『アントマン』感想とイラスト アリと3バカが好きになる

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映画『アントマン』マイケル・ペーニャのいらすと(似顔絵)

『黒い絨毯』『巨大蟻の帝国』『フェイズIV/戦慄!昆虫パニック』。あら、意外とあるのねアリ映画。そしてまたここに新たなアリ映画が登場した!しかも今度のアリはなんかかわいいぞ

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作品情報

アントマン

  • 原題:Ant-Man
  • 製作:2015年/アメリカ/117分
  • 監督:ペイトン・リード
  • 脚本:エドガー・ライト/ジョー・コーニッシュ/アダム・マッケイ/ポール・ラッド
  • 撮影:ラッセル・カーペンター
  • 音楽:クリストフ・ベック
  • 出演:ポール・ラッド/マイケル・ダグラス/エヴァンジェリン・リリー/コリー・ストール/マイケル・ペーニャ

参考 アントマン (映画) – Wikipedia

予告編動画

解説

健気なアントニーのことを想わずにはいられないヒーローアクションコメディです。「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第12作目にあたり、「フェイズ2」のラストを飾る作品でもあります。

監督は『チアーズ!』のペイトン・リード。当初の監督は『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライトに内定しておりましたが、諸事情により降板。脚本と製作総指揮に名前を残しております。

主演は『ぼくたちの奉仕活動』のポール・ラッド。共演に『フォーリング・ダウン』のマイケル・ダグラス、『リアル・スティール』のエヴァンジェリン・リリー、『ブラック・スキャンダル』のコリー・ストール。コメディリリーフとしてのマイケル・ペーニャの役割は非常に重要なのです。

あらすじ

バツイチ、前科者、無職という三冠王のスコット・ラング(ポール・ラッド)。愛する娘のために更生を誓うものの、前科者に対する世間の風当たりは予想以上に冷たく、養育費すら払えない始末。

娘に会いたい一心から、悪友の誘いに乗ってとある富豪の屋敷へと潜入するスコットであったが、その屋敷の地下金庫に隠されていた物は、人間の体を自由自在に縮小拡大できるスーツであった!

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感想と評価/ネタバレ無

大作であった前作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に続く、「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズのフェイズ2最終作です。しかし、なぜこの作品がフェイズ2の大トリへと選ばれたのかはいまいち不明。

大作であった『エイジ・オブ・ウルトロン』でフェイズ2が終了していたほうがスッキリしたとは思うのですけどね。大トリを飾るには少々軽い映画のような気もしますが、なんのなんの、その軽さが逆にいい味わいを醸し出しておりましたよ。

マーベル?って人にこそ最適

シリーズの転換点として機能させるため、かなりの内容を詰め込んで大層な話へと仕上げた前作の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』。一転してこの『アントマン』はかなりお気楽な内容で、ヒーローものというよりかはコメディ的要素のほうが強かったですね。シリーズとの関連が薄い単独のヒーロー誕生譚でもあります。

この選択は成功したのかそれとも失敗に終わったのか?少なくともボク的には大成功でした。シリーズとの関連性が薄い単独作品であるがゆえに、マーベルに愛着のない人間も普通に楽しむことができる。

これは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観たときにも感じたことですが、シリーズから離れていればいるほど、ボクのようなマーベルにもヒーローにもさして興味のない人間には非常にありがたい。そういう人にこそおすすめできる映画かもしれません。

等身大ヒーローの誕生

この映画の主人公であるアントマンことスコット・ラングは、超人的な能力や知能を有しているわけでも、大富豪でも、神でもない、ただの人間。っていうか人生どん詰まってしまったダメ人間。彼にあるのはあまり褒められたものではない盗みのテクニックと、仲間想いのやさしい心と、娘を愛する強い気持ちのみ。

そんな小市民感覚丸出しのヒーローが活躍するのがこの『アントマン』という映画。それによる物語とドラマのこぢんまり感は否めませんが、我々の側に接近してくれたこの等身大ヒーロー像には、皆さん素直に感情移入できるのではないでしょうか?

ゆえにこの映画はスケールの大きい戦いに圧倒されるという傍観スタイルではなく、小市民ヒーローの奮闘を一緒になって応援したくなる参加型の映画に仕上がっているわけです。これもシリーズの欠陥を補填する新たな要素として、十分に成功だったと言えるでしょうね。

笑えるヒーロー映画

まあそれに伴いアクションの規模や迫力も縮小化されており、このシリーズの売りであるド派手な映像に圧倒されるということはなくなったものの、縮小と拡大というギミックを最大限に活かした遊び心満載の演出は、このシリーズに欠けていたコメディ的要素の補填、しかもそれを視覚的に成し遂げた見事な演出でした。

そういう路線を目指したがゆえのペイトン・リードの起用だったのかもしれません。まあエドガー・ライトでもよかったような気はしますがね。やりすぎを懸念したのかな?

そしてコメディ的要素でもうひとり忘れてはいけないのが、主人公を支える3バカ大将の筆頭格マイケル・ペーニャであります。

最近、名バイプレーヤーとしてメキメキ頭角を現しつつある彼の、実は心やさしいお調子者ぶり、そしておそらくはエドガー・ライトによる執筆だと思われる、友達の友達の友達から仕入れた情報をご丁寧に開陳していくくだりにはニヤリです。

この微妙なニュアンスをブラマヨの小杉は再現できているのでしょうか?まあ吹き替え版で映画を観ることがないボクには知る由もありませんがね。

アリ好きにはたまらんぞ!

最後にもうひとつだけ。この映画の真の主役は誰なのかと尋ねられましたら、ボクは迷わずアリさんたちだと答えます。もうね、アリさんたちが本当にかわいいったらありゃしないのよ!

虫嫌いの方にはけっこうきついかもしれませんが、ホントに観ているうちにかわいく、愛おしく映ってきますから、ぜひアリさんたちの活躍をご堪能あれ!アントニーの健気さに萌えることは請け合いですよ!

アントニーに萌えたればこその不満、物語・ドラマに対する小さな不満は散見しておるのですが、ちゃんと楽しませていただいたので細かいことは言いますまい。なかなかどうして見事なアリ映画だったとボクは思います。

この映画を観てアリさんたちに興味と好意をもった方は、ぜひとも『フェイズIV/戦慄!昆虫パニック』も観ていただきたい!アリ映画の最高傑作でありますぞ!と、ほかの映画の宣伝をしてこの記事を締めくくりたいと思います。

個人的評価:6/10点

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