『マッドマックス 怒りのデス・ロード』感想とイラスト 「俺を見ろ!」と俺も言おう!

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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ニュークスのイラスト

およそ30年の時をへだてて開催される砂漠のキチガイ祭り第4弾。この興奮!驚き!そして感動!を「ヒャッハーーーー!」以外の言葉で言い表せましょうか!?いつかボクも言いましょうぞ。「俺を見ろ!」と!

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作品情報

マッドマックス 怒りのデス・ロード

  • 原題:Mad Max: Fury Road
  • 製作:2015年/オーストラリア、アメリカ/120分/R15+
  • 監督:ジョージ・ミラー
  • 脚本:ジョージ・ミラー/ブレンダン・マッカーシー/ニコ・ラソウリス
  • 撮影:ジョン・シール
  • 音楽:ジャンキー・XL
  • 出演:トム・ハーディ/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/ヒュー・キース=バーン

参考 マッドマックス 怒りのデス・ロード – Wikipedia

予告編動画

解説

核戦争によって荒廃した近未来。弱肉強食の砂漠を舞台におよそ30年ぶりのキチガイ祭りが開催される、全世界待望のSFアクションシリーズ第4弾です。

監督は『マッドマックス』シリーズの生みの親であるジョージ・ミラー本人。主役のマックスはメル・ギブソンから『ヴェノム』のトム・ハーディへと交代。

共演には『プロメテウス』のシャーリーズ・セロン、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のニコラス・ホルト、そして記念すべき第1作の悪役トーカッターを演じたヒュー・キース=バーンが再び大ボスを演じております。

あらすじ

大国間の核戦争により環境は汚染され、物資は枯渇し、もはや文明社会は崩壊した近未来。そんな世界で愛する者たちを守れなかったトラウマから孤独を選び、ただ本能のみで生き長らえている元警官のマックス(トム・ハーディ)。

物資を独占し、狂気と暴力によってすべてを支配する独裁者のイモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)の手下によって捕えられたマックスは、彼らの“輸血袋”として利用されることに。

そんななか、ジョーの右腕であったはずの女戦士、大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が反旗を翻し、ジョーの5人の妻を連れ出して逃亡を図る。怒り狂ったジョーは自らの指揮で追跡を開始するのだが、いまだ囚われの身のマックスもこの狂気の追跡劇へと否応なく巻き込まれていくのだった……。

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感想と評価/ネタバレ無

前作の『サンダードーム』から時をへだてること30年。この時がやって来るのを一日千秋の想いで恋い焦がれていたかといったら別にそれほどではなく、世代的にタイムリーではない自分の熱量は諸先輩方ほどの沸点へとは到達していませんでした。

しかし、おさらいとしての旧シリーズ鑑賞、予告編、海外での激賞を見るにつけ、このキチガイ祭りへと自分も参加したい、「ヒャッハーーー!」したいという欲求がふつふつと湧き上がってきたのでありますよね。もう抑えきれないぐらいに!

キチガイ祭り大開催!

そしてとうとうやって来ましたお祭りの開催日。お供の美女ふたりを両脇に従えて、行ってきましたよキチガイ祭り!そう!まさにキチガイ祭り!何度でも言いますよ!キチガイ祭り!キチガイ祭り!!はい、しつこかったですね、ゴメンなさい。

でもね、もうそうとしか形容しようがないのでありますよ!シリーズ最高、いやさ、アクション映画史上最高のキチガイぶりと言っても過言ではありません!っていうかこんな映画観たことねぇ!

核戦争後の砂漠化した見渡す限りの荒野。力と狂気がすべてを支配する絶望的世界。そんな悪夢から逃れようと逃亡を試みた女性たちと、彼女たちと心ならずも行動をともにすることとなった男の決死の逃避行。

物語としてはただこれだけです。潔いまでにこれだけです。キチガイどもから逃れるために砂漠をトラックで爆走する。延々と繰り広げられるカーチェイス。ホントにただこれだけだというのに、いったいなんなんだこの熱量は!

狂気へのいざない

まあこの裏側には昨今のISIL(イスラム国)の勃興や、フェミニズムへの言及、自己救済などが見え隠れしており、実は何げに深いテーマやメッセージを内包した物語ではあったのですけど、それに気づこうが気づきまいがたいした問題ではありません。

あくまでそういう小難しい話は刺身のつまとして咀嚼してかまわず、この映画の醍醐味はやはり問答無用に雄たけびをあげたくなる「ヒャッハーーー!」にこそあるわけです。

キチガイ、変態、奇形、狂信者どもが太鼓を叩き、ギターをかき鳴らし、棒高跳びをし、吹っ飛び、轢死し、チェーンソーをぶん回し、口角泡を飛ばしながら砂漠を爆走、粉砕、蹂躙しまくるという、完全無欠のヒャッハー祭りにこそあるのです。

本当に『マッドマックス』シリーズの歴史、いやさ、アクション映画の歴史を塗り替えてしまうほどのキチガイヒャッハーぶりでありまして、この狂気の熱量にいったい誰が抗えましょうか!?

とりわけ太鼓隊と火炎放射ギタリストの献身的かつ狂信的プレイのライブ感は半端なく、なんとか自分もあの末席に加えてほしいと咆哮をあげそうになるのを両脇の美女たちに羽交い締めされ、ただただ彼らの熱きプレイを凝視してむせび泣くしかないのであります。

彼ら超絶バンドマンたちだけではなく、母乳ソムリエ、フリークス大行進、ウォーボーイズたちの狂信的な言動、ファッション、世界観、改造車、すべてが狂いに狂ってます。

自分もこの時間を共有している以上、同じく狂ってしかるべきであると覚悟するものの、それを許してはくれない世間の風当たりにやはりむせび泣くしかないのであります。ああ~無常。

ニュークスを観ろ!

結局のところ、映画の8割方がこのあえてCGには頼らない狂気の超絶バカアクションによって占められておるわけですけど、ただアクションが派手なだけでは意味がありません。

そう、いくら物語が単純きわまりない行きて帰りしだとはいっても、燃えるアクションに必須なのは泣けるドラマ。これがなければただ派手なだけのバカ騒ぎ。しかし実に喜ばしいことに、この狂った映画には見事にその両輪が揃っておったのです。

未見の方のためにあえて多くは語りませぬが、シャーリーズ・セロン演じる大隊長フュリオサと、ニコラス・ホルト演じるニュークス。このふたりの熱き生きざまを描いた感涙必至のドラマをぜひとも観てほしい!

特にニュークス!ニュークスなのですよ!まさかこいつがここまでの活躍を見せてくれるとは予想だにしておりませんでした!この映画の主役は終始影の薄いマックスでもフュリオサでもなく、ニュークスなのです!どうか彼の生きたあかしを観てやってほしい!

「Witness me!(俺を見ろ!)」

自分に素直にヒャッハーしよう

実は正直に白状させていただきますと、観了直後の評価は最終的な結果よりもやや低めだったのです。こんな単純明快なキチガイ映画に狂喜乱舞してしまってはいかん!俺もそろそろシネフィルの仲間入りを果たすのだ!いかんいかん!いかんぞ!という自己の上げ底機能が働いていたのやもしれませぬ。お恥ずかしい。

しかし、この感想を書くためにパソコンの前へとパンイチで正座し、あのつい先ほど観たキチガイ映画を思い起こせば思うほど、我が極悪面に浮かび上がってしまう喜色満面を抑えることができないのであります。

そのまま勢いに乗って、あられもないパンイチスタイルのまま表通りを「ヒャッハーーー!」と駆け抜けたい衝動に駆られる阿呆がひとり。これは柄にもない背伸びなどやめ、自分に素直にこの文章をしたためねばならぬなと思い至った次第。いや~ホントにお恥ずかしい。

R15+指定ですので、そこそこのグロ映像、ここまで書き散らしてきたキチガイ言動の雨あられなわけですけど、今回このキチガイ祭りに同行してくださった美女ふたりも歓喜と感涙の激賞という結果になりましたので、意外と女性の方にもおすすめできる映画やもしれませぬ。

もちろんボンクラ男どもには問答無用のおすすめですよ。まだ鑑賞されておらぬボンクラさまは、一刻も早く劇場へと足をお運びください。っていうかさっさと行け!

個人的評価:9/10点

DVD&Blu-ray

VOD・動画配信

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が定額見放題なおすすめ動画配信サービスはU-NEXT、Netflix(2020年2月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

追加のネタバレ感想も読みたい方はこちら

『マッドマックス』シリーズの感想はこちら

コメント

  1.  私はいっそマックスはあからさまに脇役にして、片腕の美女を主人公に据えてほしかった。

  2. スパイクロッド より:

    晴雨堂ミカエルさん、コメントありがとうございます!
    ミカエルさんはもう観られたのですかね?
    マックスはあからさまではないものの半分脇役、
    常に一歩引いた立場のサポート的立場であり、
    やはり真の主役と呼べるのはフュリオサであり、
    ボクのなかではニュークスなのであります。
    今回は2Dでの鑑賞となりましたので、
    もっかい3Dで観に行ってもいいですよね~♪

  3. maki より:

    こんにちは!
    一晩たっても興奮冷めやらずで、
     行く前→楽しみだなあワクワク
     見た後→ヒャッハーー!!!!!
    サントラも買ってしまいましたよん♪
    マックスとフュリオサが中盤、共闘するあたりに流れる曲がすげえかっこよくて。
    それにしてもヤバイ、すげぇ面白い映画でしたね!
    私の中ではこれは忘れられない最強の映画です
    あそこがよかったとか、ここがよかった、とか、
    言う言葉がでてこない、見る人のIQをおかしくさせる映画でした

  4. スパイクロッド より:

    makiさん、コメントありがとうございます!
    お返事が遅くなってしまって申し訳ありません!
    鑑賞中は本当にヒャッハー状態で頭がバカになってたんですけど、
    観終わって時間がたてばたつほどそれだけではない、
    実はすんごい映画だったということにあらためて驚きましたね!
    マックスとフュリオサの関係とかも絶妙なんですよね!
    ほとんど会話らしい会話はしていないというのに、
    魂の共鳴というか共感というか、
    けっしてロマンスではない人間と人間とのつながりなんです!
    あの共闘シーンは音楽もよかったけどシーンとしても最高!
    マックスの潔さは同じ男として見習わなければなりません。
    なかなかできませんよあのあっさりバトンタッチ!
    マックスは完全に脇役ではあるけど見事なサポート役でした!
    う~~~~んもっかい観に行きた~~~~~い!!!

  5. maki より:

    もっかい観に行きました!
    やっぱりジョージ頭おかしいと思う。。。
    我々にとっていい意味で!
    ただ残念ながらパンフがもう売ってなかったんですよね
    一回目の時買っておけばよかった…と
    そこは軽く絶望しましたが、2回目だけあって、
    じっくりと観察する事が出来ました♪
    ドゥーフ(ギター野郎)のハンモック姿とか可愛いですよね♪
    バリー&ラリーを肩にかいてみたりしました。

  6. スパイクロッド より:

    makiさん、こちらにもありがとうございます!
    ってさっそくもっかい行ってきたのですね!
    うらやましい~~~~~~!!!
    ボクも今週のどこかでもっかい行きたいと思っております!
    おお!バリーとラリーを描いたのですか!?
    いいですね~~~~~♪
    実際に小児癌患者の子供が自分の腫瘍に名前を付けている、
    という話を聞いてせつないやらかわいいやらで、
    ボクもあのくだりは大好きです!
    写真に残して大事に保管してくださいね♪

  7. maki より:

    こんにちは♪
    3回目見てきました!(記事あり)
    そろそろさすがに冷静になってみ…れるわけがない!!
    色々、やらかしてきました(記事参照)
    一緒に行った友人が、一度鑑賞済みヒャッハーということで、
    同志いや強敵(とも)と言う感じで、
    観終わった後のお昼ご飯の白熱した舌戦が楽しかったです

  8. スパイクロッド より:

    makiさん、コメントありがとうございます!
    いいですね~うらやましいですね~3回目!
    記事のほうも拝見してまいりました!
    読めば読むほど自分ももっかい観たくなる(笑)
    というわけで、本日のレイトショーで2回目に行ってきます!
    ヒャッハーーーーーーーーー!!!!!

  9. maki より:

    4回目みてきましたよ(記事あり)
    スパイクロッドさんの2回目の記事も拝見させていただきました!
    もうそのままウォーボーイズになってもいいのでは!?
    V8!(-乂-)V8!
    大体言いたい事はそのまんま同じで、マックスの背負うものやフュリオサの過去などはパンフにのっていたのですが、
    やはり何度みてもヒャッハーしつつもデレデレになってしまうのです
    一番近い映画館が31日で公開終了とのことで、
    気持ちものすごく萎えております…

  10. スパイクロッド より:

    makiさん、コメントありがとうございます!
    いや~4回目行ってきましたか!うらやましい!!!
    ボクの知人も一度観た人間は必ず2度観るという、
    なかなか珍しい現象が起きていて、
    この映画のすごさをあらためて痛感いたしております。
    さすがにもう一回はボクは無理ですので、
    ソフト化されるまで首を長くして待っているつもりであります。
    モノクロ版が収録されるという話もありますしね♪