ディズニー、都市伝説、選民思想。いろいろと不平不満はあるでしょうが、ボクは絶対的にこの作品を推したい。だって、まさかディズニー映画でこれだけの人体破壊ゴアゴア描写が拝めるとは思ってなかったから!
作品情報
トゥモローランド
- 原題:Tomorrowland
- 製作:2015年/アメリカ/130分
- 監督:ブラッド・バード
- 脚本:デイモン・リンデロフ/ブラッド・バード
- 撮影:クラウディオ・ミランダ
- 音楽:マイケル・ジアッチーノ
- 出演:ジョージ・クルーニー/ブリット・ロバートソン/ラフィー・キャシディ/ヒュー・ローリー
予告編動画
解説
レトロフューチャーが一周回って新しいかもしれない架空都市を舞台に、中年童貞が最後に空を飛ぶディズニー製作によるSFアドベンチャー映画です。
監督は『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード。前作の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に続く実写作品第2作です。主演は『ゼロ・グラビティ』のジョージ・クルーニー。
共演には『僕のワンダフル・ライフ』のブリット・ロバートソン、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』のラフィー・キャシディ、『フェイク シティ ある男のルール』のヒュー・ローリーなど。
あらすじ
宇宙に憧れる17歳の女子高生ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)。NASAのエンジニアである父の仕事を確保するため、ケネディ宇宙センターのロケット発射台解体を阻止しようとした彼女だったが、あえなく計画は失敗。拘束されてしまう。
解放後、彼女は自分の手荷物のなかに見慣れぬバッジが入っているのに気づいたのだが、それに触れた途端に未知なる世界“トゥモローランド”へと紛れ込んでしまう。
見たこともない世界に魅了されたケイシーの前に、バッジを渡した張本人だと名乗る謎の少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が現れる。彼女が言うには、ふたたびトゥモローランドに行きたいのであれば、フランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)という男を訪ねよということだったのだが……。
感想と評価/ネタバレ多少
「ウォルト・ディズニー最大の謎にして、最高のプロジェクト」というキャッチコピー。話の内容がいまいちつかみづらい予告編。何やらベールに包まれたこの映画がずっと気になっており、珍しく公開初日に劇場へと足を運んできました。
何より大好きなブラッド・バード監督作でもありましたしね。アニメーションで培った技術を駆使して実写映画へと殴り込みをかけた彼の実写監督第2作目。どんな映画なのかいまいちよくわかりませんが、期待するなと言うほうが無理な話です。
ディズニー嫌いでも大丈夫
まず初めに断っておきますと、ボクはディズニー大嫌いのゲス野郎であります。大ヒットした『アナと雪の女王』にも洟もひっかけないありのままの厭世家です。血みどろ極悪キチガイ変態難解不条理映画が大好物な、どうしようもない社会不適合者であります。
『トイ・ストーリー』から始まるピクサーのCGアニメ映画は例外として、ディズニーがかかわった映画にロクなものはないというのが持論であり、大好きなブラッド・バード監督作とはいえ一抹の不安があったのも事実。
結果、そんな不安はまったくの杞憂に終わりましたね。さすがはブラッド・バードです!やはりブラッド・バード映画にハズレなし!ディズニー映画の基本はいちおう押さえながら、その枠を大胆にはみ出した実に小気味よい作品へと仕上がっておりました。
ディズニーなんて関係ねえ!
これはどういうことかと申しましたら、つまりディズニー好きの皆さまが期待しておられるような、心温まる、夢と希望にあふれた、誰もが楽しめるステキな映画ではないということを示しており、宣伝のミスリードに誘われて鑑賞を検討しておられる方はご注意を。
ウォルト・ディズニーも、ディズニーランドも、都市伝説も、たいして本筋には関係ありませんから!しかし、ディズニー嫌いの自分にとっては無問題。いやさ大歓迎!予測不能なムチャクチャな展開にあふれる興奮を抑えることができませんでしたね!
次に何が起こるのか?物語がこの先どう転ぶのか?どんなギミックが飛び出すのか?笑いと興奮とスリルを怒涛のテンポで畳みかけてくる、アニメーションで培ったブラッド・バードの演出力が冴えわたっておりました。
映像、オマージュ、中年童貞
映像的には、異世界というか未来世界描写のレトロさに不満を述べておられる方もいましたけど、これはあえてのレトロさだとボクは思いますね。あの時代に夢想された未来世界の再現。それゆえのレトロフューチャー。
ボクはこの点に関してはなんの違和感も覚えませんでした。とりわけトゥモローランドの全貌を見せていく長回しは必見です!古今のSF映画へのオマージュも映画好きにはたまりません。
そしてキャラクター的に見逃せないポイントが、『キック・アス』のヒットガールを彷彿とさせるラフィー・キャシディの破壊力と、どの映画もおんなじジョージ・クルーニーがまさかの中年童貞を演じていたという点。
「え?そんな設定あったっけ?」と思われる方もいるかもしれませんけど、これはおそらくそうなはずであります。多感な少年期に体験した失恋の痛手をいまだに抱えた中年童貞。彼のトラウマ解消がドラマの重要ポイントですしね。
まさかの人体破壊ゴアゴア映画
そしてこの作品を普通のディズニー映画ではなく、我々ゲス人間を狂喜乱舞させた最大最高ポイントが、切り株首チョンパ人体破壊ゴアゴア映画だったという驚愕の事実です!
「どうせディズニー映画だろ」と高をくくっていたボクといたしましては、これには心底ビックリし、そして狂喜しました!制約の多いディズニー映画で頭をひねってこれをやったブラッド・バードの勇気には、あらためて拍手です!
不満はあるけどボクは推す!
物語としての重要な部分の抜け、ご都合性、テーマの説教臭さなど、脚本的な問題点は確かに多く、後半の展開には正直疑問も多いです。しかし、悪役がいっきに語った現在社会へのメッセージはけっこう痛烈でして、特に終末願望には痛いところをつかれましたね。
それを娯楽として消費してしまっている自分の姿を顧みずにはいられません。なるほど。自分のようなゲス野郎が世界をさらに悪くしてしまっていたのか!申し訳ない!好きやねんそれが!
というわけで、過去のブラッド・バード作品と比較してしまうと、やはり脚本的な欠陥は目につくわけですけど、こと映像、演出に関しては最高レベルだったと言ってもよいのではないでしょうか?制約の多いディズニー映画でよくやったとボクは思いますよ。
賛否両論、やや否のほうが多いかもしれない作品で、いわゆるディズニー映画が好きな方にはおすすめできませんけど、ボクと同じゲス野郎には問答無用におすすめです。なんせ天下のディズニーが人体破壊ゴアゴア映画を作ったわけですから!
個人的評価:7/10点
コメント
こんにちわ。
お引越しなさったんですね!
前のブログも楽しかったけど、より一層見やすくスケールも大きくなりましたねぇ♪
この作品、ワタシも好きです。単純に映像を見るだけでワクワク出来ましたもん。
細かい時間軸などは理解出来なかったケド・・・。
そっくりイラストのラフィー・キャシディちゃん。透明感があって美人♪
先が楽しみですねー^^
リンクいただいて帰ります♪
いやースパイクロッドさんがこれを観るなんて!?と思いましたが、
成程、ディズニーとは関係なく観ることができるんですね。
これはちょっと興味が沸いてきました。
レンタルしないと!
って、いつのことだ・・・(^_^;)。
コメントありがとうございます、mia☆miaさん!
ええ、こっそり夜逃げしておりました(笑)
まだまだ移ったばっかりで馴染んでない感じですけど、
これから精進していくつもりです!
この作品は映像のすばらしさと、畳みかけるような演出が秀逸でしたね。
さすがはブラッド・バードです!
ラフィー・キャシディ嬢は初めからイラストに描くつもりだったんですけど、
やっぱり子供の似顔絵は難しいですわ。
おっさんばっかり描いてるもんで、女性と子供は苦手なんです(笑)
でも確かに先が楽しみな子役ではありましたね。
くれぐれも道を誤らないように。
コメントありがとうございます、バニーマンさん!
しかし、バニーマンさんにとってのボクのイメージとはいったい!?
頭のおかしい映画ばっかり観て、
ひとりでニヤニヤしている変人だとでも思われているのでしょうか?
まあそのとおりなわけですけど(笑)
今回の記事中でも自分でそう書いちゃってますからね(笑)
最近の映画はとにかくレンタルされるのが早いので、
覚えていたらぜひ観てみてください!
けっこうおすすめですので♪
イラストに惹かれてやってきました^^
観ようか観まいか悩んでいたんですけども、ちょっと観てみたくなりました!!
個人的にはディズニー映画大好きなんですが、こういう見方もあるのかと思いました(笑)
わくわくしながら観に行ってみます^^
とんけさん、コメントありがとうございます!
ヘタクソなイラストですが、お気に召していただいて感激です♪
ボクの視点はおそらくかなり偏っておりますので、
はたして参考になりますかどうか(笑)?
でもホント、普通におもしろい映画だとも思いますので、
ぜひわくわくしながら観に行ってきてください!
楽しい時間を過ごせることをお祈りしておきます。