『誘拐の掟』感想とイラスト 赤頭巾ちゃんを救え!

映画『誘拐の掟』リーアム・ニーソンのイラスト(似顔絵)
呑んだくれるリーアム。無敵のリーアム。悲しそうな顔のリーアム。電話で凄むリーアム。いつかどこかで見たリーアムの姿。でも、肝心なところですっ転ぶリーアムは初めてかも?

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作品情報

『誘拐の掟』
A Walk Among the Tombstones

  • 2014年/アメリカ/114分
  • 監督・脚本:スコット・フランク
  • 原作:ローレンス・ブロック
  • 撮影:ミハイ・マライメア・Jr
  • 音楽:カルロス・ラファエル・リベラ
  • 出演:リーアム・ニーソン/ダン・スティーヴンス/ブライアン・“アストロ”・ブラッドリー/デヴィッド・ハーバー

参考 誘拐の掟 – Wikipedia

予告編動画

誘拐の掟 – 映画予告編 [ リーアム・ニーソンvs.殺人鬼 ]

解説

無双しないリーアム・ニーソンがハードボイルドぶりながら階段でずっこけるクライム・サスペンスです。アメリカの作家ローレンス・ブロックによる「マット・スカダー・シリーズ」の一編『獣たちの墓』を原作としております。

監督は『アウト・オブ・サイト』や『マイノリティ・リポート』の脚本を手がけたスコット・フランク。主演は『ラン・オールナイト』のリーアム・ニーソン。共演に『ザ・ゲスト』のダン・スティーヴンス、『ザ・プレデター』のボイド・ホルブルックなど。

あらすじ

酒に溺れて自身が招いた失態から大きなトラウマを抱え、刑事を辞職した無免許の私立探偵マット・スカダー(リーアム・ニーソン)。

アルコール依存症の集会で知り合ったピーター(ボイド・ホルブルック)の頼みで、彼の弟であり麻薬ディーラーのケニー(ダン・スティーヴンス)の依頼を引き受けることに。

その依頼とは、誘拐されたうえに無残にも殺害された妻の復讐を果たすため、誘拐犯たちを見つけ出してほしいというものだった……。

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感想と評価/ネタバレ多少

60歳手前にして突如としてアクションに目覚めた無双俳優リーアム・ニーソン。いまや彼の代表作は『シンドラーのリスト』でも『マイケル・コリンズ』でもなく、無双アクション・シリーズ『96時間』となってしまいました。

この映画もその系譜の内容かと思っておりましたが、アクション系の『96時間』ではなく、サスペンス系の『フライト・ゲーム』や『ラン・オールナイト』のほうでした。無双リーアム反対派の自分としてはとりあえず一安心。

この映画の売りとは?

というわけで、今回のリーアムはほとんど無双しておりません。それでは何を売りとした映画だったのか?犯人の猟奇性や目的に焦点をあてたサイコスリラー?もしくは謎解きを主体としたミステリー?う~ん、どちらも違うような気がいたします。

サイコスリラーとしては猟奇性の描写が隠し味程度で、犯人たちの異常性にもあまりスポットはあてられていないし、ミステリーとしてもかなり早い段階で犯人たちに顔バレさせており、誰が?なんのために?といった謎解きの面白さは正直ありません。

この映画のアピールポイント、売りはアクションでもサスペンスでもない。ではいったいどこにあるのか?答えは簡単。「リーアム・ニーソン」ただこの一点なのであります。

リーアム・ニーソンを愛でる

「サスペンスを装ったリーアム・ニーソンを愛でる映画」という表現はやや穿ちすぎでしょうか?しかし、誘拐事件や猟奇殺人のいい加減な扱いを見ていると、どうしてもそう思ってしまいますわな。

「呑んだくれて人生を棒に振った親父の罪滅ぼし」という、ここ最近のリーアム定番ドラマこそがこの映画の主眼であり、事件はその器にすぎません。描くべきはこの親父がいかにしてトラウマから解放されるか?それゆえこの親父探偵のキャラクターに依存したハードボイルド、もしくはノワール映画と相成るわけです。

そういう映画としての雰囲気はとりあえず合格点と言っておきましょう。抑えられた色調のなか、とにかく図体がデカくて悲しい顔をした元アル中親父がひたすら歩いて事件を捜査する。捜査の基本は足だというアナログ親父と、やさぐれデジタル小僧との交流。うん、基本は悪くない。リーアムの存在感もいつもどおり。

親父アイドルの誕生

しかしですなあ、このドラマの器となる誘拐猟奇殺人事件の細部の甘さはなんとかならんかったのか?引きはよかったというのに、その真相にはなんの面白味も驚きもない。問題はリーアムにだけかまけすぎでそれ以外がなおざりだということ。つまりは薄っぺらいわけですな。

主役のリーアムも含めて登場人物がドジってばかりというのも気になります。ハードボイルドなのにドジっ子ばかりって何?特にクライマックスですってんころりんするリーアムには思わず失笑。ここで転ぶ!?そういうお茶目さを売りにしてるの?ってアイドル映画か!

まあ広義ではアイドル映画なのかもしれませんな。リーアム・ニーソンという男の哀愁、カッコよさ、そしてかわいさを愛でるための映画なのですから。リーアムも齢60を越してアイドルの仲間入りを果たしたというわけですな。う~ん、なんか感慨深いなあ(何が!?)。

鮮烈なる赤!

ただまあ脚本的には難ありの映画だったわけですが、前述したようにノワール的な雰囲気は悪くなかったですし、ここぞという場面の映像演出もなかなか目を見張るものがありました。

冒頭の日常的風景からゆるやかに移行する突発的銃撃戦の衝撃。これにはいきなり股間を鷲づかみにされましたし、続いて映し出される官能的ラブシーンと見せかけて実は鬼畜な凌辱現場という見せ方のうまさには、監督の性格の悪さがうかがえる驚きと恐怖と怒りがありました。

そしてこの作品最大の白眉はもうここしかないでしょう。全体的に抑えた色調で構成された映像のなかで唯一映し出される鮮烈なる赤!このシーンの気合いの入りようは完全にほかと一線を画しており、いろんな意味で危ないインパクトを味わえますよ。

赤頭巾ちゃんというのはいろんな意味で危険の象徴ですからね。もしやこのスコット・フランクという監督はそっち側の人なのかな?いかん!赤頭巾ちゃんが危ない!リーアム!赤頭巾ちゃんを助けて!

個人的評価:5/10点

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リーアム・ニーソン

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コメント

  1. ミス・マープル より:

    TBありがとうございます。
    赤ずきんちゃんは「危険」の象徴、うまい!
    映画内の猟奇的な殺人事件についての捜査が全然記憶に残っていません。
    渋いリーアムさんの姿に高評価の方が多い中、どうもダルイとしか感じられませんでした。
    でも60歳を過ぎたら、いつまでもノンストップアクション路線は苦しいかな。

  2. スパイクロッド より:

    ミス・マープルさんコメントありがとうございます!
    確かにたるいところもありますけど、ボクはハードボイル的雰囲気は悪くなかったと思いますよ。あくまで雰囲気ですけどね。あとはおっしゃるとおり大本の事件の内実でしょうね。これがなおざりだから雰囲気ののみにとどまってしまっておるのです。赤頭巾ちゃん登場シーンに込めた熱量をもっとそっちのほうにも投入してほしかった!