。そしてコメントありがとうございます!
ボクのほうこそtwitterの更新情報からちょくちょく覗かせていただいてますが、コメントを残さない愛想無しでゴメンなさいね。痕跡は残しませんがちゃんと見てますから(笑)。ちぶ〜さんのいろんなランキングも楽しく拝見させてもらいました。マイナーな映画ですが『ハングリー・ハーツ』が入っているあたりさすがですよね。ちぶ〜さんもお仕事や自分のブログの更新などがあってきっと多忙でしょうから、コメントは本当に気が向いたときだけでかまいませんよ。たとえコメントがなくても同じイラスト付き映画ブログをやっている同士でありますから!
スターウォーズの感想ケチョンケチョンなんだろうなあと予想してたんですが元々好きじゃないと言われてたので見に行かなかったんですかね。鋼鉄ジークは予告見た感じで見に行かなかったんですが個人的に去年良かったブレードランナーやガーディアンオブギャラクシーより上評価なので見ようかな
通りすがりさん、コメントありがとうございます!
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』もできれば観に行きたかったのですけど、仕事や体調の面で断念せざるを得ませんでした。でもまあおっしゃるとおりもともと好きなシリーズではないので、観たら観たでケチョンケチョンに書いていたかもしれません(笑)。でも『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』は本当におすすめですので、通りすがりさんにも是非とも観てほしいです!1位の『静かなる叫び』は実質旧作ですので、本来の1位はこの作品でありますから!