『カリフォルニア・ドールズ』感想とイラスト 幻の傑作がついにDVD化!

この記事は約5分で読めます。
映画『カリフォルニア・ドールズ』ピーター・フォークのイラスト(似顔絵)

どれだけ観たくても容易には観ることが叶わなかったアルドリッチの遺作、『カリフォルニア・ドールズ』。とうとう来たか!ついに出るか!やっと観れるか!遅すぎるぐらいだぞバカ野郎が!

スポンサーリンク

作品情報

カリフォルニア・ドールズ

  • 原題:…All the Marbles
  • 製作:1981年/アメリカ/113分
  • 監督:ロバート・アルドリッチ
  • 脚本:メル・フローマン
  • 撮影:ジョセフ・バイロック
  • 音楽:フランク・デ・ヴォール
  • 出演:ピーター・フォーク/ヴィッキー・フレデリック/ローレン・ランドン/バート・ヤング

参考 カリフォルニア・ドールズ – Wikipedia

予告編動画

解説

女子プロレスの世界を舞台に、老年マネージャーと新人女子タッグチームがアメリカ中をドサ回るスポーツ人間ドラマです。

監督は我が心の師のひとりである反骨のB級アクション映画職人、『北国の帝王』や『特攻大作戦』で知られるロバート・アルドリッチ。残念ながらこれが師匠の遺作となってしまいました。

主演は『刑事コロンボ』のピーター・フォーク。映画への出演は意外と少ない彼ですが、キャリア最高の演技だと言ってもよいでしょう。共演にヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、そして『ロッキー』でお馴染みのバート・ヤングなど。

あらすじ

実力はありながらもなかなか芽が出ないアイリス(ヴィッキー・フレデリック)とモリー(ローレン・ランドン)の女子プロレスタッグチーム、“カリフォルニア・ドールズ”。

ベテランマネージャーのハリー(ピーター・フォーク)を加えた3人で全米を回りながら、成功を夢見て闘い続けるものの現実は厳しく、彼らの生活はまさにどん底そのものであった。

そんな3人の前にやっと舞い込んだタイトルマッチという一世一代の大チャンス。ここで策士ハリーは勝利のためになりふり構わぬ大勝負に出るのであった!

スポンサーリンク

感想と評価/ネタバレ無

劇中で使用されている音楽の権利関係の問題により、日本では長らく幻の傑作として知る人ぞ知る映画と化していた『カリフォルニア・ドールズ』。さる4月8日にようやくここ日本でもDVDが発売されまして、念願かなって初鑑賞することができました。

人生の悲願をひとつ達成した率直な感想を述べさせていただくと、もう「最高!」の一言であります。死ぬ直前までアルドリッチはアルドリッチだったということです。

アルドリッチの守備範囲

女子プロレスという何をどうしようがキワモノにしかならないと思える題材を、臆することなくキワモノとして描きながら、そのうえでロードムービーを主体とした哀愁にじむ負け犬のドラマ、さらには胸熱く燃えたぎる感動スポ根ものとして見事に昇華させておるのですよね。

どんな題材でも手堅く標準以上にまとめあげ、なおかつ自らのフィールドへと引きずり込んでしまうアルドリッチの演出力にはあらためて感嘆いたしますな。

実はこっそりアルドリッチは女性映画も得意だったりするのですよね(『何がジェーンに起ったか?』『ふるえて眠れ』『甘い抱擁』)。もうなんでもござれですわ。

勝負師としての生きざま

ドサ回りの極貧どん底負け犬生活のなかで、名実ともに体を張って日銭を稼ぎ、涙にくれながら、なんとかここから這い上がってやろうとするドールズたちの尽きないバイタリティは、女性の闘いを描いた映画として非常に感動的であり、熱くなるものがありました。

しかし、やはりこの作品の肝はピーター・フォーク演じるマネージャーにあると思うのですよね。妙な格言を弄する飄々としたしょぼくれ親父なのですけど、彼の勝負に勝つための戦略、めげない根性、そして熱いハートがたまらんわけです。

「いかにして勝つか?どうやって生き残るか?どんな手段を使っても!」

ホントに死の2年前までこんな濃い映画を撮っていたわけですから、アルドリッチとは根っからの勝負師なのですね。人生をあきらめない、這い上がる、勝つための深い洞察とエネルギーに満ちあふれております。

ドールズのふたりに拍手!

そんなハリーとドールズたちとの関係も、ベタベタやギトギトではない絶妙な距離感でこれまたいい塩梅なんです。恋愛感情もあることはあるのですけど、ネットリではない非常にサラリとした爽やかなもので、あくまで基本は運命共同体なのですよね。

そんな運命共同体3人が挑んだラストのタイトルマッチの面白さ、熱さ、感動はもう語り尽くせません!とにかく観ていただきたい!興奮して、笑って、泣けること請け合いですよ!単純にプロレスの試合としても面白いですから。

その点もしっかりと魅せてくれるヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンの頑張りには心からの拍手です!

かけめぐる青春

ところで、女子プロレスの美人タッグといえばやはり思い出されるのはかのビューティ・ペア。てっきりこの映画から何がしかの影響を受けて結成されたものだとばかり思っておったのですけど、順番的には逆なのですね。

この映画を観て、記憶の片隅で珍妙なステップを踏みながら、「ビュ~ティ♪ビュ~ティ~♪」と仕方なさそうに歌っておる彼女たちの姿が否応なしに想起され、なんともいえない時代の哀愁にひとり黄昏てしまいました。

個人的評価:8/10点

DVD&Blu-ray

VOD・動画配信

『カリフォルニア・ドールズ』が定額見放題なおすすめ動画配信サービスはU-NEXT(2020年2月現在。最新の配信状況はU-NEXTのサイトにてご確認ください)。

プロレス映画の感想ならこちらも

コメント

  1. こんにちは。
    ビューティペアのトリハダ動画をありがとうございます。
    あの歌、そんな名前だったんですね。
    私の覚えてるのは「ビューティビューティ〜」の下りだけです。
    ホント不思議な社会現象でしたねアレは。
    あ、私のブログのリンクを新しいサイトの方にしましたので確認をお願いします。

  2. ちょい若おやじ より:

    スパイクロッドさん、こんにちは。
    お引越しされたのですねー。
    僕のブログのほうのリンクもこちらのニューバージョンのタイトルに変えさせて頂きました。
    これからも、心をくすぐる絵と「偏愛」っぷりを楽しみにしながら、訪問させていただきます!

  3. *BUCHA* より:

    スパイクロッドさん、こんにちは(^O^)
    早速、レンタルしてきました。
    これから観まーす。楽しみです♪

  4. スパイクロッド より:

    けふこたかはしさん、こちらへのご訪問ありがとうございます!
    ビューティ・ペアの動画は探したらありましたので、
    喜び勇んで貼り付けた次第であります(笑)
    喜んでいただけて幸いです♪
    リンクの変更もありがとうございます!
    どうぞこれからもよろしくお願いしますね!

  5. スパイクロッド より:

    ちょい若おやじさん、こちらへのご訪問ありがとうございます!
    そうなんですよ。いろいろ悩んだ末にこちらに移ってきました。
    ちょい若おやじさんのご期待にそえるように頑張りますので、
    またいつでも遊びにいらしてください!
    それではまた!

  6. スパイクロッド より:

    *BUCHA*さん、こちらへのご訪問ありがとうございます!
    おお!さっそくレンタルされましたか!
    *BUCHA*さんの感想も楽しみにしていますので、
    またそちらにも寄らせていただきますね♪