『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』感想とイラスト 人の姿をした人

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映画『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』アンソニー・ウォンのイラスト(似顔絵)
俺が丹精込めて作ったアフリカン・バーガー。この世のものとは思えぬ味わい深さに空前絶後の大ヒットよ。その噂を聞きつけて例の巨大チェーン店がやって来たぜ。これで傾きかけたあの店も立て直すことだろうよ。ひひひひひひ。

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作品情報

『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』
伊波拉病毒/Ebola Syndrome

  • 1996年/香港/98分
  • 監督:ハーマン・ヤウ
  • 脚本:チョウ・ティン
  • 撮影:ユー・クォックピン
  • 音楽:マク・チュンハン
  • 出演:アンソニー・ウォン

参考 Yi boh lai beng duk (1996) – IMDb

解説

情け無用の変態キチガイ極道はエボラウィルスまで呑み込んで無敵の悪魔と化すという伝説の悪趣味ホラーです。

監督&主演は『八仙飯店之人肉饅頭』のハーマン・ヤウとアンソニー・ウォン。ほかの共演者なんてどうだっていいのです。我らがアンソニー・ウォンさえいてくれたら!

あらすじ

香港マフィアの下っ端として働くカイ(アンソニー・ウォン)。ある日ボスの女房との情事がバレて殺されそうになるが、発狂して反撃。逆にボスと女房を殺して南アフリカへと高飛びしてしまう。

それから十数年後、小さな中華料理店のコックとして働いていたカイは、店主とともに買い出しに出かけた原住民の村で犯したある行為からエボラウィルスに感染。しかし驚くべきことに、なんとカイは1000万人にひとりしか存在しない特殊な免疫の持ち主だったのだ!

死の淵から奇跡の生還を果たしたカイは、まさに歩く病原体として南アフリカ、そして舞い戻った香港を阿鼻叫喚の地獄絵図へと変えてしまうのであった!

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感想と評価/ネタバレ無

『八仙飯店之人肉饅頭』とこの『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』。ともにハーマン・ヤウ監督、アンソニー・ウォン主演による香港発の伝説的変態鬼畜映画として今もなお語り継がれております。

昨年、この2作に『タクシーハンター』なる作品を合わせて「スーパークレイジー極悪列伝」としてオールナイト上映、ならびに限定版DVD-BOXが発売されたのですが、貧乏暇なしのボクには高嶺の花でした。

そんな赤貧のボクに神は微笑みたもうたのだ!まさかのレンタル解禁!おーまいごっど!あなたに祈った覚えはないがボクの心の叫びが聞こえておったのですね!ありがたや~ありがたや~てなわけで、最低最悪映画『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』の感想です。

脚本も演出も最低!

まず最初に断っておきますが、この映画けっして出来がいいとは言えません。もう脚本は適当、演出はグダグダで、とにかくテンポが悪いことこの上ありませぬ!

ハーマン・ヤウ監督の映画は、アンディ・ラウと石田ひかりが共演した『愛は波の彼方に』というクソ恋愛コメディしか観たことがなかったのですけど、あれと同じくとにかく演出がヘタクソで間延びしておるのですよね。

ただ『愛は波の彼方に』とこの『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』との決定的な違いは、その間延びした演出のなかで描かれている事柄に天と地ほどの開きがあるということです。腐った恋愛コメディと鬼畜殺戮ショー。するとどういう現象が発生するのか?

最低が生み出す最高

答えは簡単。最低が最高へと転換してしまうのです!ふざけた物語とグダグダの演出の合間に展開される外道の限り。妙なゆるさと鬼畜凌辱のコラボレート。これぞカルトたるゆえん!

グダグダであるからこそ、そこで繰り広げられる鬼畜祭りがよりいっそうの狂気と混乱と笑いを生み出しており、この作品を生涯忘れられない伝説へと変換させてしまっておるのです!

どうしようもなくダルンダルンなストーリー展開のなかで突如として繰り出される、あまりに振りきれて笑うしかないエログロナンセンスの数々。え?笑えない?まだまだあんた肉が足りないね。アフリカン・バーガー喰ってこい!アフリカン・バーガー!

人ならざる人らしさ

その名物アフリカン・バーガーを製造販売した伝説の男、カイことアンソニー・ウォンの怪演もオスカー級の凄まじさ!

『インファナル・アフェア』や『エグザイル/絆』の渋さはどこへやらの、基本ヘタレでヘラヘラしたキャラクターなのですけど、ひとたびキレたら何をしでかすかわからない鬼畜外道ぶりが危なっかしくてたまらない。

人としてあるべき良心が完全に欠如したキチガイモンスター。そんな男が歩く病原体と化しているわけですから、こりゃもう鬼に金棒ですわ。エボラウィルスに感染したきっかけからしてゲスの極みですからね。

良心もなければ動機ももたず、ただ己が欲望のおもむくまま、怒りが向かうまま、エログロナンセンスの限りを実践していくカイの姿にあなたは何を見るか?

非人間的だと嫌悪するか、それともむき出しの人間性を感じるか、人ぞれぞれだとは思いますが、人と獣は紙一重ってことですわな。ある意味めちゃくちゃ人間じゃん!

次は『八仙飯店之人肉饅頭』だ!

評判どおり、というか評判以上の最低最悪ゲス映画でして、ボク的には非常に楽しく拝見させていただいたのですけど、耐性のない人は避けて通るのが賢明でしょうね。まあ耐性のない人は最初からこんな映画観ようとは思わないか?

さっき調べてみたら『八仙飯店之人肉饅頭』もTSUTAYAに大量入荷しておりましたので、さっそくこちらも借りて観なければなりません。なんたって「スーパークレイジー極悪列伝」ですからね!

しかしひとつ前の記事が『パディントン』で、今回が『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウィルス』、ほんで今度は『八仙飯店之人肉饅頭』を観ようってんだから、まったくもってブログの方向性が意味不明です。いったいお前はどこから来てどこへ行こうとしているのか?

個人的評価:7/10点

DVD&Blu-ray

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スパイクロッド

映画を観たらとりあえず感想とイラストを書く(描く)人畜無害な釘バット。ちなみにイラストはぺんてるの筆ペン一本によるアナログ描き。

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コメント

  1. スカでしたか。私はそれ以前に邱禮濤監督はあまり好きではありません。この人に監督のポジションを与え続けてくれる香港映画界の懐の大きさ?に感動します。

  2. スパイクロッド より:

    晴雨堂ミカエルさんコメントありがとうございます!
    難しいところですね。映画としての完成度は確かにスカですが、スカゆえに忘れがたい強烈な何かを発している映画だと思います。ポンコツ映画愛好家にとっては貴重な逸品ではないでしょうか?ハーマン・ヤウ監督の映画はあまり観ておりませんので、彼が監督の器なのかどうかは現時点では判断しかねますが、香港映画界の懐の深さには同意です。感動まではいきませんけど(笑)