『パシフィック・リム:アップライジング』感想とイラスト やる気がねーならやめちまえ!

この記事は約8分で読めます。
映画『パシフィック・リム:アップライジング』スコット・イーストウッドのイラスト(似顔絵)

巨大ロボットと怪獣がひたすら殴り合う神々しさにただただ涙した『パシフィック・リム』。ボクは今回その続編をついに観たのだ!確かに観たのだ!観たはずなのだ!「コレジャナイ」けど観ちまったんだ!

スポンサーリンク

作品情報

『パシフィック・リム:アップライジング』

  • 原題:Pacific Rim: Uprising
  • 製作:2018年/アメリカ/111分
  • 監督:スティーヴン・S・デナイト
  • 脚本:スティーヴン・S・デナイト/エミリー・カーマイケル/キラ・スナイダー/T・S・ノーリン
  • 撮影:ダン・ミンデル
  • 音楽:ローン・バルフェ
  • 出演:ジョン・ボイエガ/スコット・イーストウッド/ケイリー・スピーニー/ジン・ティエン/バーン・ゴーマン/チャーリー・デイ

参考 パシフィック・リム: アップライジング – Wikipedia

予告編動画

解説

“KAIJU”たちの脅威を喰い止めた前作から10年後。平和が訪れた地球を覆う新たな影へと立ち向かう、若き“イェーガー”パイロットたちの活躍を描いたSF怪獣ロボット映画の第2弾です。

監督は前作のギレルモ・デル・トロからテレビシリーズ『Marvel デアデビル』などを手がけたスティーヴン・S・デナイトへと交代。これがすべての悲劇の始まりであった。

主演は『デトロイト』のジョン・ボイエガ。共演にはクリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッドをはじめとし、ほぼ新人のケイリー・スピーニー、レジェンダリー激推し中国人女優ジン・ティエンなど。

前作からの続投組としてはマコ役の菊地凛子、ニュート役のチャーリー・デイ、ハーマン役のバーン・ゴーマンがお馴染みの顔を揃えております。残念ながら前作の主人公ローリーを演じたチャーリー・ハナムは参戦せず。

前作の感想はこちら

スポンサーリンク

感想と評価/ネタバレ多少

日本の巨大ロボット、怪獣映画への惜しみない愛によってすべてが構成されたオタクの夢の結晶『パシフィック・リム』から5年。デル・トロ降板の悲報に嫌な予感しかしなくなった、観たいけど観たくない続編『アップライジング』がいよいよ公開されました。

んでまあ仕事終わりのレイトショーでさっそく観てきたわけですが、たぶん今ボクが観た映画は『パシフィック・リム』ではなかったような気がする。映画館がきっと流すフィルムを間違ったんだね。怪獣もロボットも出てくるけど、きっとこれは違う映画だよ。間違いないよ。

なんて現実逃避したくなる続編、それが『パシフィック・リム:アップライジング』なのであります。確かに怪獣とロボットが激突するオタク的絵面ではありますが、その精神性は似て非なるもの。どちらかと言えば『トランスフォーマー』や『パワーレンジャー』に近いかも。

失われた面倒臭さ

太平洋の海底に開いた裂け目から襲来してきた異世界のKAIJUを、巨大人型兵器イェーガーの活躍によって撃退した戦いから10年。世界は平和を取り戻しつつあったが、PPDC(環太平洋防衛軍)は将来の脅威に備え、新型イェーガーの開発とパイロットの育成に余念がなかった。

先の戦いの英雄ペントコスト司令官の息子ジェイクもそのひとりで、一時は軍を離れたものの今は後輩の育成にあたっていた。そんななか現れた正体不明な漆黒のイェーガー、そしてふたたび裂け目から現れたKAIJUの脅威に、若きパイロットたちが命をかけて立ち上がる!

てな感じのあらすじで、世代交代や継承を強く感じさせながら、その実なにも継承せずにあらぬ方向へと軽やかにスキップし出してピョンピョン飛び去った軽薄映画、それが我らオタクの夢の続き『パシフィック・リム:アップライジング』なのでありました。

前作が円谷直系の怪獣映画ならば、本作は東映スーパー戦隊シリーズといった感じ。どっちが良い悪いといった話ではなく、それは路線が違うよって話。ボクは怪獣映画も戦隊ものもロボットアニメも別に好きではありませんが、目指す方向を誤ればすべては無に帰するって話。

いわゆる特撮マニアでもアニメオタクでもないボクが前作の何にドタマをぶん殴られたのか?それは巨大な何かが「動く」ということ。ロボットや怪獣といった巨大な何かが、鈍重とも思える野暮ったさで「動いている」神々しさにただただ感動して涙したのであります。

けっしてスタイリッシュでもスピーディでもないが、巨大な何かが自分の目の前で「動いている」「動かされている」という圧倒的リアリズム。ドリフト、大仰なギミック、ガシン!ガシン!といった歩みの重み、それら面倒臭いすべての段階の集積に涙したのです。

しかし本作にそういう面倒臭さは微塵もない。すべての段階が軽薄とも言えるスピードで流れていき、何も心に引っかからず、何も心に残らない。動く=アクションというものは、素早く流れるだけではタメを生まず、人の心を動かさない、揺さぶらないという典型ですな。

ドラマ不在の機械的脚本

それはテンポが良いだけでただ機械的に流れていく脚本にしてもしかり。ここには物語を転がしていくだけの状況があるだけで、我々の心をつかみ、揺さぶり、動かすドラマが皆目存在していない。ゆえにドラマのないアクションに乗れないのもこれまた必然。

主人公のジェイクは偉大な父親から何も継承しておらず、乗り越えるべき何かも、守るべき誰かも持たない、誰ともなんの関係性も結ばないただの軽薄キャラで、そんなペラペラがなんとなく戦い、急に仲間に目覚め、見よう見真似で演説する姿のなんとむなしいことか。

主人公がこんな有り様ではほかは推して知るべしで、新世代パイロット候補生たちの没個性ぶりは誰が誰やら、どんな奴やら皆目わからぬモブ扱いで、そんな奴らがいきなり仲間だとか家族だとか言われても空々しいだけ。千葉真一の息子なんて役名すらわからん。

レジェンダリー激推し中国人女優ジン・ティエン(『グレートウォール』『キングコング:髑髏島の巨神』)も、推しが露骨すぎて扱いに窮しているのは明白で、最後におべべ破いてガシャンコガシャンコ走る姿は良かったけど、立ち位置不安定なのはどうにもならん。

主人公ジェイクの相棒にしてライバル的立場でもあるスコット・イーストウッドにしても、パパに寄せすぎなセリフ回しがいちいちニヤリとはするものの、ジェイクとの関係性がまさに表層のみで、なんで喧嘩しててどうやって和解していかに共闘したのか皆目理解不能。

ここはいっちょ前作のキャラたちに望みを託すか!と思ったらローリーの存在はほぼ抹消。マコは「老けたなぁ」と思っていたら即退場。ニュートとハーマンのマッドサイエンティストコンビだけが唯一気を吐いておりましたが、これに関してもおそらくは賛否両論ありかと。

オタク気質の究極最終形態ともいえる進化を果たしたニュートと、オタクでありながら人間的成長を果たしたハーマン。ボクはこのふたりの扱いはどちらも良かったとは思いますが、大事なのは落としどころですわな。そこを抜かしてしまったのは大きな批判材料です。

そんな大事なキャラクターたちのドラマをいっさい描かず、ただ機械的に流れていくだけの物語は突っ込みどころ満載で、特にKAIJUたちがすべてマウント富士をある理由によって目指していたという設定は、あまりのとってつけた感にもう開いた口がふさがりませんわ。

帰ってくる気はねーのかい?

デル・トロ降板を知った時点で期待はしていなかったが、まさか開いた口から「んんづぅァエぇガっ!」という言葉にならぬ悲鳴が漏れるほど酷いとは思わなかった続編『アップライジング』。目指している地点が違うと言えばそれまでですが、だったら違う映画でやれよって話。

もしくはちゃんと面白く作れ。『パシリム』の看板を外したとしてもただただ面白くねーよ。昔懐かし怪獣巨大ロボット路線ではなく、今時ロボットアニメをやりたかったんだとしても、こんな流れるように消えていく引っかかりゼロ映画じゃ付いてくるもんも付いてこんて。

昼のシーンが増えて観やすくなった?それがどうした。ただスカッとしただけで人知を超えた巨大な何かがぶつかり合う畏怖感は消え失せ、ぬるぬる動くアクションには緩急という演出が存在せず、何も止まらず、引っかからず、ただ流れて消えていくだけではないか。

ただ流れて消えていく『パシフィック・リム』なんざぁ『パシフィック・リム』ではない!デル・トロさんよ、やっぱあんた並のオタクじゃなかったんだな。あんたがいかに考え、何を捨て、何を拾い、どこに注視して前作を作ったのかあらためて思い知らされたぜ。

ただアニメが、特撮が好きなだけのオタクではこれぐらいが関の山なのかもな。並のオタクに『シェイプ・オブ・ウォーター』みたいな映画は作れやしねーよ。デル・トロさんよ、あんたこっちに帰ってくる気はないのかい?どうやら次もやる気満々みたいだぜあいつら。

あんたが帰ってくるってんならまだ望みはあるかもしれねーが、その気がねーんならさっさとこんなシリーズ終わらしちまいな!それが世のため人のため『パシリム』のためってもんよ!

個人的評価:2/10点

DVD&Blu-ray

パシフィック・リム:アップライジング Blu-ray&DVD
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

続編失敗映画の感想ならこちらも

SF映画好きにおすすめ

SF
スポンサーリンク
スパイクロッド

映画を観たらとりあえず感想とイラストを書く(描く)人畜無害な釘バット。ちなみにイラストはぺんてるの筆ペン一本によるアナログ描き。

スパイクロッドをフォローする
映画を観たからイラスト描いた

コメント

  1. 通りすがり より:

    うわ、予告の時点でつまらなそうだとは思ってましたがメタメタですね。
    僕は週末に行く予定ですが期待しないで見に行ってきます。
    シェイプ・オブ・ウォーターは見に行きましたがデル・トロ氏は良くも悪くも日本人に感覚が似てる気がします。それでいて映画構成能力が高いオタクのオッサンなんだよな

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      通りすがりさん、コメントありがとうございます!

      そうですね、あまり期待せずに観たほうがダメージが軽減されて体と心に良いかもしれません(笑)。

      ギレルモ・デル・トロは本当に並のオタクではございませんので、おそらく大好きな怪獣映画や日本のアニメをさらに深く理解するために掘り下げて観るようなタイプですので、その過程で我々日本人の感性と似てきた部分があるのかもしれませんね。奥ゆかしさとか、こだわりとか、異形への畏怖とか。

  2. えるぼーロケッティア より:

    スパイクロッドさんの感想、心底同意いたします。

    僕は単純に鑑賞後は怒りよりも悲しさがこみ上げていました。

    1のテーマ曲が全く効果的に使われない。
    必殺技の名前を叫ばない。
    戦闘演出に溜めがなく、アクションがチャカチャカしすぎている。
    戦闘におけるメカの性能の差異が全く描けていなく皆同じ戦い方をしてるように
    しかみえない。
    デルトロ案かもしれないが前作の愛すべきキャラの扱いが酷い。

    上げたら止まりません。
    それだけ本作は1で心底感動した要素がみあたりませんでした。
    大作映画ですから色々自由にやれない部分もあるのでしょうが、それでもこれは酷い。

    本作を万人向けになってアクションが素早く派手になり面白かったという人がいますが
    スパイクロッドさんのいうようにそんなものはただ面白いだけの消費されて記憶からすり抜けていく凡百な映画に成り下がっただけでしょうに。
    昼の戦闘に対する評価もそれこそTFみればいいだけの話じゃないですか。
    エウレカのピンチに震えるほどかっこいいテーマ曲とともに登場をしたジプシーのような場面が一個でもありましたか?いいやないですね!

    ストーリーもなんじゃあれ。
    前作も大概だって言う輩いますが、全然違う!

    すみません、我慢できませんでした。
    感情的になってしまいましたが僕の偽らざる気持ちです。

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      えるぼーロケッティアさん、熱いコメントありがとうございます!

      いやいや、これは感情的になってしかるべき失敗作ですので、やはり素直な怒りの感情をぶちまけてスッキリしないとやってられませんから(笑)。

      続編『アップライジング』がホント予想以上にひどすぎて、昨晩、心の平穏を求めて第1作を自宅鑑賞したのですが、細部に至るまで神経が行き届いたデル・トロのこだわり演出に心底痺れて、震えて、涙して、眠れませんでしたね!確かに第1作も脚本的には穴が多いのですが、それをわかったうえでこの映画に必要な要素を徹底的なまでに掘り下げて魅せるデル・トロの演出はマジですげーです!このこだわりが『アップライジング』に多少でも備わっていたらもう少し違う結果になったような気もしますが、おそらくはそんなこだわりは持たない薄い感性の持ち主なのでしょうね。でなきゃあんな軽薄な『パシフィック・リム』なんて撮るわきゃない!

      本文には書き忘れましたが、音楽の最低さにも頭を抱えた次第。っていうかラミン・ジャヴァディまで降板しているとは思っていなかったので、「なんでこんなうっすいスコア書いてんだ!」と怒ってたら別人の作曲だったんですね。そしておっしゃるとおりあのテーマ曲がまったく効果的に使われない!さらにはアレンジがダサい!ホントもう踏んだり蹴ったりですなぁ……。

  3. アネモネ より:

    続編制作決定から徐々に明らかになる予告映像を見てなんか違う感をモヤモヤ抱えていたのですがこちらのブログを拝見しハッキリわかりました。CG処理がうまくなったり動きが滑らかになるのは映画としては進化かもしれないけど映画の本質を見失っちゃいけませんね。CG処理をごまかす意図もあった前作の夜・雨が、異形の怪物が暴れ回る恐怖感を増大させ迎え撃つ巨大ロボの無骨さを増大させる効果も兼ねてたんですね。人間ドラマも前作はマコと長官との絆、ローリーとの信頼関係を育む課程なども魅力でしたが今回は期待できなさそう。
    行こうかどうしようか迷ってたけど取りあえず映画館はスルー、レンタルで借りるかも。

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      アネモネさん、コメントありがとうございます!

      技術の進歩には目覚ましいものがありますし、怪獣やイェーガーが暴れ回る姿を明るい映像で観やすく演出した功績は確かにあるのですが、それは同時に前作の肝であった巨大な何かの存在感を薄める結果にもつながり、ホントに正直申しましてよくあるハリウッド映画へと成り下がったという印象です。怪獣とロボットとの戦いを描いたこれ単体の映画としてはまあこんなもんだろうとも思うのですが、なんせあの『パシフィック・リム』の続編ですのでこれは看過できない失態です。ドラマ不在もまたしかりで、プロットだけを踏襲したまったく別物の作品と言う印象でしたね。

      しかしボクとは違って好評な意見もチラホラ聞かれますので、アネモネさんもどうぞご自身の目で確かめてからこの作品への評価を決定してください。レンタルでも十分ですので(笑)。

  4. わるいノリス より:

    ロボの重量感やフェティッシュなパーツ等ディティールが前作より軽すぎましたね…
    怪獣も前作のハンマーヘッドやオオタチのような存在感や個性が無かった。
    代わりに適当な脚本に色を付けたようなものが間延びしてなんだかなぁ、ヤングアダルト作品のような雰囲気も好きではないです。

    ただ敢えて言うなら、ここまで金と技術をかけた「外人から見た間違った日本」を見れることもそうそう無いような気がするのでそれはそれでちょっとだけ楽しめました。
    富士山をバックにイェーガー集結なんて絵としてアホ度が頂点に達して寧ろ感心…ってかコレ位置的に山梨じゃん!

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      わるいノリスさん、コメントありがとうございます!

      ヤングアダルト作品というのは言いえて妙ですね。確かにそんな感じでした(笑)。デル・トロのフェティッシュなこだわりを逆に過剰だと思う人にはこれぐらい薄味なヤングアダルト作品のほうが合うのかもしれませんね。しかしこれが第1作目だったらこの路線で成功した可能性もなくはないですが、なんせあの過剰なまでに細部にこだわりまくったフェティシズムの塊『パシフィック・リム』の続編ですからね。賛否両論は致し方ないところでしょう。

      ボクはとんでも日本描写に笑うだけの余裕はなかったですね。もう怒りに震えていて(笑)。あれはまあいわゆるネオ東京なのですかね?KAIJUの攻撃で壊滅して山梨へと移転したのかもしれません(笑)。

  5. star より:

    更新お疲れ様です。

    自分はまだ未鑑賞なのですが、やはり予告で感じた微妙さは当たっていましたか・・・

    まあ、世界一センスのあるオタクにしてフェティシズムの塊みたいなデルトロ先生と同レベルのものを作れる存在などこの世にいませんし、
    仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれませんが

    続編でこれも観たいというリクエストの多かった要素(昼の戦闘、異なるイェーガー同士の共闘、日本での決戦)は軒並み入れているようなので、
    ディナイト監督もファンサービスに徹しようという気持ちだったのだと思いますし、
    その情熱は本物だと思いたいのですが・・・

    自分にとってパシリムは映画館で映画を観るという体験の唯一無二性を教えてくれた生涯忘れえぬ作品であり、
    IMAXや4DXで再上映があるたびに出向いてはオープニングで泣くというジャンキーに仕立て上げてくれた罪深い作品でもありますw
    劇場鑑賞回数はIMAXだけでもゆうに二桁を超えていますが、それでもブザー音と共にコックピットが顕になるシーンでは毎回鳥肌が立ちます

    既に前売り券は買ってしまったので、週末にあまり期待せずに観てきます

    ひょっとしたら、激怒若しくは擁護のテンションで再度コメントに来るかもしれませんが、その際はご容赦のほどをw

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      starさん、コメントありがとうございます!

      鑑賞前に変な先入観を与えてしまったかもしれませんが、まあ期待値低いほうがダメージも軽減するので良かったかもしれません(笑)。

      前作で少なからずあった不満点を改善し、続編でありながらあえて違うことをやってやろうという気概は、まあ多少、ホントに多少感じられるのですが、そこはもういかんせんセンスと実力が追いついてないって感じですね。デル・トロの向こうを張るにはしょせん役不足なわけですから、ここは無難でもいいから前作を踏襲した柳の下の泥鰌を狙うべきだったと思うのですが、まあそこはクリエイターとしてのプライドでしょうかね?そっちが怪獣映画なら俺っちは今時ロボットアニメをやってやる!って気持ちはわからいでもないけど、なんかもうその引き出しがダサいのよね。いまさら『エヴァ』って……。

      starさんは今週末に鑑賞なさるということで、あらためてのコメントも楽しみにお待ちしております。やはりの憤怒か?まさかの激賞か?その結末やいかに!?

  6. star より:

    はい、本日鑑賞してまいりました
    レディ・プレイヤー・ワン
    いやー素晴らしかったですね
    日本に限らず全世界のオタク感涙ですよあれは

    え、アップライジング?
    そんなもんありましたっけ?

    …いや、本当に記憶から抹消したいレベルですよ、あれ
    脚本酷過ぎ、キャラの魅力全くなし、イェーガーがそこにいるという実在感も全くなし、前作キャラの扱いが酷過ぎ、レジェンダリー社長の彼女のごり押しが露骨過ぎ
    もう、他にも挙げればきりがないのですが、人様のサイトのコメ欄をこれ以上汚すのもどうかと思いますので、これくらいで
    と、そうそう、音楽も酷かった
    前作のあの重厚でありながらクールなテーマ曲をよくもあんなクソダサアレンジできるものだと逆に感心しましたわ

    前作が自分にとってどれほど大切な作品かは先日書かせていただいたとおりです
    ロボや怪獣もですが、ドラマやキャラクターにもしっかりした実在感が伴っていたからこそ、私はあそこまで打ちのめされ、全身の毛穴が逆立つほどの感動を覚えたのです
    今作にはそのような重みが全く存在しません
    全てにおいて軽いのです
    ポンと定型的なキャラを放り出し、小奇麗なCGで飾りつけただけのハリボテが人の心を動かせるはずがありません

    デルトロ先生の変質的なまでの拘りは、ひとえに彼の愛故のものです
    シェイプ・オブ・ウォーターもまさにそうでした
    今作には全てにおいて愛が感じられない
    先日のコメントで監督はファンサービスに徹したのだろうと書きましたが、これがその結果ならその方向性は悉く間違ってます
    ヤングアダルトものとして見るならパワー・レンジャーのほうがずっと面白かったししっかり考えて作られてたわ!!

    ユニバース化したいなら勝手にすればいいと思いますが、自分の中でのパシリムは1で終わりました
    幸い、冒頭で書いたとおりスピルバーグのおかげで記憶の上書きをすることは可能になりましたので、公開時期だけはよかったかなと思っています

    長文失礼しました
    私の中に生まれた感情も、スパイクロッドさんと同じく明快な「怒り」でした

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      starさん、再度のコメントありがとうございます!

      「starさんはどっちに転ぶのかな?」とニヤニヤ想像しておったのですが、やはりこちら側でしたか(笑)。偉大な第1作とは路線を違えた第2作の代表例として『エイリアン2』があると思うのですが、プロットだけ踏襲して違うことをやったとしても、圧倒的に面白ければなんの問題もないのですよね。問題があるのはこの『アップライジング』がただひたすら面白くないから!それがすべての問題なのです。

      そういえばtwitterでボクの感想を、「前作を神格化しすぎ。あれもそうとういびつだったぞ」と書いている人がいたのですけど、まさにその「いびつ」さが大事であり、それゆえに神格化したと思うのですけどね。小ぎれいにまとまったハリウッド映画ではないのですよ。そんな規制の枠から勢い余ってはみ出した「いびつ」さこそが『パシフィック・リム』の偉大さのゆえん。対して『アップライジング』はそのなかでちょこんと正座した凄く行儀のいい作品。その差はもう歴然ですよね。starさん同様、ボクのなかでも『パシリム』はあの1作かぎりです!

      あ、ボクも昨日『レディ・プレイヤー・ワン』観てきましたよ。今から感想書きま~す!

  7. パンプ より:

    初めまして、たまに辛口映画評を読みに来ています。
    自分は1より2でした!
    1は何もかも青暗くて怪獣もロボも殆ど見分けられなかった。
    今回は見えたから楽しかったです。
    あと、2は強度設定ムチャクチャなシーンが少なかったのと、氷上でジプシーの腹あたりで歩行衝撃緩和させてるっぽい映像が良かったです。
    デルトロ監督別に帰還しなくていいって気持ちありますねー…デルトロ映画は暗すぎて。1の熱狂に乗れなくてざんねんです。

    • スパイクロッドスパイクロッド より:

      パンプさん、コメントありがとうございます!

      第1作に対する思い入れの深さで続編の評価も変わってくるようですね。夜、水、という映像的な暗さに加え、物語もけっこう暗かったのはデル・トロの特徴だと思うのですが、デナイト監督はあえてその真逆をいったのでしょうね。昼、そしてくよくよ考えずに突き抜ける明るさ。あの暗さが良かったんだよ~という人間にはこの続編は不評ですが、あの暗さに乗れなかった~というパンプさんのような人たちには続編の明るさのほうがしっくりくるのでしょう。ひとつの映画の評価だけでこれだけ違ってくるんだから人間って面白いもんです。